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女神様は、はしゃぎたい

 なんとか、更新……………………



 もう、夏……か……北陸から戻ってきたら蒸し暑くて溶けそうです(´Д`)

 環境課一課のデスクで一人の女神がモニターを凝視し、首を傾げたり、唸ったりしている。画面に映るのは、担当世界の一つ、しかし、エラーコードなどは上がっていない。そして、白い砂浜、白波が押し寄せては返す、コバルトブルーの海である。


 多くのカップル、家族が水着ではしゃぎ、女神の心を掻き乱す。


 なぜ、たかだか海でこうまではしゃげるものか? と。


 水着というものは、下着と何が違うのか? と。


 そして、なぜ水を掛け合うのか? と。


「わからないわ。何が違うの?」


 神界にも泳げる場所はある。湖、海、川、地上より、遥かに綺麗で、どこまでも澄んでいる水場が。そして、そこで泳ぐにしても裸が基本だ。


 ここで、ふと思い至る。もしかして、同性だけでなく、異性とも一緒になって行くから楽しいのかも知れない、と。だが、いかに神とはいえ、いや、むしろ、神だからこそみだりに異性に裸を見せるべきではないだろう。


 なるほど、その為の水着…………? でも、それならほぼ形は同じ下着と何が変わるのか? 動きやすさ? いや、そこは変わらない気もするし……。


「まったくわからないわ」


 二度目の独白も、力なくため息と共に漏らす。


 しかし、モニターを見ると、心の何処かに何かが引っ掛かり気持ちが悪いのだ。祭りを楽しむ人、買い物を楽しむ人、そういった人を見ても平穏で居られるのに、何故かモニター内の海ではしゃぐ人々を見ると心がざわつくのだ。


 そう、リア充は爆発すべき、と。


 そう考えて居たとき、後ろから一課のサポート役の天使がお茶を持ってきてくれる。


「女神様、お疲れ様です。お茶をお持ちしました」


 すらりとした体躯、そして、切れ長の目、白銀の輝くようなショートヘアの男の子。そう、振り返った時脳内に電撃が走る。異性の神同士だと、なんとなく嫌だが、天使が相手ならあるいは、と。


「ありがとう、ねぇ貴方は今度の休み空いてるかしら?」

「はい、今度の休みは特に用件は御座いません。いかがされましたか?」

「すこし、試してみたいことが有るのだけれど、一緒にどうかしら?」

「はい、喜んでお供させていただきます」

「良かったわ。このモニターに映ってる様なことを試したいのだけれど、水着というものって貴方の知り合いで作れる天使はいるかしら?」

「はい、私めの妹なら可能かと。どのようなタイプになさいますか?」


 モニターに目をやり、一番率の高い上下にわかれた水着を指差し「こういうのがいいわ」と伝える。


「かしこまりました。ですが、私はどのような格好をすればいいのか、ご助言頂けると幸いです」

「貴方は、こういったパンツタイプでいいと思うわ」


 女神の言葉を聞き、モニターを見つめ天使は頷く。


「では、そのようにしておきます。当日はどちらへ伺えばよろしいですか?」

「そうね、日の出から二刻後にわたしの家まで迎えに来てくださいまし」

「では、そのようにさせていただきます」


 天使はうやうやしく頭を下げ、席を離れていった。その後ろ姿を見たあと、モニターを見つめなおす。


「あら?」


 不思議なことに、先程までモニターを見るたびざわついていた心が平穏を取り戻していた。


 はしゃぐカップル、親子を見ても微笑ましいとすら思えるだけで、他に暗い感情は湧かないのだ。


 何故かしら? 首をまた傾げながら、天使の持ってきたお茶を飲む。冷たく冷やされた紅茶が喉をするりと降りていく。後味はレモンの果汁なのだろう、さっぱりとしていた。

 次の更新は明日の夜になります。あぁ、出張のせいでやることが……………………


 応援よろしくお願いいたします。

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