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脂肪銀行   作者: ハロ
11/13

11話 取引。

「お父様!!何故言う事を聞いて下さりませんの!?」

「はぁ、脂肪銀行の頭取の、

龍聖紋店長を怒らせたのは、本当なのか!?」

親子の会話は、噛み合っていない。お互いが言いたい事を言っているのでは無い。父親はパニックに、娘は怒り心頭で、である。


「お前は、やってはいけない事をしたようだ。電話で確認したが、もうブラックリストに乗っている。」

「くう!!あの腐れ店長がぁ!我が権力で、あんな、みすぼらしい銀行潰してくれますわ!!」

「馬鹿者が!!」

キーンと耳に障る程、部屋の中に響き渡る!


「そんな事すれば、

間違いなくゼニーが倒産する事になるではないか!!」

「一体何んなのですか!?あの銀行は!?」

「あれに歯向かってはならん!これはお願いでは無い!命令だ!絶対にもう近付くでないぞ!」

「嫌ですわ!!

私、バストアップをしなくてはなりませんの。」

「セバス!これは絶対命令だ!

娘を脂肪銀行に近付けるでない。」

「心得ました。旦那様。」

「セバスチャン!!??」

娘は泣いた。溢れん涙を隠しもせず。セバスチャンは、ハンカチを取り出し、涙をそっと拭う。


娘達が出て行った後、父親は電話に手をかけた。

「もしもし、大変失礼します。今お時間宜しいでしょうか?はい。はい。誠にすいません。はい。はい。え!?例の件を飲めと!?いや!!ですが!!!はい。はい。・・・・・分かりました。それでお願いします。」


ガチャン!

「糞が!あの黒狸めが!!

あんな事をさせるつもりだと!?馬鹿が!」

「旦那様。どうされますか?」

メイドが問う。

「例の見積り、先方へ断りを入れてくれ。それと、三津橋に話をしに行く。段取りを頼むぞ。」

「仰せのままに。」


―――――――――――――――――


「ああ!!もう苛つきますわ!!」

セバスチャンは、ティータイムの準備をする。ストレス解消効果のあるジャスミンティーを用意していた。

「セバスチャン!何とかなりませんの?」

「旦那様がお決めになられた事。

それを覆すのは、無理難題かと思われます。」

「くう!」

「先程、入手した情報ですが、ブラックリストに載った人は、如何なるお偉方でも、お断りされるそうです。例え総理大臣でも。」

顔を真っ赤にして、怒り狂う!地団駄を踏むお嬢様。

「あの糞店長風情が!!」


セバスチャンは、お嬢様が寝るまで付き添った。そして、旦那様の元へ足を向ける。

コンコン!

「入れ。」

「失礼します。旦那様。」

「うむ。セバスか。何用だ?」

「お嬢様の事で。」

「はぁ、いらん事をしなければ、

容易くバストアップ出来たモノを。」

セバスチャンは、珈琲を入れカップを机の上に置く。


「セバスが居て、制止出来かったのか?」

「誠に申し訳ございません。」

「過ぎた事を言っても仕方無いな。」

「で、あちらはどの様に?」

「埋め立ての融資を止めろと来た。今更出来る訳なかろう。第一いくら注ぎ込んだと思っている!!!」

「策はあるのでしょうか?」

「呑むしかあるまい。が、タダでは転ばんよ。

三津橋に引き継いで貰おうと思う。」

「大丈夫なのですか?」

「リスクの無い事業等、無いのだよ。」


少しの間、沈黙が流れる。それを切り崩す様にセバスチャンは口にした。

「ブラックリストの件は、どうされます?」

「うむ。とても難しい。」

「このままでは、お嬢様がとても可哀想でございます!旦那様!何卒、ブラックリストの解除を!」

「そこで、それには手を打った。」

「おお!ありがとうございます!!!」

「リズに任せたから、後で詳しく聞くがよい。

鷲はもう寝るぞ!久しぶりに疲れた!!」


セバスチャンは涙をハンカチで拭った。これで悲願のお嬢様のバストアップが出来ると。お嬢様はまな板なのだ。バストサイズAAA(トリプルA)だから。


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