38.忍術使い、ビクトリア
私は忍術使いビクトリア、この世界における勇者の1人。
忍術というのは変わったスキルだけれでも、私はこの力を持っていたことを嬉しく思う。
確かに変わってはいるけれど、上手く使いこなせれば万能のスキルだ。
手裏剣や火縄銃のような責める武器、護身や身を隠すすべなどの守りの技術、敵地に潜入するスパイ的な要素。
1人だけで守備範囲が広い。
ビクトリアは、恋愛にはあまり興味がない。
そう言うと誤解を生みそうだが、彼女が興味がないのは自分自身の恋愛についてだ。
正確に言えば、誰かと恋愛する気は今のところないということだ。
しかしながら、他人の恋愛事情に関しては興味を抱いていた。
ミアの恋愛も、本音で応援しようと思っていた。
彼女はその日、たまたま休み時間に校庭でサッカーをしていた。
たまたま、自分がおっている生徒の陰に、モンスターが潜んでいるのを見つけた。
ビクトリアは彼女の腕を掴んで、別の場所に移動した。
影の中なら、私にも移動できる。
彼女は陰の中に入った。
モンスターと真正面から対峙する。
手裏剣を手に持って、モンスターに突き刺す。
モンスターは血しぶきをあげてその場に倒れた。
ようやく、私の手でモンスターを倒せたわ。
被害が出る前に気づけて良かった。
彼女は心の中で呟いた。