第88話 道
美代子視点続きます。
私の想いは伝えた。
だから後は勝弥君が素直になれるかどうかだけだった。
次の日の昼食の時間、勝弥君は食べ終わると何処かに行ってしまった。
しばらくすると勝弥君から中庭に来て欲しいとメールが入ってきた。
私は残りのお弁当を急いで食べ終え中庭に向かった。
勝弥君から呼び出されるのは珍しい。メールも滅多に来ないのに。
話しって昨日の続きかな?
それとも…
私は少し期待しながら勝弥君の下に歩いて行く。
少し歩くと勝弥君が見えて勝弥君も私に気付いたみたい。
少しづつ二人のあった距離が無くなっていく。
勝弥君の歩く姿がスローモーションのようにゆっくりと見える。
そして私達は寄り添うような形で向き合った。
その時の勝弥君は今までに見たことの無いような雰囲気で私に勝弥君の想いを伝えてきた。
口下手な勝弥君の言いたい事は分かる。
やっと私達は…
結ばれる。
今まで体験した事の無かった男の人の胸に抱かれる感触は一生忘れる事の無い思い出になる。
そして
私にとっても初めてのキスをした。
午後の授業中も胸がドキドキしっぱなしで先生が言っている事など頭に入らなかった。
時々、勝弥君と視線が合うけど、まともに合わせなれないほど恥ずかしい。
ずっと願っていた事が叶えられた事の素晴らしさは私の心を大きく開かせた。
このままでいたい。
これからもずっと。
嬉しい事とかは私は直ぐ友達に言っちゃう癖がある。
私の顔に聞いて欲しいと出ちゃてるのもあるから。
だから友美ちゃんや緑には直ぐに報告しちゃう。
二人共、良かったねと言ってくれて、特に私の想いをずっと知っていてくれた緑は随分喜んでくれた。
冬休み入ったら直ぐに遊びに行くから、それまでにもって親密な関係になっときなさい。
だって…
私にも分かってる。
私だって好きな人とずっと一緒に居たいし、その先だって…
でも慌てる事も無いと思う。
私達は長い時間をかけてやっとここまで来たのだから。
この先まだ長い時間を一緒に過ごして行く想いは変わらない。
だから慌てることは無い。
私達は歩き始めたばかりだから。




