第53話 傍に
では、どうぞ!
夏休みも終わりに近づいて来た頃、笠原は順調に回復していた。
事故当時、色々な器機に取り付けられ体は包帯だらけだったが、今では病院の中庭まで出れる程回復している。
左足がまだ骨折中なので松葉づえを突かなければ歩けないが、それ意外では他に悪い所は見当たらなかった。
しかし、病院から退院の許可は降りない。
もうすぐ笠原も学校が始まるのでお母さんが先生の所に行き、退院の許可をもらってくると部屋を出ていった。
しばらくしてお母さんが部屋に戻ってきた。
すると俺に
「勝弥君……ちょっと…」
俺はお母さんと一緒に部屋を出て中庭にあるベンチに腰かけている。
「あの娘………事故当時のショックがあるらしく、私達がいない夜中は……発狂するみたい………」
笠原が目を覚ましてから俺は今まで通り、朝から夕方まで一緒にいるが、お母さんは仕事もある為、夕方少し顔を出して帰っていっていた。
だから夜は彼女1人だった。
「どういう事ですか?」
俺がお母さんに訪ねると
「先生が言っていたんだけど………まだ……1人での生活は無理みたい。…1人で外に出歩いたりは…」
言葉は悪いかもしれないが、もし彼女があの時死んでいたら、今彼女に起きている痛みも苦しみもなかったはずである。
俺はあの時誓ったはず
彼女を支えると
「俺……俺がいますよ。……彼女の傍に……」
俺は彼女のお母さんにそう答えた。
俺が彼女の支えになるのかは解らない。
彼女に相応しい人が他にいるかもしれない。
しかし今は俺しかいない。
俺がいる昼間にはそんな所を見せないのだから。
病室に戻って俺は笠原に聞いた。
俺が傍にいていいのか?
俺はお前の支えになるのか?
お前はどうして俺を助けたのか?
笠原は少し考えてから重い口を開いた。
「私は……小学生の頃から勝弥君が好き。
それは……今も……変わらない。偶然会えたのかもしれないけど、ずっと想っていた私からにとっては偶然じゃないと思う。神様が引き合わせてくれたと思いたい。……好きな人が…………好きな人を助けたい気持ちは女も一緒。そして……好きな人とずっと一緒に居たいという気持ちはみんなあると思う。」
笠原は体を起こして
「私は勝弥君が好きです」
と、俺に告げた。




