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約束  作者: 純らん
50/111

第50話 噂

ではでは、どうぞ!




波の音しか聞こえない砂浜で二人は話す事を忘れたかのように言葉を発する事が出来ないでいる。


美代子からの告白を受けた勝弥は今は受ける事が出来なかった。


それは美代子より笠原を優先したからであった。


自分の為に怪我した彼女がまだ目を覚まさない。


自分だけ幸せにはなれない。


勝弥はそう思って美代子の事は断った。


だが、美代子が思い出してくれた事には嬉しく感じていた。



もう少し早く思い出してくれたら……


笠原があんな事にならなかったら……






勝弥にはどうする事も出来なかった。






次の日



美代子は帰っていった。









いつものように笠原の病院に向かう。


お母さんと入れ替わりベッド横にあるパイプイスに腰かける。


そして彼女の腕をマッサージする。


彼女は目を覚まさないので寝たきりの状況であった為、筋肉が固まってしまうと先生に言われた。


さすがに足はマズイ?ので俺がいる昼間は腕を中心にマッサージしていた。





隣で眠る彼女を見ていると、小学生の頃を思い出す。


彼女は何かというと俺に話しかけてきた。

それが彼女の愛情表現だったのかもしれない。


まさか俺の事を好きだとは思わなかった。


今は?


今はどうなんだろうか?

何故?


何故俺を助けたのだろうか?





その答えは彼女が目を覚まさない限り解らない。





夕刻間近、笠原が眠る病室の戸を叩く音がした。


看護婦さんかな?と思い返事をすると、そこにはヒロと友美の姿があった。





「よう!」


ヒロが手を挙げて俺に声をかけた。


「……どうして解った?」


ここにヒロと友美の姿があるのが不思議でしょうがなかった。



すると友美が


「梨絵とは友達だよ?高校も同じだし。それに小さい街だからすぐ噂になるよ!」


友美が言うには笠原とは高校も同じで、小学校から一緒だから仲良くなった事と事故に合って意識が戻らない事もこの街の住民は殆んど知っていたらしい。

それに笠原の彼氏が毎日病院にいることも噂になっているみたいだった。

俺の様子がおかしくなった時期と笠原が事故に合った時期が一緒だったので、笠原のお母さんに聞いてここに来たと。





「そうか…黙ってて悪かった…」



素直に頭を下げた俺は二人に笠原との事を話した。

そして



美代子の事も…




すべて話し終わった時、ヒロが言った言葉は



「辛いな…」



一言だった。


その一言にすべて詰め込まれていた。



笠原の事も……




美代子の事も…………






部屋に人が居ても、話ししなければ、笠原に取り付けてある器機の音しか聞こえない。






その時






笠原が………







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