神、巡り合う
書きたかったか?と聞かれたら…………ほら、腐の女神を描くなら、薔薇族も描かないと……となるわけで。えぇ、男女平等です。
この神界にも、結婚はある。だが、それは決して幸せとはならない。そもそも、結婚というものが単純に『してみたいだけ』『気になったからやってみた!』『後悔しか、していない』等、男神側がコレである。では、女神はとなると、これまた微妙なのだ。
基本、女神は同性同士で競いあう。やれ、『アイツを落とした』『寝とってやった!』『まだ未婚なの? おかわいそうに……』など、とにかく女神間の熾烈な争いの一つなのだ。
まぁ、基本的にそんなだからもちろん、上手くいく、幸せな家庭、何てものは遥か彼方である。
結婚後も、夫婦別居は当たり前、同居?何それ?美味しいの?である。そして、普通に他の異性と寝るし、重婚もする。つまり、結婚(仮)レベルの事なのだ。
だが、ここに、神界唯一の良心とも云える程の男神が居る。『好きな異性は一柱』、『結婚するならお互いが笑いあって、支え合うような関係』『同棲、結婚後は他異性とは遊ばない』等、他の男神が聞けば抱腹絶倒ものの、下界では真っ当な思考の持ち主である。
ここで、問題に気づくのだ。『あれ? てことは、妻になる女神にも同じ考えを求めないと破綻するよね?』と。遅すぎる気づきを得たわけだが、そんな女神は居るわけが無い。正確には居ないわけでは無いのだが、その辺りの女神はとある勢力に護られており、迂闊に求婚しようものなら亡き者にされる。そんな女神しか居ないのだ。
そして、考えを巡らしながら、森林の公園を歩き回る。では、どうすれば? 天使を相手にする? いや、しかしそこは同格でなければ、きっと天使達は遠慮、我慢をして、決して幸せではないはずだ。
あぁ、どうすれば……。
公園のベンチ前を通り過ぎたとき、ふと足が止まる。ベンチには、何故か下界のツナギなる作業着を着た男神が膝を組み、背もたれに腕を伸ばし座りながら、こちらに流し目を送ってきた。
なんだ……アレは…………?
視線を切らせず、立ちすくむ男神に、ベンチの男神は決定打を放つ。
「ヤらないか?」
その瞬間、立ちすくんでいた男神に天啓が降りる。『異性がダメなら同性ですれば良いじゃない』と。
「な、何を…………?」
「それは、とても……良いことーーさ♪」
その後、天界唯一の良心を持った男神を見たものは居ない。
ただ、ヨシオと名乗るお姉男神が公園のトイレ前で誰かを待っている。そんな噂が神界に流れてくるだけだった。
次の更新はやはり明日の12:00になるかと。まぁ、12:00は平日常に圏外なので予約更新なのですが……ね。
どうぞ、お付き合いよろしくお願いいたします。