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第五話 王都・ミルド

追記・元第三話が長すぎたので、分割しました。




俺は今、野宿をしていた。何故、野宿しているのかって?

それはいま現在、バイサスの街から王都ミルドに向かっている最中だったからである。

俺が転生したクロギ草原の街道を通っていたのだが、やたら魔物が出没するので退治しながら向かっていた。

基本的に俺はルージュの姿で、街を出てクエストをこなしていた。なので今もルージュの姿をしている。

そのせいなのか、すれ違う冒険者達が俺に頭を下げてくるのだ。

すごく気まずい。いや、むしろ道中の記憶は『気まずい気持ちになった』が9割を占めていた。

もっと言えば、それしか記憶にない。




バイサスの街を出てから一週間、ついに王都についた。

街に入る際に冒険者カードを提示したら、衛兵達が一斉に頭を下げ、こう言った。


「「「「「「どうぞ!お通りください!!」」」」」」


うん、やっぱり道中の記憶は『気まずい』しか無くなった。

そんな気持ちをよそに街に入った。

はじめてきた王都に俺は少々興奮した。綺麗な街中、賑わう人たち。素晴らしいな。

俺は街に入ったのでルージュの姿から元の姿に戻した。

そしてそのままギルドに向かおうとした時……。


「おい、そこのガキ。ここはガキが来るところじゃねーぞ。さっさと帰れ」


いかにも悪そうなおっさんたちが話しかけてきた。


「はぁー、厄介なのに巻き込まれたな」


「なんだと、ガキ。大人なめてると痛い目にあうぞ?俺様は、Cランク冒険者様だぞ?お前なんかイチコロだぞ」


Cランク冒険者は、ベテラン冒険者とも言われている。

調子に乗る冒険者は少なくない。


『SSランク冒険者に向かってイチコロってwプププ、ハハハ、あーーははははははwww』


「おい、笑いすぎだぞ、おまえ」


「なんだと!?」


あっ、やべ。つい声に出してしまった。いやだってギルティ(こいつ)が馬鹿笑いするから。

っていうか、騒ぎが大きくなってしまって街の人が集まってきた。


「しね、ガキが!」


こ、こいつ。民衆の面前で抜刀しやがった!!

冒険者ギルドの決まりで、許可なく抜刀した場合は厳罰に処すって言ってたし。そもそも抜刀とは、殺し合いを意味する。

これは致し方ない。



ガキィィィィィン!!



振り下ろしてきた剣を『断罪の剣(ギルティ)で受け止める。


「な、こいつ、ナニモンだ!?」


「俺はただの冒険者だよ。おっさん」


そういうと、ギルティで押し返しみねうちを打ち込む。そう、このギルティは刀の形をしているので、『安心しろ、みねうちだ』ができる。一度言ってみたかったんだよね、このセリフ。

当然、おっさんは悶絶している。痛そう。


「く、くそが。ガキのくせに」


ガキって言う割には俺23歳だし。ガキって言われるのは心外だわ。

まぁ心はまだぴちぴちだしね。そういう意味では、まだガキんちょってことかな?


「おい、だれか衛兵を呼べ。暴行事件だ」


このおっさん、まだ諦めていなかった。なんて往生際が悪い。大人げない。醜い。

そう思っていたら、近くで見ていた女性が声をかけてきた。


「えぇ、来ましたよ。あなたの望む『聖騎士』がね」


え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ。この女の人が聖騎士だって?どう見たって18歳にしか見えない。

外見は、金色の髪に身長170cmくらいの美少女。


「あ、いや。あの、その……」


「あ、これ以上何も言わなくて結構です。しっかりと見てましたよ、あなたがその人に喧嘩をうり、冒険者ギルド規則を破って抜刀までして、その上に敗北する所をね」


全部見てたの?恐ろしいや、こりゃ。

それに、表情は笑っているのに目は笑っていない。

女性って怖い……。


「まぁ詳しいことは後で聞くので」


そう言うと、あのおっさんは衛兵に連行されていった。

なんかすごい言ってくるけど、段々聞こえなくなってった。


「あ、あの。助けていただきありがとうございます。おかげで助かりました」


「いえいえ、聖騎士として当然のことをしたまでです。私は聖騎士のマリアよ。マリア・フォン・ヘロット・ラタンよ」


この歳で当主、すごいな。


「マリアさんですね。覚えておきます」


「では、私はもう行きますね。ではまた」


そう言い残し、去っていった。到着してからいろいろあったが、冒険者ギルドにきた。

姿をルージュに変えて来た時、ギルド内が大騒ぎになった。

なんせ世界で唯一のSSランク冒険者なんだからそりゃ大騒ぎになった。おかげで衛兵までくる始末。

その際も、他の冒険者が俺のことを言ってしまい、頭を下げることに……。


本当に色々ありすぎた。俺はそうそうに宿をとり、すぐに眠りについた。




次の日から、ターゲットについての情報収集を始めた。

一日中聞き込みをした結果、色々と集まった。

まず、住んでいる場所は王都の北側に位置する聖騎士区と呼ばれる区域に住んでいる。昔は傭兵をしていたけど、国同士の戦争で相手の総大将を破った功績を称えられ、傭兵から聖騎士となったらしい。バヴィンは現在31歳で聖騎士になったのは21歳だそうだ。相当の手練れで、家族はいない。現在、王宮の警備で家をはずしている。しかし3日後には帰ってくるそうだ。なんでも黒い噂が多いらしい。悪魔召喚しているとか、王族を暗殺しようとしてるとか。


「まずは家宅捜索からか」




次回、屋敷に侵入!?

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