21.タイミング良すぎない、これ?
俺が悩んでいる時に、朝のホームルームで発表があった。
新学年始まって以来の席替えをするとのことだ。
タイミング良すぎだろ、これ。
ミアの奴と近くの席になれれば、彼女に接近できる。
しかし、ラブコメの主役は果たして俺とミアの2人で合っているのだろうか。
もしかしたら、ミア以外の女子と俺が付き合うことになっていて、ミアは俺のことを本当に嫌っているのかもしれない。
俺は、くじを引いた上で席を移動して驚いた。
何と、本当にタイミング良く、ミアと隣の席になったのだ。
「よろしく」、単調に声をかけて、隣にかけると、案の定鋭い目つきで睨みつけられた。
「えぇ。どういう状況だよ、これ? 俺、何か悪いことしたんか?」
その後も気まずい空気は続いた。
授業でペアワークをする時にも会話が成立しないのだ。
俺が質問をして、彼女が素っ気ない返事をする。
その繰り返しだ。全く会話が続かない。
そんな日々が続いていた。
ある時、彼女が隣で消しゴムを落としたことがあった。
それは、俺の席の方に転がってきた。
薄々嫌な予感はしていたが、まさか俺の席の真下にそれが転がってくるとは。
俺は恐る恐るそれを拾い上げて、彼女に渡した。
彼女は怒ったような表情をして、俺の手から消しゴムを奪い取った。
そして、俺から目線を逸らす。
「何なんだよ、こいつは。何で俺が睨まれなければならんのだ。」
心の中でそう呟いた。
やはり彼女と良好な関係を築くのは難しそうだ。




