第65話 秘密
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昼休みになり俺は食堂に向かう。
教室を出る時、上級生も美代子を見に来ていて抜け出すのが大変だったが、友美が連れて行くと言ってくれたので、ヒロと先に向かった。
ヒロと四人掛けの席に座り美代子達を待つ。
ヒロは友美が作ってくる弁当があるので俺だけ食券を買い、カレーライスを頼む。
トレーに載せたカレーを運んでいると、さっきまで友達同士話して騒がしかった食堂が一瞬で静かになり、略全員食堂の扉に視線が動いた。
その視線の先には美代子と友美がいて、ヒロが友美に声を掛け席に案内していた。
俺もトレーを持ちながら席に着く。
どうやら美代子は弁当を持ってきたらしく、3つの弁当とカレーライスがテーブルに置かれていた。
ヒロと友美は美代子の事を知っているので、別に聞かれても困らなかったから食べながら色々聞こうと思っていた。
否、この状況で美代子と二人きりになるのは、俺にとってかなりの覚悟がいる。
さっきから視線ではなく殺気を感じる。
美代子と二人きりだったら間違いなく俺に明日はない。
カレーを食べながら美代子に話しをしようと思ったらある疑問に気付いた。
何故?
美代子の弁当は友美達と同じオカズなの?
というか、全部一緒?
三人の弁当をキョロキョロ見渡し不思議がっていると
「このお弁当、友美ちゃんが作ってくれたの♪」
美代子が俺に言ってきた。
否、何と無く解っていたが突っ込みたい所はそこではない。
確か、俺が睦美さんに迎えに来てもらった日、友美は美代子からメールが来たと言っていた。その日に転校して来るのを知っていたのだろう。
俺に内緒だと言っていたし。
しかし美代子は勘違いしている。
否、ヒロもだ。
友美が作っていると言っている弁当は、実は睦美さんが作っている。
はっきり言って友美は料理が出来ない。
否、出来ない訳ではないが………食べられた物ではない。
中1の夏休みに里帰りした俺に、最近料理覚えたから食べてみて!と手渡されたオムライス………
今、思い出しても………
塩と砂糖を間違えたとかの可愛いいレベルではなかった。
何に何を足したらこの味になるの?
薬の開発でもするの?
あの時の俺は、友美を振ったから殺されるのだろうと本気で思っていた。
それ以来料理はしていない筈だ。
その前に、3日間寝込んだ俺を見ている、睦美さんから止められていると信じたい。
友美のは料理ではなく科学実験なのだから………
ヒロにも言えない友美の秘密である。




