表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わりと始まりの花【本編】  作者: はな
温花【後宮編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/122

可愛い友人


 華辉(ふぁほい)温花(うぇんふぁ)っ!」


 あーやっぱり――やばいやつだ――。

 陛下は頭を抱えながら屋敷に入ってくる。

 焦る陛下の後ろを楊兎(やんとぅ)将軍は笑うしかないと言った様子だ。


 温花(うぇんふぁ)「あー……えっと……。華辉(ふぁほい)様すいません……」

 楊兎(やんとぅ)華辉(ふぁほい)落ち着け!温花(うぇんふぁ)の話も聞こう!なっ?」


 楊兎(やんとぅ)将軍に肩を持たれると、一度大きく深呼吸を済ませ陛下は喋り始めた。

 

 華辉(ふぁほい)温花(うぇんふぁ)……どうなっている!……どうして華珩(ふぁこう)と知り合いうことになったんだ!どうしてよりによって華珩(ふぁこう)と……」

 温花(うぇんふぁ)「……す……すいません……たまたま華珩(ふぁこう)様と会ってしまって……」

 華辉(ふぁほい)「……華珩(ふぁこう)温花(うぇんふぁ)と一夜を過ごしたと言っているぞ!相手は8歳だ!何をしている!」


 睨みつけるように陛下はこちらを見る――。

 まさかこどもの言った言葉を信じてるの……?!

 思わず声にならない声が出てしまう。

 

 温花(うぇんふぁ)「へっ?!」

 華辉(ふぁほい)「俺に靡かないと思っていたが……まさかそのような趣味があったとは……」

 温花(うぇんふぁ)「ちょ……ちょっと待ってください……!どうして話がそんなことになっているんですか!?」

 華辉(ふぁほい)華珩(ふぁこう)が嘘つくとでも言うのか!」

 温花(うぇんふぁ)「あたしが嘘つくと言うのですか……!本当にちょっと待ってください……!」


 まさか自分が幼児愛者だと勘違いされるなんて――。思ってもみないことの連続であたしはよくわからない笑いがこぼれる。

 楊兎(やんとぅ)将軍が引き攣ったまま笑っていたことの意味を理解した。

 

 楊兎(やんとぅ)華辉(ふぁほい)、落ち着いて話を聞こう!?」

 華辉(ふぁほい)「落ち着いていられるか!宮中でも大騒ぎだぞ――温花(うぇんふぁ)華珩(ふぁこう)の子を懐妊していると」

 温花(うぇんふぁ)「ええええぇぇえっ?!」


 この世に来て一番驚きの状況にあたしは大きな声が出て、屋敷の周りにいた鳥たちが慌てて飛び出していく。


 楊兎(やんとぅ)「だからそんなはずがないだろ、華辉(ふぁほい)!」

 華辉(ふぁほい)「ではなぜ、華珩(ふぁこう)がそのようなことを言う必要があるんだ!温花(うぇんふぁ)の名前を知っているんだ!カブトムシの取り方なんて知ってるんだ!」

 楊兎(やんとぅ)「カブトムシ……?」

 温花(うぇんふぁ)「あ……えっと……カブトムシの取り方を教えたのはあたしですが、懐妊の事実はありません……」

 華辉(ふぁほい)「ではなぜ華珩(ふぁこう)が嘘をつく必要があるんだ……」


 一番混乱していたのはもしかしたら陛下だったのか、力尽きたのか椅子に崩れるように腰掛けた。

 

 そこに帳簿を手に緑色の衣を着た人物が現れた――。


 红京(ほんじん)温花(うぇんふぁ)様は健康観察怠っておりません。懐妊の事実はありえません。理由は知りませんが、華珩(ふぁこう)様が温花(うぇんふぁ)様のことをお気に召しているのではないでしょうか?」


 楊兎(やんとぅ)将軍はカブトムシのことで頭がいっぱいになってしまっている様子で「後でカブトムシの取り方を教えてくれ」とコソコソと話すと陛下の横にとりあえず並んだ……(笑)

 

 温花(うぇんふぁ)「葉がギザギザした蜜のある木を蹴ってみると、落ちてきました……(笑)」

 楊兎(やんとぅ!「木を蹴るのか!俺もやってみてー!」

 红京(ほんじん)「お二人はカブトムシから戻ってきてください。――陛下、どのような経緯でこのようなことに?」


 红京(ほんじん)は健康観察の帳簿を机の上に置き、鋭い目線でこちらの空気を締める。

 

 華辉(ふぁほい)「――華珩(ふぁほい)温花(うぇんふぁ)が自分の子を懐妊した、結婚を認めるように華有(ふぁよう)様に伝えたようだ」


 陛下は頭が痛むのか体をのけぞり、額に手を乗せ天を仰ぐしかないようだ。

 

 红京(ほんじん)華珩(ふぁこう)様はまだ8歳……未熟すぎて子を成すことは難しいかと」

 楊兎(やんとぅ)「な?!華辉(ふぁほい)、言っただろ?!華珩(ふぁこう)にはまだ無理だって!な?!」

 華辉(ふぁほい)「ではなぜそのようなことを……温花(うぇんふぁ)華珩(ふぁこう)と関係は無いのか……?」


 力の抜けたその問いに温花(うぇんふぁ)は力一杯に答えた。


 温花(うぇんふぁ)華珩(ふぁこう)様は可愛い友人です!あたしはかっこいい男の人が好きなんです!」

 楊兎(やんとぅ)「ざっくりだな!(笑)」


 温花(うぇんふぁ)は噂を一瞬で否定し、こちらをじっと見つめる。その目はあまりに真っ直ぐで、太陽の光を集めこちらが眩しい。

 

 楊兎(やんとぅ)は大きな口を開けて笑い、山源(しゃんやん)は言葉を失い、陈莉(ちぇんりぃ)は持っていたお茶を落とし、红京(ほんじん)は体を背ける――。

 

 こちらを見る温花(うぇんふぁ)があまりに真っ直ぐすぎたためこの言葉は嘘ではないこと――。

 かっこいいというざっくりなニュアンス、それは俺も含まれるのか――?

 こんなことを考えてしまった自分にさらに動揺してしまい、自分の感情に追いつくことができない――。


 華辉(ふぁほい)「な、なんだそれは…。わ、わかった。その可愛い友人に会うのはしばらく控えてくれ…」

 温花(うぇんふぁ)「可愛い友人がお稽古から逃げ出さないようにお伝え願います」


 こちらを覗き込む温花(うぇんふぁ)は眉間にシワを寄せ、勢いよく振り返りプンプンと怒っている様子だった――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ