最終話
今日の天気は、○。
奈菜の気分は・・・◎。
あの後授業をサボって、ずっと話しつづけた。
きっと絶対、一生忘れられないんだろうなあ・・・
「奈菜:よしっ!今日はちゃんと起きれたぞおっ」
はりきって制服を着て、奈菜はリビングへ行った。
生まれて初めて恋をして、生まれて初めてキスをして・・・
長いようで短い平凡な毎日に今、
私は生きている・・・
「未魅:おはよう、奈菜!」
いつものバス停で見るいつもの笑顔。
未魅ちゃんには悪いけど
今日も早く一也君と会いたいなぁ。
「奈菜:一也君と会うの楽しみ!」
嬉しそうにはしゃぐ奈菜を未魅は真顔でみつめた。
「未魅:なんだか・・・恋のキューピットもういらないようね・・・
寂しいわ・・・」
しゅんとする未魅に奈菜は驚きを隠せないようだ。
「未魅:ねえ、奈菜?よく・・・聞いてね?」
「奈菜:ふふっどうしたの?らしくないよっ」
歯をくいしばって、未魅は口を開いた。
「未魅:未魅なあ、大阪に転校するん。」
――え――
突然の知らせ。
なに・・・それ・・・
そんなの聞いてない・・・
「奈菜:あ、あははっ冗談きっつうい〜!
やだ、ビックリしたあ!!」
「未魅:ほんまやねん・・・」
「奈菜:・・・何言ってるの・・・?
ずっと一緒だったよね?
もう少しで三年生なんだよ!?」
「未魅:そう・・・だね・・・」
奈菜の瞳には、大粒の涙。
「奈菜:最後の修学旅行・・・
一緒に行くって・・・
あの日約束したよね・・・?
友達がいなかった私に・・・」
未魅が口をゆっくりと開ける。
「未魅:未魅も昨日いきなり連絡がきてな・・・
姉ちゃん、小さな会社やけど、
もう就職きまってん・・・」
じゃあ、未魅ちゃんとは・・・
しばらく会えないの?
「奈菜:・・・じゃあ・・・
翔平君はっ?!」
「未魅:うん・・・幸せに暮らせって。
認めてくれた。遠距離恋愛だけどさ・・・」
あんなラブラブだった二人が・・・遠距離?
いや・・・そんなの・・・
「未魅:嫌とは言わせないわ。
未魅も姉ちゃんも・・・
嬉しくて仕方ないんだから・・・
奈菜も友達ならさ、認めてよ!
あんたはもう・・・ひとりじゃないのよ?」
熱い言葉に、未魅の涙が重なり落ちてゆく・・・
「奈菜:・・・うん・・・
そうだよね」
一人じゃないことなんて、もう気づいてた
私、変わったんだもん・・・
「未魅:ほら・・・バス乗り換えだよ」
かばんを持つと、未魅は先にバスをおりていった
「奈菜:・・・なんで・・・」
どうしよう・・・
一也君と付き合うことができたのに・・・
全然嬉しくないよ・・・
バスでは沈黙が流れた。
時間が合わなかったのか、いつもの二人がいない
「未魅:あんれえ?ダーリン寝坊かな。」
「奈菜:いつ・・・」
ボソッとつぶやく。
「未魅:え?」
「奈菜:いつなの・・・?
転校の日・・・」
「未魅:今年中にはもう・・・」
今の季節は、冬二月。
あの頃はひまわり満開で、暑かったのに・・・
時がたつのはとても早くて・・・
「奈菜:早いん・・・だね」
「未魅:うん・・・元気でね?」
「奈菜:やだ!まだでしょ?早まんないで!!
いっきに悲しくなるよ・・・」
未魅は優しく微笑む。
「未魅:うん・・・だね!ごめんごめん」
春から未魅ちゃんいないんだあ・・・
悲しくて死んじゃうかも・・・
「未魅:はなれたってさあ」
「奈菜:・・・?」
「未魅:はなれたって、友達じゃなくなるわけじゃないでしょ?
一度友達になったら一生友達なんだよ!!」
奈菜の目から一粒の涙
「奈菜:当たり前だよお・・・」
一也が奈菜のもとへ来た。
「一也:あのさ、湊・・・神崎いなくなっても・・・
俺いるから・・・」
ちょっと、ビックリ。
「奈菜:はは、ありがとう」
「一也:今日・・・十三日じゃん?」
十三日・・・あれ、明日は・・・
「一也:俺、甘いもの好きなんだけど・・・」
照れくさそうに言う一也が可愛くて・・・
「奈菜:うん、まかせて♪」
ニカッと笑う奈菜。
一也はテレながら笑い、席へもどっていった。
−放課後−
「未魅:奈菜、かえろ!」
チャイムとともに走ってきたのは、
頭がクシャクシャな未魅。
「奈菜:あはは!うん、でも・・・急いでるの?」
「未魅:あん、なさけない!明日のために
買い物行くわよ!
あんたんちの台所広いし・・・決まりね!」
「奈菜:ああ、そうゆうことかぁ」
一也と翔平はジャージに着替えている。
「一也:湊、帰るのか?」
「奈菜:うん!部活頑張ってね♪」
打ち切りとさせていただきます
読んでくれた方ありがとうございました