表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わりと始まりの花【谢国復路編突入】  作者: はな
白蕾【花街編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/287

剣の女


 小葉しょうよう「――晴晴しんしんっ!」


 女将小葉の怒号はまた響き渡り、晴晴を呼んでいた。


 晴晴しんしん「死に急がない方がいいぞ、女将」

 小葉しょうよう「あんたが、送り出した女が今何してるか知っているのか?!」

 晴晴しんしん「さあ」

 小葉しょうよう「っんたは――。妓女として売り出そうと思ってるのに剣を握ってんだよっ!あんたが変なこと吹き込んだんだろ?!」

 晴晴しんしん「いや、全く」


 晴晴しんしんは予想外だったのか、いつも冷めた顔の晴晴は笑いを堪えきれない。


 晴晴しんしん「だから言っただろ。おもしろそうな奴だって」

 小葉しょうよう「お前が香膳に引き摺り出したんだ。妓女として売り出していくからね。その前にあの危ないのを取り上げな!」

 晴晴しんしん「強い女は嫌いじゃない」

 小葉しょうよう「お前の好みの話じゃないんだよ!妓女はお淑やかな女がいいんだ!まさか……ね……せめて楽器を握ってて欲しいよ」

 晴晴しんしん「楽器は握れないだろ」

 小葉しょうよう「はぁ――」


 女将小葉の大きなため息は小葉館中に響き渡ってしまったのではないか――。


晴晴しんしん様、こちらで白蕾ふぁんれいが暴れております――」

 晴晴しんしん「暴れてね――」


 下女が扉を開けると白蕾ふぁんれいは真っ白な衣に身を包み、下童げどうたちが周りを次から次にのしかかっている。

 剣など握ってないだろ――。


白蕾ふぁんれい様!次のお話聞かせて!」

白蕾ふぁんれい様!次、私に絵を描いて見せて!」

「次は私よ!白蕾ふぁんれい様、字を教えて!」


 白蕾ふぁんれい「順番ね(笑)……では絵本を次描いて持ってくるから。待っててね」

 晴晴しんしん「――ずいぶん楽しそうだな」


 女たちを見下ろすと下童げどう白蕾ふぁんれいの後ろに隠れた。


 白蕾ふぁんれい「香膳の時間ではないですよ?」

 晴晴しんしん「女将が死ぬところだったんだぞ。なにをやらかした?」


 その場に座ると、白蕾ふぁんれいの肩からこっそりと下童げどうたちが俺の様子をうかがっている。


 晴晴しんしん下童げどうたちは仕事があるんじゃないのか」

 白蕾ふぁんれい「――こどもたちは遊ぶのが仕事です」

 晴晴しんしん下童げどうから仕事を奪えばどうなるかお前は知ってるのか」

 白蕾ふぁんれい下童げどうに……下庭げていに――自分より下を作らなければ生きていけない人なんて――。みんなごめんね。明日には絵本を準備するから。今日またお仕事頑張ろ?」

「う、うんっ!」


 下童げどうたちは俺を見ながら庭から出ていった。


 晴晴しんしん「――大嫌いか」

 白蕾ふぁんれい「はい。こどもたちに聞かせることでは無かったです」

 晴晴しんしん「お前の優しさだけであいつらを救えないぞ」

 白蕾ふぁんれい「分かっています。だから寄り添いたいんです――」

 晴晴しんしん「女将はお前を危なっかっしい女だと思ってるぞ」

 白蕾ふぁんれい「――これですか」

 晴晴しんしん「ふっ――(笑)本当に持ってんのか」

 白蕾ふぁんれい「これを握る時なんです――」


 目の前にいる女は先ほどまで太陽に照らされる蕾だったはず。

 だが、剣を握る花は鋭い。


 夜に咲く花の顔に色はなく、目は真っ直ぐに何かだけを見ている。

 こんな冷たい花恐ろしくて誰も手が出せない――。


 晴晴しんしん「その顔怖いぞ――」


 渡した仮面は真っ白でその女の冷たさを隠す。


 白蕾ふぁんれい「仮面ですか。丁度いいですね――」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ