第77話 大切な人 4
ではでは、どうぞ!
「貴方の傍にいたい…」
美代子がゆっくりとした口調で俺に言った。
そう言われても俺は梨絵の傍に居なければならない。
否、居ると約束した。
約束…
美代子とも約束してある。
でも、…俺は梨絵を大事にしたい。
だから
「美代子との約束は守れそうにないと思う…今は…梨絵の傍に居なければいけないから…」
俺は正直な気持ちを美代子に伝えた。
否、正直言うと恋愛感情で考えてるならば、俺は美代子の事が好きだ。
梨絵の事は守りたいとは思うが、ここには恋愛感情はない。
その事は梨絵も解っている。
「そんな事は解ってる。…解っててここに来たの。…梨絵ちゃんの事を好きなっても…いい。でも、私は勝弥君が好きなの。…この想いは誰にも、私にも止められない」
今更ながら自分自身の不甲斐なさに腹が立つ。
美代子はここまで俺を想っていてくれている。
それなのに…
「これからどうしたらいいのかな?…」
俺は一人言のように呟いた。
これからどうしたらお互い納得するのか解らない。
どう結論出しても納得しないのかもしれない。
否、俺自身一番納得しないのかも…
「正直になればいい…と思う…」
美代子が俺の一人言に答える。
正直…ヒロと友美も言っていた。
自分の気持ちに正直になる。
それが…誰かを傷つけたとしても。
俺は素直な気持ちで
「俺は美代子の事が好きだ。でも梨絵を傷つけたくない」
と美代子に告げた。
「うん。それが勝弥君の正直な気持ちだと思うよ。それでいいと思う」
美代子が俺に言ったが、これでは結論が出ていないのではないのか?
「結論は出ているよ。勝弥君は私が好きなんでしょ?…でも梨絵ちゃんの傍に居なければいけないんでしょ?」
俺は頷く。
「それが結論だよ。私と勝弥君は両想いなの。でも勝弥君は梨絵ちゃんの傍に居てあげるの。…それが私達の両想いを壊したとしても。…私はそうならない為にここに、貴方の傍にいるの」
これでいいのか?
俺は梨絵と美代子と一緒に居ても…
美代子は納得して居るみたいだが、梨絵は納得してくれるだろうか?
俺はこの結論で納得するのか?
この答えはまだ見つからない…




