闇よりもなお、深きモノ達
書きたい事が、不思議と出てくる謎現象。
しかし!書く速度と文章量、文章力は出ない不思議!
あ、更新です。よろしくお願いいたします。
ここは、とある地下の広場。灯りは囲炉裏で焚かれた薪の火のみ、煙突へと吸い込まれる煙の向こう、顔はよく見えない。
サークル『囲炉裏を囲う会』集会は、常にこのような感じだ。
一人の男神の報告が終わり、更に次の者へと続く。神界に住む全ての幼き者の動向報告会である。
「ーーと、言う確かな情報を掴んだ。しかし、目捉はおろか、残り湯の採取も前回同様に阻まれた。蕾のヤツラに……次の際はこちらも、もっと集団で行動し、目標の達成を目指すべきかと進言する」
皆が一様に、唸る。問題は、敵対勢力が数は少ないのに、こちらの動きをまるで読んでいる様に妨害するのだ。
聖域に辿り着けた者は居ない。確かにそこにある聖域に。
「しかし、こちらは大勢力。神界一のサークルだ、纏めるのもまた難しい」
「だが、このままでは聖遺物すら手にする事は叶わないぞ?」
「「「「「「聖遺物……欲しい!」」」」」」
「だが、障害があるからこそ燃える。共に乗り越えるぞ! 同志達よっ!!」
「「「「「「我らの悲願の為にっ!!!!」」」」」」
その場の全員が立ち上がり、声を揃え叫ぶ。これは会合の終盤に必ず行われる。
「では、各員持ち帰り、次回までに構想を練り、対策を考えて来るとしよう。以上、解散っ!」
リーダーの締めの言葉で、入り口付近の神が、一人、また一人と一分毎に出ていく。これもまた、いつもの様に。
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ため息を漏らし、なんとか切り抜けた。そう呟き、夕焼けに染まる天を仰ぐ。
今回の活動は、コードネーム『楽園』、幼き者達の活動を影で見守り、事故、事件から彼らを護る。本当にそれだけなのだが、それの難しさを知るのは参戦した神々だけであった。
我ら『蕾の楽園』活動は、敵対勢力であり、神界一の勢力、『囲炉裏を囲う会』との闘争と言い換えても過言ではない。
今回も酷かった。思い出すだけで、身の毛のよだつ、そんな狂った連中を退けれたのは夢想天生のお陰なのか…………。
奴等が何を思い、考え、そしてどう動くのか。
外れて欲しいと想う事が、必ず現実に起こっていた。
風呂の覗き行為。脱衣室の汗を吸った衣服類、干された下着類など、本当に奴等は狂っている。今回は更に、残り湯の奪取なる蛮行が目的だろう行動も見てとれた。
行動を読み、潰す度、奴等はのたまうのだ。「蕾のメンバーは化け物かっ!」と、返す言葉もほぼ決まっているように、サークル身内の口から出るのは「うぬらの夢想はその程度かっ!」と。
しかし、真に狂っているのは私かもしれない。その全てを防ぎ、読みきった。だが、裏をかえせば、それは私の望みで有るとすら言えるのだから。そして、友である、サークル仲間の望みでも有るのだ、と。
一陣の風が頬を撫で、闘いの虚しさを一柱感じるのだった。
こうして、彼は護り抜いた戦場に一人佇み。赤から紺へと染まっていく天を見上げながら。
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薄い本を置き、報告書を読んだ女神はため息を漏らす。
「これは、どうしたものかしら…………本当に…………」
そう呟き、眉間のシワを解した後、薄い本を手に取り現実逃避を行う。
これもまた、彼女の毎回恒例の行動となっていた。そう、ロリコン達の暴走と制圧の報告書の後の。
次回更新は、明日の12:00予定となります。
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