第47話 空間
まだまだ、まだまだ評価なぞ受け付けています。
笠原の手術も終わり彼女は病室を移された。
今、俺の目の前にいる彼女は身体中色々な器具に取り付けられている。
幸いな事に彼女の顔には傷がなく顔色も良さそうだった。
担当医師によると、彼女は生きてはいるが、いつ目を覚ますかはわからない状態だと言う。
目を覚ますのが明日なのかも知れないし、一生覚まさないかもしれないとも言う。
仮に目を覚ましても、何かしら障害もありえる…と。
そんな医師の宣告であっても、俺にとって彼女が生きていてくれればそれで…いいと。
しばらく彼女の側にいるとお母さんが、とりあえず今日は帰って休みなさい。目を覚ましたら連絡するから!と俺に言ってきたが、俺の為にこんな事にあった彼女を置いて帰るわけにも行かず、立ち止まったままでいると、貴方が休んだ後で、私も休むから。とお母さんが言った。
その言葉の意味は彼女が目を覚ました時に誰も居なかったら可哀想でしょ。と言っているようだった。
俺は笠原のお母さんの言葉にしたがい病室を後にした。
病院を出ると今日も暑い日になるように太陽が街を照らし始めていた。
家に着くとちょうど皆帰る所みたいだった。
何処行ってたんだ!とかの声も適当に流してとりあえずシャワーを浴び遅い朝食に取りかかった。
思えば昨日の朝から何も食べてなかったので何時もの倍以上食べた。
あんなことがあっても食欲がある俺はどうかと思うが、腹が減っていたのは事実だった。
ふと見上げると目の前にいる美代子が俺を見ていた。
「…何?」
「食べ終わってからでいいよ!」
とだけ言い、俺が食事してる間ずっと黙っていた。
そういえば、何故美代子だけ残ったのか疑問だったが、食欲が満たされた俺に今度は睡魔が襲ってきた。 しばらく休んでまた病院に行き、お母さんと変わらなければならない。
俺は部屋に入りベッドに倒れかかるように眠りに着いた。
俺はこの先彼女を………
守っていかなければならない………
深い眠りから目を覚ますと、夕日が照らし始めていて俺は病院へ向かおうと下に降りていった。
リビングにはヒロと友美と美代子がいて、俺が降りて行くとまずヒロが口を開いた。
「昨日、何があった?」
「……勝弥?」
「………ちょっと出てくる」
俺は何も答えられなかった。
すべて話してしまえば少しは楽になれたかもしれないが、笠原がまだ意識を取り戻していない以上は誰にも言いたくなかった。
笠原が意識を取り戻してもこの先どうすればいいのか?
まるで俺は出口が見えない空間に入り込んでしまったかのように…………




