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終わりと始まりの花【本編】  作者: はな
白蕾【桜妃編】

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123/131

特別な妃

 他の上級妃と並んでも遜色のない――。

 ふさわしい気品で歩くその姿はまさに「後宮の桜の花」だった――。


 特別な妃として白蕾ふぁんれいは皇帝華辉の公認の妃として上級妃の四人と競うことになるだろう。

 上から貴妃きひ李珠江りしゅこう淑妃しゅくひ魏峰うぇんふぉん徳妃とくひ葉莹いぇいん賢妃きひ胡淼ふーみゃお上級妃4人と、皇后様――。


 華辉ふぁほい桜妃おうひ

 白蕾ふぁんれい華辉ふぁほい様」


 こんな風に横で過ごすことができるようになる、とは――。

 楊兎やんとぅの助言はいつも助かる。

 

 楊兎やんとぅ温花うぇんふぁどこだろーな?下庭にいるのなら、目立ちそうだけど――?」

 

 それもそうだ。

 後宮の墓場という屋敷にいた温花うぇんふぁは周りとは違う何かを感じた。

 下庭でも同じで目立っているはずだと。

 調査を進めると白蕾ふぁんれいは小葉館という妓楼で珍しい剣舞を披露し、生活していると。


 山源しゃんやんが妓楼に出向くと、白蕾ふぁんれいのほうから宮中に戻して欲しいと願い出た。

 そのまま白蕾ふぁんれいを身請けし、「桜妃おうひ」として迎え入れる。

 もう誰にも何も言わせない、白蕾ふぁんれいが下庭で苦労しないで済むよう、俺の隣に。


 いい屋敷を与え、衣を与え、特別な――。

 そしてまた一段と綺麗になった白蕾ふぁんれいは特別なものに。


 権力だけを持っていてもだめだ。

 人として接してくれた白蕾ふぁんれいのことを離すことができない。

 自分を政治の道具でもない、一人の人間として、男として。

 自分の孤独を埋められるのはこの白蕾ふぁんれいしかいないと――。

 

 白蕾が桜妃になってからは桜館と呼ばれたその屋敷の中はとても穏やかだった。

 侍女、宦官、兵士たちに分け隔てなく接する白蕾ふぁんれいは信頼を集める。


 そんな特別な妃を皇太后や華有、皇太后、上級妃たちがよく思うわけない。


 山源しゃんやん華辉ふぁほい様、これからどうするおつもりですか――?」

 華辉ふぁほい「これが白蕾ふぁんれいの命を守る方法だ。下庭に花街……危険に突っ込んでいくんだぞ?ここに止める他ないだろう」


 皇帝華辉ふぁほいは白蕾の桜館から外出を禁止。

 外部からの接触を一切できぬように、閉じ込めてしまった――。

 

「――山源しゃんやん。皇帝の暴走を止めるのだ」

 山源しゃんやん「はい――」


 宦官の務めは政治がうまく回るように立ち回ること。

 皇太后側につく宦官、上官たちが今の華辉ふぁほい様の暴走を止めることができず強い姿勢で出てくるに違いない。


 が――。

 俺はそれで良かった。華国が無くなればいい。そうずっと思っていた――。


 「山源しゃんやん、この命を務めるように――」


 これが俺の命だ――。

 皇帝が桜妃など位を作り、後宮縮小しようが、祝街など意味のわからない街ができても。


 俺はこの男の首が欲しくてたまらなかった――。

 

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