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サンタさんに気づいちゃったあなたへ

作者: 大吉

私には、子供の頃サンタは1度も来たことがない。

もちろん、サンタの存在は、うすうすわかっていた。けれど、やっぱり子供だから、ちょっぴり期待しちゃうんだよね。自分のところには絶対来ないってわかっていても、今年はもしかしたら、なんて思ってみたり、ちょっと大きめのくつ下を枕元に置いて寝たこともあった。夜更かししないで、早起きした日もあった。

でも、サンタは1度も来なかった。

くつ下も空っぽだった。

私の育った家庭は、決して裕福な家庭ではなかった。それに、生まれてすぐ父を病気で亡くしてしまっているので、母に期待することもなかった。

でも、やっぱりこの時期になると街ではクリスマスソングが流れ、キラキラとしたイルミネーションが、心の中をドキドキ、ワクワクさせてくれた。

冬の夜はちょっぴり切ない気持ちにもなる。

子供の頃、やっぱりクリスマスは楽しみだった。サンタが来ないとわかっていても。クリスマスケーキが食べられる、いつもとは少し違ったご飯が食べられる、それだけでも嬉しかった。

クリスマスっていい日だなぁって思っていた。


大人になって、親になって、いろいろなイベントを子供たちと一緒に楽しみたいと思って過ごしてきたけど、やっぱりクリスマスは大イベント。サンタが来るというサプライズ。朝、目が覚めたら、自分がお願いしたプレゼントがツリーの下に置いてある。

いつもはお寝坊さんのくせに、25日の朝だけはとっても早起き。そしてサンタさんが来たーってすごく笑顔で喜んでいる。

毎年その姿を見るのが本当に幸せだった。いつかは、気づいてしまうんだろうけど、もし、その時が来たとしてもサンタさんありがとうって言える、そんな子に育っていって欲しいなぁって思っていた。


誰かがあなたのことを想って、クリスマスという素敵な日に、あなたの笑顔が見たくて、一生懸命サプライズの準備をしている。あなたの喜ぶ笑顔が見たくて。


クリスマスが近づくと、プレゼントのリサーチをして手紙を用意して、当日の段取りも決めて、一緒にわくわくしている。

あなたの喜ぶ笑顔が見たくて、その日だけは別の誰かになりきる、それが楽しかった。


実は大人になってから1度だけ、独身の私にもサンタが来てくれたことがある。ちゃんと枕元にプレゼントを置いていってくれてた。私が寝ている間に、こっそり気づかれないように、置いていってくれた。

そのプレゼントは、きっとサンタ1人だと入るのに勇気がいるお店だっただろうに。その頃の私はちょっとだけギャルだったから。ギャルの服なんてサンタわかんなかったよねって笑いながら喜んだのを覚えている。

そのサンタは、私が何気なく話した子供の頃にサンタは1度も来たことないんだよねっていう話を聞いて、こっそりサプライズしてくれた優しいサンタ。

私はサンタが来てくれると幸せな気持ちになれるということを初めて知った。

そしてそのサンタも、今は、我が子たちのサンタ。一緒にサンタ頑張ったね。


サンタを信じたいなら、信じてもいいと思う。

みんながみんなサンタが来てくれるとは限らないけど、もし、あなたにサンタが来てくれたのなら、幸せな気持ちにしてくれたのなら、素直にありがとうって言えるといいよね。

だって、サンタが来てくれたら嬉しいもん。


サンタさんはそんな笑顔が見たいんだよ。



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