神議会~報われない神々~
多分、ユニークが500突破しました!
一月未満で、初連載、それでいて既に約500名(重複)、本心から言って早すぎると感じてます……本当にありがとうございます。
堅苦しい話(神の業務ネタ)、笑える話、もっとメリハリをつけ、楽しめる作品を目指します。
これからも応援よろしくお願いいたします。
赤神発令後、初の議会が開かれる。場所は極秘とされ、窓すらもない一面白壁の空間である。有るのは、十脚の椅子と大きな丸テーブルのみである。入り口の外では大天使が扉を固め、防音の扉により閉めきられる。
この場に居るのは、転生課課長神が三柱、環境課課長神が四柱、情報管理課課長が三柱の十柱のみとなる。
「では、議題として、各課の問題と解決策を話し合おう」
そう切り出したのは、情報管理課課長の男神であった。
「では、まずは転生課から」
「はい、では、三柱を代表し、わたしめが報告を、まずは神員の不足について。現在、犯罪者、自死者についての転生についてはランダム転生処理にし、処理の作業削減を行ったが、未だに足りておらず、以前は二勤交代制だったものが、三勤交代制となり休みがまともに取れぬ神も居る。新たな神の優先権を強く主張したい」
「異義あり!」
「環境課課長、どうぞ」
「二課の課長だ。何も神の不足は転生課だけではない。こちらは、二交代制、しかも、二課に別れているのだ。もっと手厚い優先権を回してほしいのはこちらの方である」
「異義を認める方、挙手を」
六名の神の手が上がる。
「異議を認めます、それを踏まえて転生課課長続きを」
「確かに、どこも神が足らないのはわかっている。しかし、転生課にはそれこそ常に転生者が絶えないのも事実。無数の世界の死者が全て回ってくるのだから、そこは加味してもらわねば」
「異議あり!」
「環境課第二課課長、どうぞ」
「そう言って前回、前々回と多くの若い神を引き抜き、そのあと起こされたイレギュラーを忘れたわけではあるまいな? 私の課にも、特に前回多くの人種、種族が産まれバランス保持、調整に今もなお苦しんでいるのだぞ。また繰り返すつもりか?」
転生課の男神と、特に環境課第二課課長の女神は仲が悪い。
理由としては、ロリコン課の狙いである、若い神を二回続けて転生課に獲られて居るからなのは、誰も口にはしないが、周知の事実であった。もちろん、先にあげたイレギュラーも理由ではあるのだが、そんなのは些事であるのだ。
そして、女神はもうひとつの理由で転生課を良く思っていない。[囲炉裏を囲む会]会員である事と、その対抗組織である〔蕾の園〕のエースが転生課の神材だからだ。
前回も、その前も、否。結成から常に目標の達成を成し得ないのだ。それは恨みもする。
しかし、その欲望に他の神々は気づいており、『二課に渡すくらいなら、転生課で護ってあげて欲しい』と暗黙の了解の様に、こっそりとだが確実に二課に幼い神々を回さないようにしていた。
神の闇落ちなど、誰も見たくはないのだから。
「異議に賛成の方は挙手を」
今度は二課課長一柱のみの挙手である。他の神々は、女神とは目を合わせず議長を勤める情報管理課課長へとアイコンタクトをする。『早く進めて話題を変えろ!』と。
それほど、女神の眼光は鋭く殺気を纏っていた。
いずれにせよ、何処の部署に行こうとも幸せ、平穏、優雅などとは程遠く、全く報われない仕事なのだが…………とは、口が裂けても言えないのは全ての神々の真意であろう。
次回更新は夜になります。
閲覧頂き、本当にありがとうございます。
読んで良かった、そう思える作品にしていきたいので、何か気づきなど有りましたらご助言お願いいたします。
これからも、お付き合い重ねてよろしくお願いいたします。