第78話 大切な人 5
ども!
こんな結論の出し方で梨絵も俺も納得するのだろうか?
そんな疑問を持ちながら眠りについた。
隣で眠る美代子は話してすっきりしたのか、小さい寝息を立てて眠っている。
美代子を見つめながら、あんな事が無かったら…と後悔をする。
梨絵とあんな形で出会わなければ今頃、美代子と幸せに暮らしていたのかな?
否、今一緒に暮らして一緒に寝ているのだから幸せなのかな?
俺はこのまま梨絵の傍にいながら美代子と一緒に住んでいていいのか?
納得出来ないでいる俺に残ったのは疑問だけだった。
次の日の朝、いつものように梨絵を迎えに行く。
あんなに泣き崩した顔を俺に見せた梨絵は、昨日とは違って、晴れ渡る笑顔を向けてくれた。
元気いっぱいの梨絵を横に学校へ向かう。
「あれからどうした?」
「美代ちゃんとの話しは?」
とか聞いてくるが、何にも解決していないと思っている俺には答えられない。
でも昨日、美代子が言った事を梨絵が納得してくれたら全て解決する……?
だから、梨絵に伝えなければならない。
「梨絵……俺は梨絵の傍に居ると約束した。…でも、美代子の事を好きなんだ……これが俺が出した結論なんだけど…」
俺達の横を通り過ぎる車や学校へ向かって歩く人達の歩道で立ち止まって梨絵に告げた。
梨絵を傷つけたくないと思っている俺だが自分の気持ちには正直になりたい。
だから俺は梨絵に正直に告げた。
「いいんじゃない?それで。それが今の勝弥君の気持ちでしょ?…美代ちゃんとの仲を壊すつもりは無いよ?私も友達になったし。…でも、今の私には勝弥君が必要なの。自分でも解っている。私の中で何かが起こる事を。…だから…しばらくは…傍にいて。私も勝弥君が好きだから…」
そんなのでいいの?
美代子と一緒にいてもいいの?
俺が疑問を抱えていると
「昨日、勝弥君が帰った後で美代ちゃんと電話で話したの。全部聞いた。美代ちゃんの勝弥君への想いは私よりも重いなって思ったけど、私も勝弥君の事が好きだし、今は一緒に居てほしいと言ったら、少しなら貸してあげるって言ってくれたよ。」
「……」
「…俺って…一人で悩んでいたの?」
「だね♪」
「……」
「そう言う訳でこれからもよろしくね♪」
歩道を歩く梨絵は何処かすっきりした顔で学校へ向かい始めた。
昨日あんなに悩んでいた事は梨絵と美代子が話し合った事で全て解決してしまったらしい。
というより俺を物扱いしている二人にはきちんとしなければならない。
今後、二人に踊らせられないように……




