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投擲の練習を開始してからすでに1週間が経った。
午前中は薬草採取とスライム狩りに費やし、午後からはひたすら投擲の練習に励んだ結果、投擲術のレベルも20まで上がった。
その成果もあり、シルバースライムを1匹だけだが討伐することに成功し、ゴールドスライムにも石を当てるだけは出来るようになった。
どうやら初めて倒せたのはクリティカルヒットという偶然によってもたらされた結果だったようだ。
なのであれ以来、ゴールドスライムを倒すには至っていない。
それでもこの結果に挫けることなく、投擲の練習は続けている。おかげで10メートル以内なら80%くらいの命中率まで上昇した。
当面の目標は的にしている木を投げた石だけで5本倒すことだ。
なんだか練習方法が昭和の熱血まんがみたいだが他に思いつかないのでこの練習法のまま続行する。
さらに3日が経ち、パープルスライムの討伐数が1000匹を超えて、獲得したステータスポイントをDEXに全降りする。
名前:今井 りく
種族:人族
Lv:11
SP:15
ステータスポイント:0
STR:100
VIT:80
INT:100
MND:80
DEX:200
AGI:100
LUK:85
《スキル》
生活魔法Lv15/100
索敵Lv15/100
短剣術Lv3/100
投擲術Lv24/100
風属性耐性Lv1/10
水属性耐性Lv1/10
火属性耐性Lv1/10
土属性耐性Lv1/10
《ギフト》
女神の恩情
《称号》
スライムキラー【神】
ついに称号のスライムキラーが【神】となった。これでスライムに与えるダメージは3倍から5倍となる。
そして、DEX値を上げたことにより、劇的に命中率が向上し、索敵の範囲も広がった。
目標だった5本の木はとっくに打ち倒し、自信に溢れる俺はゴールドスライムを求めて、森を徘徊する。
「(いたっ!)」
索敵に引っ掛かった反応を頼りに近付いてみれば、恋い焦がれるゴールドスライム。
距離は15メートル。少し距離はあるが今日の俺はツイているのでイケると根拠のない自信を胸にセットポジションに入る。
石の感触を確かめながら腕を振りかぶり、全力投球。俺の目にはもはや、奴しか映っていない。
石はしっかりと指先にまで掛かり、綺麗なスクリュー回転を伴って一直線にゴールドスライムへ。
キィン!!
ゴールドスライムの芯を捉えた石は澄んだ音を鳴らすと真っ二つに割れて転がる。
ショット&ダッシュ
投げ終わるなり、走り出していた俺は7歩で接近する。
ゴールドスライムは動かない。
足下に転がるゴールドスライムを悠々と掴み上げると俺の口は自然と吊り上がっていた。
後は確実に仕止めるだけの作業だ。
ダガーを叩きつけるように振るい、着実にダメージを与えていく。
途中、したことはないがハンマーで何度も鍛造する鍛冶を連想した。
10回程、ダガーを叩きつけているとゴールドスライムに突き刺さり、危うく自分の手に突き刺すところだった。
それでも前回に比べれば、早い回数で仕止めることが出来た。
早速、ステータスを確認すれば、今回はレベル3つ上がっていた。
「よしっ!この調子で狩りまくってやる!」
残った魔石を手早くしまうと次の獲物を探して、また彷徨い始めた。
そして、この日を境に本格的なレベルリングが始まった。