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第四話 断罪の剣の過去 ②

追記・元第二話が長すぎたので、分割しました。




何故だ?何故なんだ?あの時は美しい森の中に佇んていたのに、今は上にポッカリと空いた広い洞窟の中だった。っていうか、いま何年なのかわからない。俺が生きていた時代は、創世紀110年だったからな。後であった人にでも聞いてみようかな。

とりあえず、俺は上の穴から洞窟を出て上空に飛ぶ。すると、ここから300m先に一つの都市があった。しかも、かなりデカイ。まさに大都市というべきか。早速、俺は都市に向かった。


都市の周りには高さ10mくらいの壁が囲っている。都市に入っていく人の話し声が聞こえた。


「いやーやはり相変わらず大きいですなー」


「ほんとうですよ。流石はセリウム聖教国の聖都、プラチナですな」


「これは噂だが、この都市の近くにあの伝説の古代神殿があるって話ですよ」


なるほど、ここはセリウム聖教国の聖都、プラチナという街らしい。さしかに、ここはもともと神の聖域に最も近い街で有名だった。さしか名前は……あれ?思い出せない。なんだったっけ?……いいや。思い出せないことはどうでもいいのだ。

とりあえず街に入ろう。と、いっても俺は剣だから、一般用の門では入れない。ではどう入るのかって?その方法は只一つ、空からの違法侵入しかない!えっ、断罪の象徴たる俺がこんなことしていいと思っているのかって。いいんだよ。バレなければ犯罪ではない!だから大丈夫だ。


入ってすぐ分かる。いい街だ!すごくいい!街はきれいに整備にされ活気がある。こんな街が、俺が人間だったときにあって欲しかった。あの時は争乱を抑えるために各地を巡っていたからな。観光する暇などなかったのだ。今の人達が羨ましい。

俺が街を散策していた時、俺の直感がはたらいた。

()()()()()()()()、と。

おそらく、この街に『断罪者』としての使命をおった者がいる。

そう、俺も使命があるのを忘れてはならない。『同族をサポートせよ』てね。気は進まないがやるしかない。

早速、俺は探した。何となくだが、場所は分かる。薄暗い路地にいるってとこしかわからないが、探せばすぐに見つかる。

しばらく探していると人気のない所に、いじめられている男の子がいた。『鑑定』してみよう。



ステータス


名前・ミツル 年齢・12歳 性別・男 種族・人族


レベル・Lv1


体力・15(減少中) 魔力・50


固有スキル・『断罪者』(未機能)


固有魔法・断罪魔法(未使用)



うん、こりゃ酷い。スキル一個もないってどんだけ貧弱なんだよ。固有スキル『断罪者』は、まだ一回も目覚めていないようだ。って、もう少しで死んじゃうじゃないか!こりゃ大問題だぞ!いじめは重罪!万死だな、万死!見た感じ大人っぽいし、いいか。

まずは、率先していじめていた男をひと刺し。


「え、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「な、何だ!?」


「お、おい。刀が……刀が浮いているぞ!」


はい、もうひと刺し。もうふた刺し。弱いな。非常に弱い。ほら、もう全員死んじゃった。


「え、何が起こったの?」


いじめられていた男の子、ミツルは動揺していた。目の前で四人が死んで、謎の刀が浮いている。

俺は気にすること無く話しかけた。


『おい、大丈夫か?』


「え、誰?」


『お前の目の前に浮いている刀からだ』


「え、えぇぇぇぇぇ!!」


『まー、話は後だ。とりあえずここから離れるぞ』


「え、あ、うん」


そう言い、俺達はその場から離れた。

かなり離れたところで、話を始めた。ミツルはまじまじと聞いていた。俺の前世、俺の使命、ミツルのスキルのことを話した。ミツルは驚きつつ、納得してくれた。

まず、俺はミツルのレベル上げをさせた。弱すぎるから。しかし、それは間違いだった。あっさりと死んでしまった。それもそのはず。剣の扱いにも慣れていない人がいきなり使えって言ってもわからないのだ。


その後も何百年、何千年の間、同族の世話をしてきた。だが、やはり前世の俺レベルまでいく者などおらず、むしろ弱体化していった。弱くなっていくほど断罪する機会が減る=俺のエネルギー補給ができない=自由に動けない。もう、俺の意、識が……。

俺は、深い深い眠りについた。



・ ・ ・



ここはどこだ?少々明るい部屋にいるみたいだ。! 誰かいる。屈強な男と複数人の全身フル装備の男、それにきれいなドレスをきた女の子がいた。なにをしているのだろうか。なにか話している。だけど聞こえない。

すると一人の男が、俺に触れた。

男は苦しみだし、口から血を吐き出し、死んでしまった。死んだということは、こいつは罪を犯していたことになる。すると、すこしだけだが話し声が聞こえた。


「……やはり……」


「はい、あなた様の推理は正しかったようです」


「そうね……とりあえず帰りましょ」


そう言って、部屋から出ていった。扉から鍵をかける音がした。結構大事な部屋みたいだ。

あ、まずい。また意識が……。




あれ以来、定期的に目覚める。そのたびに俺に触れ、死んでいく。そんな日が続いていた。

そんなある日に俺は、ふと起きる。今までにないぐらいの強い同族の気配がする。ここから20km以上も離れているが感じる。俺は早速、持っていたスキル『自我分離』を使い、スキルに入り込もうか。おれ、何故か入れない。おかしい。今まで失敗したことなかったのに。後々気付いたが、転生ボーナスって奴のせいで、接続ができなかったらしい。っていうか、今回の『断罪者』は転生者らしい。期待できそうだ。


あれから、何年かの月日が経った。ようやく入り込めたようだ。どれどれ、ちょっと『鑑定』っと。

おぉ、すごい、すごいぞ。こいつ、もう限界突破(カウントグレイク)している。もう少しで二段階目に入りそうだ。こいつは楽しめそうだ。

俺は久しぶりに心を踊らせた。




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