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序説
初めまして、木虎と申すものです。至らない点ばかりの読み物ですが、興味を持っていただけると嬉しいです。次の話からが本編になります。
暗闇が世界を包み、星が瞬く夜。
今夜は新月で赤い炎がよく映える。
赤い焔が、村一面を覆い燃える、燃える。
気づいたころにはもう遅い、声を上げるころには灰になっていることだろう。
生きたまま燃やされるのはどんな気持ちなのかしらねェ。と後ろから声がする。
知ったことか。と返事を返す声がする。
それ以外は、燃え盛る炎が燃える音だけ。
私は、大きく息を吸い込む。燃える木材のにおい、少し息苦しさを感じる煙の臭い。それらを堪能して。
「行きましょう、この地は救われた。」
外套を翻し、不敵にわらう姿が燃える村を後にする。後に続く二人。
翌日、原因不明の火災で村一つが全焼し、村人も全滅したという事件が世界中に響いた。
時は星暦568年。世界は魔法により発展し始めている最中だった。