小噺⑦ 正月(ユキ×リザ)
「ユキ……なにしてるの?」
「ん?これはね、餃子と魚の…煮付けって言えばいいかな?それを作ってる。リザも餃子作り手伝ってくれる?」
「うん…失敗してもいいなら。」
「しても別に怒りゃしないけど、出来れば成功させるよう努めてほしいかな。」
「わかった。」
「こっち皮ね、こっちがタネ。……そうそう‼︎リザうまいね。器用なんだろうな。」
「器用……かはわからない……でもこれは簡単。」
「じゃあじゃんじゃん作っていこう。リザ夕飯いっぱい食べるでしょう?」
「うん………働かざる者…食うべからず……だから自分の食べるぶん、しっかりと…作るね。」
「ところで…なんで急に…?」
「ん?あぁ、今年も"挨拶始め"の時期じゃない?で、なんかこう…一旦の締めと始まり…的な感じで、ちょっとお祝いっぽくしようかなって……で、2人で作れるものとかがいいかなぁとね。」
「それで…餃子?」
「嫌いだった?」
「ううん………なんか、お正月みたいだね…」
「お正月?あぁなんかの本で読んだことがあるよ。今じゃ極東の研究島ですらその文化は廃れてしまってるらしいよね……リザの思い出に残ってるお正月ってあるの?」
「うーん…年始は昔、静かだった…それが段々とても盛り上がる…ようになって………気づいたら日常に呑まれてた…」
「そっか………うん、じゃあ今日のこの日を1番の年始、お正月にしよう。ね‼︎」
「‼︎‼︎…うん……‼︎」