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14ページ目






 グリフォンとの戦いで負った傷もすっかり治り、傷痕きずあとも今では薄く残るのみ。

 ブリジットとの関係も最初に比べれば、良好と言えるだろう。いまだに朝の準備が遅いと怒られるが・・・。


 全快した身体で今日も薬草採取とゴールドスライム狩りに精を出す。


ビュンッ!!


 俺が投げた石は以前よりも鋭く正確にゴールドスライムを射ぬく。


「今日はこれで3匹目だ」


 日によっては出逢えない日もある為、今日はかなりツイている。

 レベルもかなり上がってきた。




名前:今井いまい りく

種族:人族

Lv:50

SP:0


ステータスポイント:0

STR:200

VIT:200

INT:200

MND:200

DEX:200

AGI:200

LUK:145


《スキル》

解体Lv6/100

生活魔法Lv23/100

風魔法Lv12/100

索敵Lv28/100

隠密Lv5/100

投擲術Lv37/100

短剣術Lv8/100

体術Lv1/100

回避Lv12/100

《耐性スキル》

風属性耐性Lv10/10

水属性耐性Lv1/10

火属性耐性Lv1/10

土属性耐性Lv1/10

毒耐性Lv10/10

暗闇耐性Lv1/10

魔封耐性Lv1/10

《ギフト》

女神の恩情

《称号》

スライムキラー【神】




 ゲームで例えるならば、旅立ちの村でレベル50は上げ過ぎな気もするがまたいつグリフォンのような強敵が現れるとも限らないのでレベルが高いに越したことはないだろう。


 スキル構成は増えていないが全体的にレベルが上がり、獲得したスキルポイントは全て、『毒耐性』へと注ぎ込んだ。

 毒コワイ。


 そして、ひとつの重大な決断をしようと思っている。


 このスライムの楽園にいる9種類のスライムの内、俺はすでに7種類のスライムを1000匹倒して、アドバンテージを得てしまった。

 残り2種類はまだだがシルバーとゴールドスライムまで1000匹討伐しようと思うと約3年くらい掛かりそうなのでいなかったことにする。


 つまり、スライムの楽園をそこそこコンプリートしてしまったのだ。

 このまま田舎の村でスローライフという人生もあるがまだ老け込むには早すぎる歳である。


 何より異世界への好奇心と女神様の手伝いをないがしろにするつもりもないのだ。


「そうだ。旅に出よう」


 異世界に転移してから毎日2食という苛酷な現実に打ちのめされたがチート能力を駆使して世界を股にかける大冒険者になりたい。


 果敢な年頃の俺が目指さない訳がない!


 もう気持ちは旅に出る気でいる。薬草類の採取をしながら、まだ見ぬ夢を膨らませつつ、どうやってお世話になっているリーベ婆さんに伝えるか考えていた。



 結局、良い伝え方が思いつかなかった俺は素直に告げることにした。


 その晩、偶然にもブリジットを含めた3人で夕食を食べている最中に俺は話を切り出した。


「リーベ婆さん、俺、旅に出ようと思う」


「そうかい、行ってきな」


 あれっ?思ってた返しと違う。


「はぁ?あんたなんか直ぐに魔物のエサになるのがオチよ」


 久しぶりの毒ブリジットが出てきたが魔物のエサとは酷い言われようだ。


「魔物のエサになるつもりはないけど、この世界をもっと見てみたいんだよ。当然、死ぬつもりもないよ」


「あんたなんか勝手にどこへでも行けば、良いのよ!」


 ブリジットの思ってた以上の過剰な反応にたじろいでしまう。


「それでどこに行くんだい?」


 リーベ婆さんは相変わらず、平常運転だな。


「そのこと、なんだけど・・・」


 俺は薬草を採取しながら考えた旅の計画を話す。


 土地勘のない俺では町にたどり着けるかどうかも怪しいのでたまに来る、行商人についていき、まずは近くの町を目指すことを説明した。


 リーベ婆さんがいうには行商人は2日後くらいにくるそうだ。


 リーベ婆さんと話をしている途中、ブリジットの目が一瞬、悲しい色を宿していたように見えたのは錯覚じゃないだろう。たぶんお兄さんの事を思い出させてしまったのだと思う。

 気になって、もう一度ブリジットを見てみるが今はすでにいつものように俺にたいして悪態をつく、ブリジットに戻っている。




 3日後、村に来た行商人に途中まででいいから連れていってもらえるように頼むと快く引き受けてくれた。


 行商人はリーベ婆さんとの取り引きをすんなりと終わらせるとすぐに村を発つ。

 既にリーベ婆さんや近隣の人達、ついでにブリジットにも挨拶は済ましてある。


 俺はこれから短い旅の間、お世話になる行商人に気を使い、荷物を半分持たせてもらう。


 行商の人に準備は良いかと問われて、問題ないと答える。

 見送りにはリーベ婆さんと少し離れた場所にブリジットが何か言いたそうに立っている。


 俺はお世話になったリーベ婆さんと離れた所で立って、こちらを見ているブリジットに手を振り、「行ってきます」とだけ言う。


 この異世界に呼ばれて右も左も解らない不安な俺を迎え入れてくれた二人。


 きっと、忘れないだろう。


 俺は振り返えらない。ただ、餞別と言ってリーベ婆さんから貰った魔法の袋に手を添えて、ブリジットが調合したポーションが入っている腰袋を右手で触り、まだ見ぬ世界に向かい歩を進めるのであった。







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