花の街
やはり連れてこられた街は女が花になる街――。
宮中とは違った華やかさには「商売」の臭いがする。
花びらを大きく広げて、蜜の匂いを漂わせ、自分が一番であると見せつけている。
花が枯れることを許されることのないこの街であたしは――。
晴晴「――おい、小葉」
小葉「なんだ、晴晴。あぁ、女を売りに来たのか」
派手な屋敷の一つに晴晴はあたしを押し込んだ。
忙しない屋敷の中の女たちはこの男を一目見ようと集まっている。
小葉「来るなら連絡寄越しな。売るんじゃなくて買いな。はぁ。お前たちは仕事をしな。晴晴、その女いくらほしんだい?」
晴晴「ふっ(笑)追い返さないのか。言い値はありがたいね〜(笑)――いくらになる」
小葉「だーっ――。銀3だ」
晴晴「それと香膳1ヶ月だな」
小葉「わかった。お前は帰りな」
上から下から小葉と呼ばれる女将は鋭い目を動かすと、たった銀3と、香膳?1ヶ月であたしを買い上げた。
まぁ、そんなもんか。
晴晴が振り返るとお付きの男たちは足枷と火油を取り、慌てて付いていく。もらったばかりの銀をその男たちに投げる。
小葉「それでお前は何ができる」
白蕾「言われたものを」
小葉「早速、客を取ってもらうからね。お通しない女は売れるからね〜!
女将は意気揚々と背中を押す。
「お通し」きっとそれは――。
白蕾「小葉様、すいません。あたしは晴晴様から昨晩、お通しされておりますので……」
小葉「はぁぁ?!晴晴が?!……あんたね、意味わかっていってんのかい?」
大きなため息をつくと、額に尖った爪を指す。
白蕾「男女の仲、ということでしょう?違いますか?」
小葉「――あんたはどこから来た?」
白蕾「あの世からですよ」
小葉「晴晴のやつ……早くこの女を手放したかっただけかい……。まぁ、いい。配膳くらいできるだろう?変なお嬢様でも」
白蕾「はい、喜んで」
ずっと笑うと人は気味悪いと、警戒する。
本当の自分を隠すには丁度いい場所だ。
それと――。
白蕾「――あの世へ返せるのなら」
あたしの仮面を売ろう。この街で――。




