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02話 説明と名前を頂きました。

少年が交通事故に遭いそうになった所に遭遇し、代わりに轢かれた私、土江蒼依は異世界に転生した。

そのあと目が覚めたらなんとドラゴンになっていた、と。

どんなドラゴンになったかはイマイチ不明だけど。

そのあと出逢ったのは助けた少年だった。イマココである。


「自問自答終わった?」

(オワリマシタ)


目の前の少年は笑顔で言葉を紡いだ。

笑顔だけどなんだか黒くない?大丈夫?燃やされない?


「燃やさないし、そんな無駄なことしないよ?」

(あ、はい)


こてん、と頭を傾けるシルビオ君はなんとまあ、麗しい事で。

その後、説明を受けることになった。

まず一つ、シルビオ君の事。

名前、シルビオ。

なんと彼はこの世界の神様。笑顔で言われたときスンって真顔になった。

いや、ものすごくフレンドリーで親しみやすかったから。

あと、少年の姿をしているのは趣味らしい。趣味って……。

でも、神様と言っても末端らしくて、立場は弱いとのこと。

姉の女神と兄の神様達は色々とだめだめらしく、いつも迷惑していると、黒い笑みを浮かべて言っていた。だから笑顔が怖いって。


二つ目、私の事。

私の事というかこの姿のドラゴンの話だけど。

種族、七竜セブンスドラゴン。魔物だけどその中でもなかなかのレア種らしい。

七竜は、前の七竜が何かしらの要因でこの世界からいなくなった場合のみ新たな七竜がこの世界に生まれる。今回は転生が私であるけど、概ねいつも通りで生まれた、とのこと。

鱗一枚で豪邸が立つし、七竜が創ったその国は繁栄するらしい。いまいちピンと来ないが今の所、七竜を守護竜として立ててるのは、王都のみらしいけど。

ぼそりと、シルビオ君が「まあ、その繁栄も今じゃ形無しだけどね」と不穏な言葉を聞いてしまった。

ちなみに、例外はいるが他のドラゴンも国を創って国王になってたり守護竜しているという話だった。いつか会ってみたいな。


三つ目、この世界の事。

この世界では魔物、魔族、人間がいて、それぞれの国で生活をしている。

中でも、魔物、魔族は奴隷の対象らしく、人間様社会というらしい。なんて世の中だ……!!

この世界は大まかに魔族の国、人間の国の二つに分けられているらしく、魔物はそれぞれの国で生きているが立場が弱くよく奴隷狩りに遭っている。まあ、戦っている魔物もいるらしい。そういうのをレジスタンスっていう。

ファンタジー特有の勇者や魔王もこの世界にはいるが、それはまたの機会にと言われてはぐらかされた。



「で、どうする?引き受けてくれる?」

(ちなみに拒否権は?)

「あるとおもう?」

(デスヨネー)


ははは、と乾いた声を上げるしかない。

でも、人間の言葉なんてしゃべれないけどな!


「まあ、僕もそのまま君を見送ることはしないから安心して?」

(というと?)

「君から僕と共通の名前を付けてほしいんだ」

(名前?でもシルビオ君にはもうついているのでは?)

「なんていうのかな、君の元の世界でいうと苗字をつけてほしいんだよね」

(理由を聞いても?)

「理由は簡単、君に加護を施しやすい事。僕の眷属になれば、ある程の権限をあげられるってことだね。

 そして、もう一つ、君にちゃんとした名前を付けたいってのもある。僕のせいで転生させてしまったもんだし、せっかくなら楽しんでやってもらいたいし」

(なるほど)

私は暫く考えてうーんどうしようかな。

神様と言えば、ゼウス……。

ゼウスと言えば、雷……稲妻、ライトニング、おっライトニングってよくない?

うん、ライトニングで決定だね


「決めてくれた?」

(ライトニングなんてどう?)

「うん、うんいいね!」


私がシルビオ君に向かって、答えると花が咲いたように笑顔で頷いた。

うわっ、花が舞ってる……、かわいいなおい。


「僕の方も決まったよ。君は、今日からジルベルト・ライトニング名乗っておくれ!」

シルビオ君が、笑顔で言った瞬間、眩い光が私たちを包み込んだ。


目をつぶる前にシルビオ君は笑っていた。


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