小噺④ 渇望
亜細亜座の仲間、妻と子供達、生徒達……
どれもこれも、俺にとっては大切な存在だった。それなのにあいつらは全部根こそぎ奪っていこうとする。
"我々は信頼の上にある"だと?
笑わせる。俺もそうだが、生徒の中にも反発の意思を持つ者は多い。特に上のクラスになればなるほど、その率は増えていく。
首席に至っては二代続けて反旗を翻さんとしているではないか。
しかも…だ。連中はいつも後手後手にまわっている。
今回の首席に至っては、二枚も三枚も上手だ。
ボロボロの動かぬ肉塊となって帰ってきた仲間、それをただ、ただ呆然と見つめ自失している後輩…
子供が出来て、結果としてそこに留まることが出来なくなった。だから逃げて、逃げて、にげて…そして捕まり脅された。
自分達が作ったのに、真っ先に逃げ出してしまった挙句…寝返ったかのようになってしまった。
それでも幸せだった。2人の子供、仲睦まじい夫婦、時折こっそりと励ましに来てくれるかつての常連。
置いてきた仲間達もなんとかどうにか立ち直したらしい。
しかし今度は、子供の死と、かつての仲間への嫌疑だ。
あげくに大規模戦争だと?
子供を戦場に送るだなんて頭がイかれてるのか?
何が全体のためだ、偽善者め。
あぁ、あいつらを…
SOUPを、叩き潰さなくては…‼︎