特別な妃
他の上級妃と並んでも遜色のない――。
ふさわしい気品で歩くその姿はまさに「後宮の桜の花」だった――。
特別な妃として白蕾は皇帝華辉の公認の妃として上級妃の四人と競うことになるだろう。
上から貴妃李珠江、淑妃魏峰、徳妃葉莹、賢妃胡淼上級妃4人と、皇后様――。
華辉「桜妃」
白蕾「華辉様」
こんな風に横で過ごすことができるようになる、とは――。
楊兎の助言はいつも助かる。
楊兎「温花どこだろーな?下庭にいるのなら、目立ちそうだけど――?」
それもそうだ。
後宮の墓場という屋敷にいた温花は周りとは違う何かを感じた。
下庭でも同じで目立っているはずだと。
調査を進めると白蕾は小葉館という妓楼で珍しい剣舞を披露し、生活していると。
山源が妓楼に出向くと、白蕾のほうから宮中に戻して欲しいと願い出た。
そのまま白蕾を身請けし、「桜妃」として迎え入れる。
もう誰にも何も言わせない、白蕾が下庭で苦労しないで済むよう、俺の隣に。
いい屋敷を与え、衣を与え、特別な――。
そしてまた一段と綺麗になった白蕾は特別なものに。
権力だけを持っていてもだめだ。
人として接してくれた白蕾のことを離すことができない。
自分を政治の道具でもない、一人の人間として、男として。
自分の孤独を埋められるのはこの白蕾しかいないと――。
白蕾が桜妃になってからは桜館と呼ばれたその屋敷の中はとても穏やかだった。
侍女、宦官、兵士たちに分け隔てなく接する白蕾は信頼を集める。
そんな特別な妃を皇太后や華有、皇太后、上級妃たちがよく思うわけない。
山源「華辉様、これからどうするおつもりですか――?」
華辉「これが白蕾の命を守る方法だ。下庭に花街……危険に突っ込んでいくんだぞ?ここに止める他ないだろう」
皇帝華辉は白蕾の桜館から外出を禁止。
外部からの接触を一切できぬように、閉じ込めてしまった――。
「――山源。皇帝の暴走を止めるのだ」
山源「はい――」
宦官の務めは政治がうまく回るように立ち回ること。
皇太后側につく宦官、上官たちが今の華辉様の暴走を止めることができず強い姿勢で出てくるに違いない。
が――。
俺はそれで良かった。華国が無くなればいい。そうずっと思っていた――。
「山源、この命を務めるように――」
これが俺の命だ――。
皇帝が桜妃など位を作り、後宮縮小しようが、祝街など意味のわからない街ができても。
俺はこの男の首が欲しくてたまらなかった――。




