懐妊した賢妃と皇后の娘
こんにちは、はなです。
体調を崩してしまい昨晩の更新が出来ておりませんでした。お待ちいただいていた読者の皆様大変申し訳ございません。
今日も綺麗な銀髪を風に靡かせ、綺麗な黄金の目。だが、この男の冷たい顔――。
楊兎「――そうか、葉莹様がご懐妊か」
山源「はい。その子が皇子だった場合、白蕾様が危ないかと」
楊兎「そうだな」
葉家に自分の家族、住んでいた場所は滅ぼされて一人になり、華国で使い捨ての将軍になっているのだから。
楊兎将軍は葉莹様を恨むようなことをしない。
葉莹様が罪を犯したわけでないこととっくに理解して、整理している。
なんと器の大きな将軍様なんだ、とこちらが見惚れてしまう――。
徳妃葉莹様はご懐妊してから、まるで他の妃に見せびらかすように出てくるようになった。
派閥で手を組んでいた賢妃胡淼様がどのように感じていたのかは分からない。
皇太后様は皇后様にはまだ女児しかおらず、実質権力を欲している――。
この懐妊がどのように後宮、宮中、国が変わっていくのか。
葉家からはこれでもかと祝いのものが届く。
これで桜妃は意味のないものになる。
華辉様はただ使命の1つを果たしただけだ。
それも白蕾様が花街から帰ってくる前のこと、で――。
華辉「白蕾、体調はどうだ?」
白蕾「今日も元気ですよ」
体調を心配している華辉様だったが、実際は白蕾様のご懐妊を期待している――。
毎日華辉様は桜妃となった白蕾様のところにやってくる。
だが――。
「皇后様……!」
締め切った屋敷の中で1つの火だけを見ることしかできなくなってしまった皇后様。
皇后様は華琴様――。
まるでこの世に心が無くなってしまったお方。
俺は華琴様のように華辉様がなってしまうことを恐れた。
民族浄化など過去の綺麗ではない歴史がありながらも今のこの世が壊れないのは華辉様が皇帝でいてくれるおかげだと気がついたからだ。
華琴様は皇太后様の力のかかっている者の娘だ。
華琴様は選択肢のないまま皇后にあることが押し進められ、すぐに女児を出産。
だがその後から華琴様は壊れていってしまった。
皇太后様のいいように使われる娘を守ろうとしていただけだった――。
皇太后様はその女児を、男児だと偽るつもりだった。
華琴「あんまりです!」
初めて皇太后様に口答えをしてしまった華琴様は娘から引き離されてしまった。
まだ若い華琴様は母乳を飲ませることもできず、ただ流れていく母乳を見て泣いていたと――。
華辉様も幼い時から一緒にいた李珠江様へ思いが強く、華琴様は孤独な時間を多く過ごし過ぎてしまった。
娘を皇子であると推し進めようとしていたことを華辉様が皇太后様へ拒む――。
これは父親として、皇帝として当然の反発だった。
それからだ――。
皇太后「華琴。早く皇子を授からないのか」
華辉「皇太后は皇子を授かるまで言い続けるだろう。華琴――」
まだ枯れぬ母親としての役目も果たせぬまま、子を作るだけのものになってしまった華琴様は壊れていった。
李珠江様と華辉様は関係にあったものの、李珠江様がご懐妊できる体ではないと噂が広がっていた。
だからこそ産めるとわかっている華琴様への執着はすごいものだった――。
そんな時期に墓場と呼ばれる屋敷にあの子はやってきてしまったのだ――。
山源「白蕾様――」
白蕾「どうしたの?」
山源「皇后様の公主様が白蕾様に会いたがっているのですが」
白蕾「華那様が?ええ、もちろん」
皇后様の娘様が――?
どうしてあたしに――?
そう思っていると華辉様が小さな公主華那様を抱いて部屋に入ってきた。
これは、華辉様の意思だった。
白蕾「初めまして。華那様」
華辉「挨拶できるか」
華那「――ぅ」
白蕾「ごきげんよう」
白蕾様は黄色の可愛らしい衣に身を包んだ華那様を慣れたように抱き上げると、華辉様は驚いた様子。
華辉「こ、子育ての経験もあるのか?!」
白蕾「いえ、兄弟がいたので」
白蕾様はそれ以上聞かれないように華那様を抱き抱え、窓の方に行ってしまった。
山源「どうして華那様をここへ」
華辉「……相変わらず華琴の容体は良くない。李珠江もだが、今は葉莹が懐妊したことによって華那も危ないと思って、な。白蕾なら許してくれるはずだ」
華辉様は守りたい者をここに匿うつもりだ。
白蕾様は華明様を上手にあやしていた。華辉様は少し安心した様子だった。
あの人がこの華国に現れてから前代未聞なことが続く――。
まさか公主様を他のお妃様の屋敷に連れてくるなど――。
白蕾様への信頼がどれほど厚く、華辉様は白蕾様への期待を膨らませているのか――。
華辉「自分のことは自分で考えずに生きてしまった結果がこれだな。命の責任は取らねばならない」
白蕾様は華辉様の考えがわかっていたのか「華那様の荷物と、世話役はいるの?」と笑っていた。
華辉様もやはり勝てないと、荷物と世話役たちを屋敷の中に招き入れた。
白蕾「今日からよろしくね。母ではないけれど、この屋敷にいる人は家族だからね」
白蕾様は毎日忙しく世話役と侍女たちと華那様と過ごすようになっていた――。
白蕾「華辉様。今日も華那様が言葉を1つ覚えたんですよ」
華那「ちちうえ」
まだ意味もわからない様子で、まるまるとした顔で俺の顔を見る。
白蕾「華辉様。白蕾からのお願いがあるのですが、皇后様のところに行くことは叶いませんか?」
華辉「華琴か――。華琴は俺から離れたがっている」
白蕾「少し皇后様とお話ができれば良いだけなので」
華辉「わかった。このことは内密に話を進める。皇太后にこの動きがバレないよう、最小限のお茶会、華琴にも直前に伝えよう」
白蕾「ありがとうございます」
嬉しそうに笑っていた白蕾様は華那様を撫で、眉間に皺を寄せていた。
今度は何を考えているのだ。
皇太后派の皇后、華琴様と面会するなど――。




