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第4話:星神様・2


蒼と一時間ほど話してから、蒼の家を出た。

そしていつものように買物をして家に帰る。


今、僕の家には誰もいない。

父さんも母さんも帰ってこない。

きっと、捨てられたんだと思う。

蒼や蒼の妹を見ていたら、妹の方にある日つい"僕には家族がいない"何て口にしてしまった。

まあ、あの妹の事だ、もう忘れてるだろう。バカだから。


家に帰ってコンビニの袋をテーブルに投げるように置き、ソファに寝転がった。

今の時間は4時丁度。


「そう言えば、4時04分が星神様だっけか。」


天井を見上げながらそう言う。

昼、学校で蒼の妹が言っていたことを思い出したのだ。


どうせ迷信だろう。

そう思った。


けど、何となく好奇心が湧き上がり、やってみようと思った。


まじないの言葉をぼそりと唱えた


「アルテス・タストナ・アトロポス」


カチッ


時計が小さな音を立てた時だった。


目の前が急に歪んで、思わず目を閉じる。

再び目を開けると、そこは


「う、宇宙…?」


『そうだよぉ〜』


笑い声まじりのふざけた声が、背後から聞こえた


『正確にはイリュージョン…幻影だけどねぇ〜』


クスクスと笑い声が響く。

僕はその声の正体を睨みつけた。


「誰だ、お前…?」


『それは私のセリフだよぉ。


勝手に私を呼び起こしてくれちゃってさぁ…


本当、迷惑してるんだよねぇ〜』


尚も笑い続ける奴に僕はもう一度言った。


「だから、お前は一体何者なんだ?!」


『"知らないのに名を聞く時は、自分から"がそっちのルールでしょ?

だったらちゃんと自分から答えてよぉ』


「…僕は、棗 志良だ」


『へぇ〜シラくん。

そっちの食べ物のタラとかシラスみたいだねぇ〜』


こいつの喋り方は、何だか腹立たしい。


「答えたんだからお前も答えろ!お前は何なんだ?!」


苛立った口調でそう言った。


『私?私はねぇ…アステル・テオス。

そうだねぇ…そっちの言葉では星神って言うかなぁ…』


「星、神…?」


コイツが本当に星神なら、あの噂は本当だって言う事か…?


『私をわざわざ起したって事はぁ…

悩みを削除して欲しいんでしょぉ?』


クスクス クスクス辺りに笑い声が響いていて、とても居心地が悪い。


「悩み事なんて、ない。」


『…ない…?


私を呼び起こしたのに…


悩みがないって言うの…?』


「ああ、ない。だから僕を元の場所に返してくれ!」


『嘘吐きぃ…嘘吐きぃ…嘘吐きぃぃぃ!!!


私を呼び起こせるのは、悩みのあるのしかできないんだよぉぉぉ!!!


それでもナイって言うんならぁぁぁあぁぁ、


無理矢理にでも穿り出してあげるよぉぉぉ!!!!


シラの感じてる、"悩み"をねぇぇぇぇ!!!!』


突然、星神は恐ろしい形相になった。

そして僕に掴みかかり、僕は頭突きを食らわされた。


そして、頭に響くいやな音。

頭が割れそうになる。


「あぁっ!!!あぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」


僕は叫んだ。

普段出す事の無いような、雄叫びのような声を上げて。


『フフフッ…フフフフフ…アハハハハハ!!!!


ザマァ見ろォォォ!!


これが、私を呼び起した罪だよぉぉぉぉ!!!』


最後の星神の笑い声が頭から離れない――


そして、僕の意識は途絶えた。




 

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