60.罪深き人間
俺とミアは、イザベラの犯行現場に向かった。いくら反社会的な人間を倒しているとはいえ、これ以上犠牲者を増やすわけにはいかないからな。
「お前ら、なぜ俺の居場所が分かった?」とイザベラ。
「まあそれくらいは容易いさ。」
余裕のセリフを吐いて彼に近づく。
「ルーカス、それにミアだったな。良く聞け。俺が排除しているのは不要な人間だ。俺はお前らの世界を守っている。凶悪犯や殺人鬼のような凶暴な奴らとは、誰も一緒にいたくはないだろう。」
「確かに彼らの存在は開くかもしれないな。だがよ、人間は、自分の罪を反省する力も持ってるんだぜ。それに、今お前がやっている大勢の命を犠牲にする行為も、傍目から見れば悪じゃないのか。」
「うるさい。俺はあくまでもモンスターだ。人間は、俺の敵でしかない。」
そう言って、俺たちの方に向かってきたイザベラをミアはあっさりと剣で倒した。
まあ、イザベラの言う通り確かに人間に罪深い点があることも確かだ。けど、さっき俺が言ったように、人間は自分の行動を見つめなおし、行動を改める力も持っている。
いや、それはモンスターであっても同じかもな。
そう思った時、俺とミアに向かって、新たなモンスターが襲い掛かってきた。
彼女の名は確かティナ。そう、変装の達人だ。ティナは、俺とそっくりの形に姿を変えた。
目の前の敵が俺自身。我ながら厄介な相手だな。しかし、俺たちは2人で最強だ。こちらには彼女であるミアもいる。あくまでも1対2だ。ティナに勝ち目はない。案の定、俺たちは彼女をあと一歩のところまで追い詰めた。だが、彼女は、次の瞬間、ジャックに姿を変えた。分身した彼女が何体も現れる。俺たちの視界を錯乱させた後に、彼女は消え去った。