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転生者は腑に落ちない

 前に書こうとして、なぜか書いてなかったネタ

 私は、異世界で第二の人生を歩むことになった。どうして死んだか、なぜこの世界に呼ばれたのかは不明だ。


 神と呼ばれるモノに、一面白一色、上も下も、前も後ろもわからない、むしろ、一面は白ではなく、理解できない色だったのかもしれないが……。そんな場所で、女神を名乗る存在と会話をした。


 ただ、貴女はこの世界で好きに生きてくれればいい。そう言われ、前世の記憶、経験を持ち越しで送り込まれた。その際に、『鑑定』『魔法』『ステータス』『インベントリ』など、スキルと呼ばれるモノを与えられたのだが、なぜ転生先が深い森の中で、真っ裸なのか本当に、三時間ほど問い詰めたい。


 私は女の子で、前世の世界ではただの中学生であり、平和ボケの代表と呼ばれるほどの国育ち。さらに、知識=携帯圏内である。こんな、ウェブも知恵袋も無い所に、真っ裸で放り出されても生きていけるわけがない。これは、あれなの? 嫌がらせなの? 親より先に死んだから、そう言う地獄なの? こんな状況で、蜘蛛一匹でも肩に落ちてきたら、その時点で人生ログアウトなんですけど。


 とりあえず、どうにかして、服位は手に入れたい。しかし、その辺の植物で隠そうにも、肌荒れとか被れたりしたら……そう考えると行動すらしたくない。


「詰んだ」ぼそりと、呟き空を仰ぐ、僅かに開いた木々の間に青い空が細切れで見えた。


 不意に視界の中にウィンドウが出る。『パオパオの樹 詳細』など、視線で詳細にあわせると細かい説明がでる。意外と行けるのかな? など考えたが次の瞬間、考えを改める。


 表記が増えていき、魔物だか、モンスターだかわからない名前が大量に近づいて来ている。


 これは、本当に詰んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 環境課のデスクで、自身の担当世界を監視中、イエローアラートが鳴る。『転生者あり』、すぐさまモニタリングを開始すると、映されたのは森の中の真っ裸の女の子。それも、涙目。

 これは、あれか? 裸族という存在なのかな? などと、考えるが、転生者の時点で違うとわかる。頭を抱えうずくまったり、空を見上げたり、間違いなく困惑している人のそれだったからだ。


 なぜ、服を着てないのか? これの答えをなんとなく、察することができた。地上神はかなり適当なことをやるものだ。例えば、今回のように『生物は産まれた時は裸である』が普通のように、転生者もまた産まれたときは裸なのだ。という、理論である。多数の世界を監視している神からすれば、異常であるのがわかるのだが。


 モニタリングをしていると、魔物が引き寄せられるように、彼女の元へと集まっていく。なにもせずともバランスが保たれるなら良いか。とも思うが、魂を鹵獲された上に、こんなとこで死なせるのも寝覚めが悪い。むしろ、バランスを崩さないなら放置が神界の決まりだ。


 悩んだ末、彼女の持つインベントリと呼ばれるモノに衣服一式と、武器を少し転送する。メッセージつきで。


 それに気づいたのか、彼女はそそくさと着替え、天を見ながらお辞儀をくれた。これ以上はなにもしてやれないが、頑張って生き残って欲しいものだ。


 そう、思いながらアラートの解除を行い、通常業務に戻るのだった。

 

次は明日の12:00更新……と思われます。


 閲覧いただきありがとうございます。ブクマ、評価、感想頂けると喜びのあまり寝落ちします←

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