55.恋愛の力、恐るべし
俺もミアも、デートを重ねていく中で自分自身の身体の変化についてはすぐに気づいた。
どんどん力が溜まっていくのが、自分たちにも分かったのだ。
もちろんフィジカル的な側面と同時に得意スキルも強くなっていった。
そして、俺たち2人は放課後の帰り道に新たなる身体の変化を共有することになるのだ。
「ねえ、ルーカス。あなたも気づいてる?」とミア。
「ああ、もちろんだ。モンスターの気配がするな。」
俺たちの身体にモンスターの出現を察知できる機能が加わったようだ。
俺たちは、気配のする方向に向かった。
そこでは、モンスターが一般人の大量虐殺を行っているところだった。
俺とミアが勇者に変身する。俺は一般市民の避難誘導をした。
そして、ミアがモンスターに向かって、剣を一発振りかざした。
このステージの中では、一番弱いモンスターとはいえ、彼の身体は一瞬で粉々に砕けた。
ミアは、以前よりも強大な力を手にしていた。それはおそらく俺も同じことだ。
これは、この世界での恋愛が大きく関係していることは間違いないだろう。
俺たちの身体は恋愛経験を重ねるごとに強くなっていくようだ。
それが分かったため、俺たちはこの後さらに俺たちは関係を深めていった。
あんなことやこんなこともするようになった。
そして、お互いのことは表情を見るだけで、ある程度のことが分かるようになった。
これが以心伝心って奴だな。
この世界のモンスターはレベル4の世界に比べてだいぶ強くなったはずだが、恋愛パワーが爆発した俺たちの前では全く敵ではなかった。
残るモンスターはあと4体。彼らを見つけ出して、倒すまでだ。
そう思った瞬間、後ろに人の気配を感じた。
「へぇ、あんたたち、こんな秘密隠してたんだ。そりゃ深い関係になるわけだね。あんたたち、勇者って奴ってわけか。」
サファイヤの姿がそこにあった。
「ああ。その通りだ。このことは絶対秘密だぜ。」
俺はサファイヤに対して釘を刺した。
サファイヤは頷くと、静かにさしていった。