表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わりと始まりの花【本編】  作者: はな
温花【後宮編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/129

医者見習いと皇帝


 红京(ほんじん)「本日の健康観察に参りました――」


 朝の健康観察に红京(ほんじん)がやってきた。


 華辉(ふぁほい)「――穏やかな红京(ほんじん)は喧嘩することあるのか?」

 红京(ほんじん)「俺ですか?そうですね、昨日温花(うぇふぁ)様と2回ほど喧嘩しました」

 華辉(ふぁほい)红京(ほんじん)が?温花(うぇふぁ)と?何を喧嘩するんだ?」


 温花(うぇんふぁ)红京(ほんじん)のことを思っていると、俺は考えていた。红京(ほんじん)と喧嘩することを知って嬉しくなった。

 俺はそんな温花(うぇふぁ)と衝突することはない(笑)

 

 红京(ほんじん)「簡単に話すとやりたいことの違いと、毒見の件ですね」

 華辉(ふぁほい)「……毒見の件はすまなかった」


 俺は誰かを思うことができる。

 

 温花(うぇんふぁ)は誰かのことを深く思い詰めすぎているだけだ。

 それに楊兎(やんとぅ)将軍は将軍なのだから強くて当たり前だ。温花(うぇふぁ)が心配しなくても大丈夫だ。考えすぎるのも大変だからそれを手放せばいい。


 红京(ほんじん)「いえ、結局は楊兎(やんとぅ)将軍がしてくださったので……本当に心強いです」


 そうだ、楊兎には備わっている。

 心配する必要はない。

 温花(うぇんふぁ)は考えすぎなだけだ。


 红京(ほんじん)「……あのお方がたまに挫けているのをみて人間なんだと安心できます」


 红京(ほんじん)は脈を測りながらぼそっと呟いた――。

 

 華辉(ふぁほい)「挫ける?将軍だぞ?」

 红京(ほんじん)楊兎(やんとぅ)将軍らしくて俺は好きです」

 華辉「どういうことだ?」

 红京「……すいません、陛下の前で将軍たる男が挫けることはありませんでした」


 あ――。

 そうか――。

 楊兎(やんとぅ)将軍の弱さを陛下は知らないのか――。


 楊兎将軍はよく挫けている。

 剣を持つ手が震えていた背中を、俺は何度も見ている。

 

 もう頑張れないと打たれ弱い。

 何度も自分を叩いて、叩いて――。

 

 顔は凛々しく、体は強く逞しい将軍である楊兎将軍も、心が折れる。

 自分の調子にかなり振り回されている。

 俺たち側にいる人間がそれをうまく周りが助け、なんとか回っている。

 

 楊兎将軍の調子がいいときは無敵状態になることを誰もが知っているから。

 それを陛下の華辉(ふぁほい)様も知っているものだと思っていた。知らなかったのか――。


 陛下は様子を伺うようにこちらを見下ろす。


 華辉(ふぁほい)「……先ほど温花(うぇんふぁ)が嘆いていた……楊兎(やんとぅ)将軍が心配だと」

 红京「心配?」

 華辉(ふぁほい)楊兎(やんとぅ)将軍は将軍なのだから女の温花(うぇんふぁ)に弱みはみせないだろうと」

 红京(ほんじん)「まだそのことで悩んでいたんですね……(笑)」


 俺から見ればここ最近楊兎(やんとぅ)将軍が調子の悪い時、むしろ温花(うぇんふぁ)の屋敷に行き力を蓄えに行っているような気がしていた、が――。


 红京(ほんじん)温花(うぇふぁ)様は何と言っていたのですか?」

 華辉(ふぁほい)「ここから楊兎(やんとぅ)の故郷が近いから心配だと。朕からは温花(うぇんふぁ)が気にする必要ないと、考えてもどうにもならないと伝えたかったのだが、うまく伝わらん」

 红京(ほんじん)「そうですね――」


 温花(うぇんふぁ)が悲観していたことがなんとなくわかった。

 

 皇帝という人間の考えもわかってしまった。貧しい思いをしたことがなければ失う怖さを知らない。今あるもので充分だろう。

 人間の気持ちや、ストーリーをこれまで触れずに生きてきたのだろう。

 温花(うぇんふぁ)はそれが分かってしまって耐えられなくなったのだろう――。


 無いのであれば、与えれば良い。

 与えるものが無ければ、探せば良い。

 それが故郷を奪っていた、悲しむことはない、と。

 

 温花(うぇんふぁ)は感情でどうにか人を救ってあげたいともがいてしまう人間で、陛下との考え方に差が生まれてしまっている。


 红京(ほんじん)「――温花(うぇんふぁ)は0から1のものを自分で作って渡そうとすることが難しく踠いているように俺は見えるんです……俺にはそれができないから見ていることに飽きない人なのでしょう――」


 慌ただしいノックの音と同時に、扉が開かれた。朝食を持って入ってきた侍女は皇帝陛下相手に頬を膨らませている――。


 温花(うぇんふぁ)「――陛下っ!宮中に早く戻る話は本当ですかっ?!やっと荷解き終わったんですよ?!……まだ見て見たいお店もあったんですよ?!」

 山源(しゃんやん)温花(うぇんふぁ)様!今陛下は健康状態をチェックしております――」

 温花(うぇんふぁ)「……あっ……失礼しましたっ!」


 朝食を机の上に慌てて並べた温花(うぇんふぁ)は上半身の肌を見せている陛下を見ないように顔を背け、顔を真っ赤にして逃げるように部屋を出た。


 華辉(ふぁほい)「あのお転婆は男慣れしてないのか……?わからんやつだな……あの人を守るにはかなり忍耐が必要そうだな――」


 服を整え、並べられた朝食を嬉しそうに陛下は眺めた。温花(うぇんふぁ)を見る目が優しいこと近くで見る人間は誰もが気がついているだろう――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ