第87話 ライバル
久しぶりに美代子視点です。
私が転校して来たのにはあまり感心を寄せなかった勝弥君は、さすがに自分の家、しかも一緒の部屋に住む事には驚いたみたい。
勝弥君の傍に居たいと思って、お母さんから勝弥君のお父さんに言ってもらった。
親同士が認めてくれたのだから後は私達の問題だけだった。
勝弥君がこの街に戻ってきた理由を聞いたら私もジッとしてられない。
だから私も勝弥君の傍に来た。
梨絵ちゃんとは友美ちゃんが紹介してくれてすぐ仲良くなった。
恋のライバルだけど。
梨絵ちゃんの理由を聞けば私も梨絵ちゃんには勝弥君が必要だと思う。
でも勝弥君は言ってくれた。
私の事が好きだと。
あの日…
私が勝弥君に答えた日から私達の想いは変わらない。
小さい頃から変わらない。
だから私達が一緒に居る事は不自然でも何でも無い。
当たり前の事だった。
そんな私の気持ちを勝弥君は分かっていても梨絵ちゃんに遠慮して受け入れてくれなかった。
私も分かっている。
でも私達は好き同士なんだから…
そして梨絵ちゃんと始めて会った日、梨絵ちゃんに私達の事を聞かれた。
勝弥君は答えてくれなかった。
答えられなかったのかもしれない。
梨絵ちゃんは勝弥君の事が好きだから。
帰り道、勝弥君は梨絵ちゃんを送って行くから途中で私達と別れた。
なんて答えるのか気になってしょうがなかったから梨絵ちゃんに電話した。
少し泣き声の梨絵ちゃんは勝弥君から全て聞いたみたいだった。
だから私も梨絵ちゃんに言った。
「私達は今日友達になったけど、恋愛は別だよね?私は勝弥君が好きだから。ずっと…」
すると梨絵ちゃんは
「分かってる。お互い好き同士なのに邪魔するつもりは無いよ。でも今の私には勝弥君が必要だから…」
と言った。
梨絵ちゃんの後遺症の事は私も分かる。
だから治るまで貸してあげる…と
治るのがいつなのかは誰にも解らない。
勝弥君も言っていたけど一生なのかもしれない。
でも私と梨絵ちゃんの間では勝弥君への想いを伝えた。
後は勝弥君が決断してくれればいい。
私は貴方の傍にいたい。
私は一生貴方を好きでいます。
この想いは誰にも壊せない。




