休息 船内記
窓の外を見れば、暗闇に輝く無数の星々、正航路を自動航行しているので頻繁に他の船ともすれ違う。
宇宙へ旅立ち3日目。
当面の目的は、フィルという謎の少女を、今居る星系の外へ送り届けること、それに、メカニックも早めに雇いたい所だが、その件だけは先輩があまり乗り気ではないのが懸念材料だ。
さて、星系外へ出る許可証は得たものの、星系外へはまだ距離がある。補給などの為に幾つかの星に立ち寄る必要があり、次の停泊予定地までは残り2日だそうだ。
船の中はエレベーター付きの10階にもなりフロアの広さも相当なもので油断しているとすぐに迷子になるが、船内生活は宇宙空間にいる事を全く感じさせない、超がつく程の快適生活。
7、8階層が居住エリアとなり、銭湯並みの大浴場が4つ、各部屋や他のエリアにも1つはシャワー室付き。
他の階層には、ゲームルームやジム等遊技場も数多くあり、今だ何があるのか全てを把握しきれていない。
そんな船内で俺が出来る事というと食事を作る事ぐらい、それ以外の時間はダラダラの過ごしている。
だが、先輩はというと、俺とは違い機関室に居ることが多く、自動航行とはいえ、そこまで暇では無いらしい。
フィルも何やら操作している姿を見かけるが、怖くて何してるのかは聞けない。
俺1人ダラけてる訳にはいかないと、先輩に仕事を催促してみたが、船内でゆっくりするのがコクロの仕事だーと帰されてしまい、今の生活に至る。
俺だけ何だかヒモ生活的な状況だが先輩にそう言われては仕方がない、これからまだ先は長い、少しづつ出来る事を模索していこうと思う。