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パラレル・ゲート  作者: 小鳥大軍
3/8

3話『次の修行、お勉強』

次の日の朝。目がさめるといつも通りの天井、ではなかった。木の骨組みに、屋根が付いている。ああ、これは夢じゃなかったか。自分で思っていたよりも俺は落ち着いて現状を確認できていた。もちろん、混乱はある。だけど不思議と本当に落ち着いている。なんでだろう。そう思いながら、もそもそと起き出した。タツはまだ寝ている。昨日剣が普通と言われたことが気になり外で素振りをすることにした。


フン・フン・フン・今まで素振りをしたことがないので漫画などでやっていたのを見よう見まねで真似してみることにした。

うーん。よく分からない。これが上手くいっているのかいないのか。

この後、日が空の真ん中にきたあたりにタツがのそりと起きてくるまでに勝手に家にあった食材を使ってご飯を作ったり、文字を頑張って覚えたりした。

タツは、起きるとすぐにどこかへふらりと出かけてしまったので、付いて行くかどうか迷ったが、付いていってもやることがないと思いここに残った。その後も特にこれといったことはなく、日が暮れてきた頃にタツが戻ってきて飯を食べて寝た。














その数日後、やっと文字を覚えたので、タツに魔法を教えてもらうことにした。


「タツ。文字覚えたから魔法教えろ」


ちなみに、タツに敬語を使わないということに対する躊躇いは、消えた。この数日間、この人の態度を見ていると、敬語を使わないでいいように思えてきたのだ。


「へー、もう?1ヶ月はかかると思ってたけど・・・。まあいいや」


そう言うと、タツはこの間出していた本をもう一度出してきて


「よし!これ読んでみろ」


本を受け取り、読んでみる。えーと、覚えたと言ってもまだ習得したわけではないので、少し手間取ったがなんとか読むことができた。


『魔法学~入門~


1,魔法発動の原理

2,魔法の撃ち方

3,魔法とは

4,魔道具とは

5,神器とは 』


とりあえず目次を読んだ後、一度目線を上に戻す。その先ではタツが二ヒヒと笑いながら


「いやー、私ってほら、考えないで動いてるじゃん?感覚で。だけどさ、お前考えた方ができそうじゃん?だったら本の方がいいかなって思ってさ」


じゃん?と言われても、知らないのだが・・・・・。けれど、確かに俺は考えた方が上手く行くような気がする。なので、続きを読もう。


『1,魔法は空気中の魔源と言う目に見えない粒子を自分の中の魔力を少し使って繋げることで発動することができる。魔源には人類には把握できないほどの種類があり、それら全ての元となるものが五大源素、炎、水、風、土、雷の魔源である。また、魔源は一度繋げると消えてしまうため、無風状態の同じ場所で何度も同じ属性の魔法を使うと一時‬的にその場でその属性の魔法を使えなくなる。魔源がどこから発生しどうやって生成されているのかは世界の謎である


2,魔法は人間単体では使うことができない。太古の人間は使うことが出来たそうだが、現在は不可能。なぜ不可能になったかは不明。魔道具を使って自分の魔力と大気中の魔源を繋げることで魔法を打つことができる。


3,魔法とは、自らの魔力を大気中の魔源をつなげ、そこから更に多くの魔源を繋げることで発動する特異現象である。繋げる組み合わせや数によって発動する魔法の種類と威力が変わる。また、違う種類の魔源を繋げることは、基本的に不可能である。


4,魔道具とは世界中のあちこちに生えている『魔法樹(マテリアル)』という木の幹を様々な道具の中に仕込むことで使い手と大気中の魔源を繋げることを可能としたものである。日常生活に使えるものから戦闘用まで様々な物がある。


5,神器とは、神が封じられていると言われている魔道具である。人に作るのは不可能である。普通の魔道具とは比べ物にならないほどの威力の魔法を放すことができ、一人の人間は一つの神器しか持つことができない。神器は魔源の種類の数だけあると言われており、その中でも特に強い力を持っているのが五大源素の神器ある』


読んでもよく分からなかったので要約したが・・・・・・・なんだ、この中学二年生が書いた設定集のようなものは。読んでて少し恥ずかしくなったぞ!?

ともあれ、読み終わった旨を伝えるため、タツを見る。タツは、俺が読み終わったのに気づくと外に出るように言った。外に出ると、タツは家の中から


「魔法使ってみろ」


無理である。さっきの厨二設定集を読んだだけで魔法を使えなど、無理な話である。この世界の子供達はあの本を読んだだけで魔法が使えるようになるのだろうか?


「いや、無理だろ。あの本読んでも何つうか、説明フワフワしすぎてて使い方がよくわかんねえ」

「だろぉ。あれ読んだところで何が何だかだよなぁ」


そんなにニコニコしながら言われても・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「魔法の使い方を教えてくんない?」


無理だからな!?そんなニコニコされてもできないから。使えないから。発動できないから!?


「まあ、思うようにやってみろ」


思うように・・・・・・か。どうやる。さっきの厨二設定集では自分の魔力と大気中の魔源を繋げる、って書いてたな。繋げる。繋げるねぇ。で、魔道具の説明には繋げるための道具って書いてたよな。えーと。つまり。どうやる。まず魔力って何だ。魔源についての説明はあっても魔力については無かったな。なんでさ。なんて正義の味方を目指している少年みたいなことを言って、どうにかなったらいいのにな。まあ、何をしたとしても、今この瞬間に魔力について理解する事は不可能だろう。魔法、ねぇ。漫画でやってたみたいにやって見るか。俺は(フーガ)を掲げ、魔法を唱える。


「風魔法・ロデヨゼカ」


もしかしたら出るかも、と抱いていた希望をことごとく打ち壊された。風は吹いたは吹いたが、魔法による風ではなく自然に吹いてくる風だった。家の中で爆笑しているタツがとてつもなくウザったい。ウザい。羞恥心で死にそうだ。顔が赤くなっていくのが分かる。


「アハハハハハハ!!なに、ヒィ、今の、フゥ、魔法。面白、ハハ、すぎ、ヒフ」


うるさい。俺なりに頑張ったんだよ!!頑張ってもできなかったんだ。どうすればいいってのさ!?


「アハハ、ハハ、ヒヒ。ふふ、ああー、笑った笑った。なかなか面白かったぞ。次はどんな魔法だ?」


次はどんな魔法だ?と言われても、今のが無理だったら他のも無理だぞ?魔力とか何も感じないし。そう伝えると、タツは笑いながら


「じゃあ、そこからだな」


と言い、外に出て来た。外に出てくるとタツは俺の手を取り


「今から一瞬お前に魔力流すから、その感覚をつかめ」


手を取られた事で少しドキッとしたのは秘密だ。次の瞬間、体の中を何かが通った。今まで使ったことのないところを、知らない何かが通っていった。今のが魔力というものか。・・・・・・・・よく分かんないな。タツは、まさか魔力が分からないとは思わなかったな、と言いその場にゴロンと寝転んび、そのまま寝てしまった。俺はそんなタツを見ながら俺は、どうすれば魔力を使えるようになるかを考えていた。

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