第41話 想い
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近くでは花火の音が聞こえ、空を見上げれば都会では見ることが出来ない程の星が煌めいている。
幼稚園に着くまで俺達は一言も話さなかった。
俺の後ろを美代子が歩いてくるだけだった。
幼稚園に着き俺は数時間前にも腰かけたブランコに座った。
隣に美代子が座るのを確認し
「…悪かったな。冨山…」
無我夢中で冨山を殴ってしまった事は素直に謝りたいと思っていたので、自然に口から出た。
それは、勝弥が美代子に対して愛情から友情に変化したからだった。
美代子に対して愛情があれば、他の女といた冨山に対して殴らなかっただろう。
しかし
「謝るのは私の方…」
「冨山君とは…付き合ってなかったから…」
「…えっ?」
「付き合ってるふりしてた…」
なぜそんな事をするのか?
する必要があったのか?
「…冨山、殴られ損?」
「うん。でもちゃんと謝ってきたから…」
そういう問題じゃないけどな…
「でも、どうしてそんな事したの?」
疑問に思っていることを聞いてみた。
「勝弥君が……やきもち妬いてくれるかな?って…」
「……どういうこと?」
勝弥には何となく美代子が言った意味は解っていた。
しかし、美代子の口からハッキリ言って欲しかった。
それは
数時間前に決めた自分の決断を覆すことであっても。
「それは…」
「それは?」
「勝弥君の事………す、好きだから」
美代子の口から勝弥の事を好きだと言ってくれたのは、勝弥にとって最大の事件かも知れない。
だけど、勝弥はこれからどうすればいいのか解らなかった。
勝弥も美代子の事が好きなのは、諦めようと決断した後でも変わらない。
勝弥は美代子に聞いてみた。
「ここに来たということはすべて思いだしたの?」
美代子がすべて思いだしたなら先に進みたかったし、美代子の返事も違うはず。
「すべて?…勝弥君はかっちゃん…でしょ?小さい頃いつも一緒にいた!」
「それだけ?」
「……う、うん」
勝弥にとって美代子から好きと言われた事は嬉しかったが、約束を思いだしてくれない美代子には腹立たしかった。
「俺の事、好きと言ってくれるのは嬉しいし、俺も美代子の事好きだよ!」
「でも、それだけ」
「それだけって?」
「それだけだよ!」
勝弥はイライラしながら答え
「帰ろ!」
と幼稚園を後にした。
美代子は不思議そうに俺を見ていた
お互い好き同士なのだから、付き合ったりと次の展開になるのが、ならなかったからだった。
なぜか勝弥の機嫌が悪いのも美代子に取っては不思議でしょうがなかった。




