第57話 考え
ども!ではどうぞ!
病院から出た俺は駅前のバスターミナルに向かう。
思ったより考え事していた時間が長かったのか、最終バスは発車した後だった。
帰りの手段が無くなった俺にはタクシーで帰るか誰か迎えに来てもらわなければ帰る事は出来ない。
バスで30分かかる道をタクシーで帰るとなるとかなり痛い出費になるし、家にはばぁちゃんしか居なく車の運転は出来ない。
俺は友美に電話して睦美さんに迎えに来てもらうよう頼んだ。
駅前で待つ事、約一時間。
睦美さんの車が見えた。
助手席には友美が見えるがヒロは見当たらない。
俺が友美に
「ヒロは?」
と聞くと、明日早いから寝るって!
と友美が答える。
ヒロは高校生漁師なので朝は早い。
本人はどう思っているか解らないが、俺達は哀れみの目でしか見ていない。
「睦美さん、すみません」
睦美さんに軽く頭を下げながら車に乗り込む。
睦美さんが車を走らせると友美が
「今日、美代ちゃんからメールきたよ!」
と俺に言ってきた。
内容は教えないと。
それなら言う事ないじゃん?
気になるだけじゃん!
「1つだけ教えると………頑張るって!」
何を?
主語述語がねえぞ!
そんな友美の解らない話しを聞いていると家に着いた。
睦美さんにお礼を言って車から降りようとしたら
「勝弥君の思った通りにしなさい!」
と睦美さんに言われた。
この時の睦美さんと友美の言葉が後の俺の気持ちを揺るがした。
家に帰りおばあちゃんが作ってくれてあった夕飯を食べる。
朝早く学校に行き、帰りは面会時間終了まで病院にいる生活を送っている俺はベッドに入るとすぐに眠りにつく。
高校入学した後から美代子と昔みたいに仲良くなった生活を送っていた俺にとって、今は苦痛でしかない。
逃げだしたい……?
何から……?
すべて……?
逃げたらどうなる?
誰も知らない街で静かに暮らす?
梨絵との約束は?
美代子との約束は?
美代子への想いは?
すべて考えたくなかった。
何も考えたくなかった。




