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よりどり小噺  作者: なさぎしょう
3/7

小噺③ 密会



PEPEの寮を抜け出して、3日に1度の楽しみに出掛ける。

別にスリルを味わいたい訳でもなく、非行に走る訳でもない。ただ、会ってお話をするのよ。




コンコンコン…コン…コンコン…コン…


静寂の中、PEPEから少し入ったところにある小ぶりな一軒家の玄関バルコニーの上によじ登る。そして二階の窓をある決められたリズムでノックする。

するとね、ほら‼︎

彼が疲れた表情の中でも、瞳だけをキラリと月光に輝かしてカーテンを引くの。



彼は黙って窓を開け、私の手を優しくとり、部屋に招き入れてくれる。

そこからはただ喋ったり、たまにすこーしだけキス、とかしてみたりする。

明日の早朝にはまた寮の自室に戻らなくてはならない。




閉じ籠ってしまった彼によく似た優男(ロメオ)が隣室で、しかも首席。バレたらまずい。


それでも私は彼と会えることを楽しみに、今日も今日とて少しばかりの無茶をする。

彼のためなら時間も労力も惜しまないわ。他愛もない外の話にうんうん、と頷いてくれて、笑顔も素敵で、ずっとこのままでいたい。

そう願わずにはいられない。








首、そしてバラバラの四肢。


それが3日ぶりに見た彼の姿であった。もしかしたら彼に化けてる偽物の可能性もある…って女の先生がいってらっしゃったかしら?

そんな訳ないのにね…

だって私が彼を見間違える訳ないもの。



あぁ、なにがいけなかったというの?






彼がいなくなって、1つの決心が私の中で、出来上がった。




彼の後を追おう。



私の名前は恩紅凛(おんこうり)


彼の名前は芦屋類(あしやるい)



彼が、私の世界で1番愛する人。


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