神はチートを許さない。
とりあえず、完結にするか……悩んでます。
他にネタ無いのか?とか言われたらあります。ありますが、このままでいいのか?という考えが強くなり、少し悩ませていただきます。
閲覧、応援、ありがとうございます。続けるかもなので、完結にはしばらくしない予定です。
他の作品も進めたいので、定期更新は最期になります。申し訳ありません。
他作もどうか応援よろしくお願いいたします。
語ることは多分にある。転生待ちの者達、そして、その中のトラブルメーカー。そのトラブルメーカーはここに来た年齢が三十から五十の間と十四位までの若い者が多い。
とくに、多いのは前者の方だ。後者はわりかし、すぐに納得してくれる。
だが、前者は理を無視してくる。自我が強く、こちらの事情などお構いなしだ。そして、今目の前に居るのがその最たるパターンとも言える。
女神が対応していたが、あまりにも理不尽な要求と願望に最後は女神が泣き出した。見かねた僕が、手を差しのべるのは必然だった。
その女神は、つい先日ようやく人種の転生を任され出した、若い女神なのだ。そもそも、年齢というものが神界には存在しないが、不変の神も、容姿が変わる神も、在り方が変わる神も様々だ。
若い女神は、どうやら見た目も在り方も変わっていくようで、今の見た目は胸が少し膨らみ、透き通るような白い肌、薄い緑色の輝く大きな瞳、金と言うよりは、透き通る黄金の髪が緩やかに背中で広がっている。身長も少し伸びたのだろう、立てば今では僕の胸元位に頭が来る。
隣のブースに居られる僕としては、非常に役得である。彼女が少し動く度にほのかな香りが流れてきては、僕の心を満たしてくれる。
そんな彼女を……可愛らしく、真面目な彼女をいじめて泣かせた転生希望者を僕は決して許さない。毅然とした態度で目の前の転生希望者を睨み付ける。
「で、貴方の希望はなんですか?」
「はぁ? そっから話さねぇとダメなの? 神とか言っても使えねぇのな。心くらい読めよ! てか、さっきの可愛い女神に戻せよ、なんで野郎の神なんだよ」
一瞬で、過酷すぎる世界への転生処理を(始末書ものの不正にはなる)が、やりそうになる。
と、言うよりはすぐにやれるところまで項目を埋めていく。完了した。
「はぁ、あの子はなにぶん入ったばかりでして。貴方のような方には荷が重い為代わらせていただきました。処理自体は誰が行おうと同じですので、ご安心を」
「ちっ! じゃあ、ほら俺ってさ、交通事故で人を助けてるときに死んだじゃん? やっぱ特典とか欲しいわけよ、なにせ三十二で死んだんだからさ」
書類に目を通す。たしかに、人命救助の際に二次事故に巻き込まれ死んでいる。
ただし、一次事故を起こしたのは目の前の男の過失だ。車なるものを飛ばし、前の車を煽り事故に至る。要は、因果応報である。巻き込まれ亡くなった人は特典として、多少の幸運と健康などはこっそり付けられているだろう。
そもそも、この案件はなぜ犯罪を犯した魂に対する処理ではないのだろうか? 自死より質が悪いと思うのだが。
「――で、だから、ほら魔法とかさ天才級に使えたり。剣技が鬼強だったりさぁ。無双、そう無双したいのよ」
全く男の話を聞いていなかった神は、普通の顔で「わかりました」とだけ伝える。
男は満足したのか、促すと転生準備に入った。
では、男の願望が満たせる世界に送るとしよう。無双出来る、無双される。そんな世界に。もちろん、特典などない。付けるとしたら僕の癒しの女神を泣かせた罰として、『女運悪化』これに尽きる。
光の粒となり消えた転生者を見送り、最後の処理をしていると、右肩の服を引かれる。
顔を向けると、目元がまだ腫れている女神が僕を伺うように見ていた。
「どうしました?」
涙をまだ目に蓄えてる女神、マジ可愛いっ! 脳内保存するしかないっ!
などと、心の内で躍りながら冷静を取り繕い、出来る限りの優しい声色で尋ねた。
「あの。えと――あ、ありがとうございました」
そう言い、ぺこりと頭を下げてきた女神に、たまらず叫びそうになるのを堪え、男神は息を深く吸う。
鼻孔から、女神の髪の香りが一気に肺へともたらされ、冷静になるどころか、さらに興奮を促すこととなり、男神は変なことを口走る。
「今度、遊びにいきませんか?」と。
口走ったあと、男神は悶絶し、項垂れる。やらかした……と。
しかしその言葉をうけた女神は頬を染めつつ、こう返したのだった。
「えっと、ごめんなさい。まだ、遊びに行けるほど仕事できてないので」と。
彼女は真面目だった。
と、なったので、次回更新は不明となります。
もし、完結がつきましたら以降の更新はしない方針ですので目安にご覧いただけたら。と思います。
まだ、完結するかも?位ですが、見ていただけた皆様、本当にありがとうございました。