第3話:棗 志良
「棗くんだー!!」
「粉江/胡亜…」
「えっ?何、何で私が入った途端二人共青褪めるの?」
「「それはお前が苦手だからだ」」
「ヒドッ!ま、いいや」
胡亜は切り替えが早い。のでとても扱い易かったりする。
「なんの話してたの?」
「別にお前に関係無いだろ」
「気になるじゃん」
「とりあえず出てけ。ってそう言や志良。時間平気か?」
「ん?ああ、そろそろ帰らないと」
「そか。じゃあまた明日な」
「おう」
そう言って志良は部屋を出た。
「お見送りくらいすればいいのに。」
「そんなんするの女子だけだろ」
「…そうかなぁ…?」
「そうだよ。
で、なんか用か?」
「えっ?ああ、そうそう、棗くんの事なんだけどさ。」
「志良?」
「うん、この間さ、"僕には家族がいないんだよ"とかいきなりブルー入っちゃうから、ビックリして。
蒼 何か知ってるのかなぁって思って。」
「ああ、アイツ子供の頃親亡くしてるんだよ。
特に預かってくれる親戚もいなくて、施設に預けられてそこでまた拾われた?んだって。」
「…」
「なんだよ。黙るなよ」
「いやさ、なんか難しいな〜って。」
「そりゃあな。お前の空っぽの脳みそでは理解できないだろうよ」
「何おぅ?!」
そしてケンカが始まった。それから五分くらいして、母さんが帰って来て、俺ばっかり怒られた。
何でだチクショウ…