神々は秘匿する
PVがいつの間にか600超えて嬉しさのあまり、更新。
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先日調査を指示した世界で、新たな種族が産まれた。それは、まぁ、以前は良くあったこと。ここ最近は赤神以降、特に減ったのだが。
理由は簡単、男神は単身ないしは、同姓での調査をさせない。幼い神を同行させる。などだ、規則的には体裁を整えるため、過度な肉体接触、当事世界の飲食を禁じている。
しかし、それをこなせる神は一握りと居ない。特に飲食系は群を抜いている。今回の新種は、美味しい気性の穏やかなトロール(魔物)、酸味が強いブドウ種(新種)、酒向き。そして、一番頭を抱えるのは人種である。
トロルワーフと呼ばれる、新たな種族が産まれた。問題点は、ドワーフのようなずんぐり体型なのに、身長は平均値で百七十センチと大型になる予想が出ている。しかも、気性の荒さは魔物並みときている。既にクーデターが行われ、トロルワーフの国が小さいながらも出来た。
この世界は、情報管理課からまだ、環境課や転生課への報告はしていない為、『元からそうだった』と言えば済むのだが、バランスがとてつもなく崩れてしまっている。
そもそも、対応した男神は何を相手にしたのか? そこが一番の問題だった。普通ならこんなに好戦的な種族は生まれないはずなのだ。
前例から言えば、エルフなら、ハイエルフ、エルダーエルフ、フェアリーエルフなどのエルフの上位互換レベルのはず。
今回のは、全くの異質の新種。ドワーフなら、ハイドワーフ、エルダードワーフ、エンシェントドワーフになるはずだし、トロールは魔物で、魔物相手に欲情する変わった嗜好でもあったのだろうか?
とにかく、当事者を呼ぶことにした。
「すわりなさい」
「………………………………はぃ」
呼ばれてきたのは、まるで生気を感じさせない男神だった。明らかにおかしい、こんな状態の神が下界でやらかせるものだろうか?
「呼んだ理由はわかるわね?」
「…………………………なぃ」
震えながら男神は、頭を抱え蚊の鳴くような声で答える。
「なにかしら?」
「思い出したくない…………忘れさせてくれ…………」
「え?」
「やめろっ! もう出ないっ! もう、無理だ! やめてくれっ! お願いだからっ! やだっ! おうちかえるーーーーー!!!!!」
そう叫び、彼は部屋を出ていった。
「なんなの? あれ?」
気を取り直し、同行した女神を呼ぶことにした。
「さぁ、座って。彼はなにがあったの?」
「失礼します。端的に言えば、欲望のまま行動し、更なる欲望の前に呑まれたのかと」
「? どういう?」
「事後調査を行った結果、性接待の店でハーフドワーフ、少しだけ、エルフ混ざりの女性に襲われ、朝まで逃げること叶わず、まさしく、捕食された……としか」
深いため息と共に頭を抱えた。つまりは、それ系の店で本来なら望まぬ相手に襲われ続けた。つまり、より強い肉食系に喰われたのだ。
「それで、あの新種……ね」
「えぇ。これは、情報管理課の世界調査を担当する男神には告知し、警告すべきかと」
「そうね…………。ところで、さっきまた第二調査隊から情報が来たんだけど、フェアリーエルフっていう、小さなエルフ種が生まれたそうなんだけど、心当たり無いかしら?」
目の前の女神は、明らかに眼が泳ぎ、大量の汗を流しだした。
「話は変わるけど、事後調査ってことはそのお店に貴女も入ったのよね?」
「え、えぇ。調査ですから……」
「で、エルフの男は良かったかしら?」
「!!!!!??」
「わかったわ。行って良いわよ。最初からフェアリーエルフは存在していた。そう言うことにしときましょう」
まさか、ミイラ取りがミイラになる。調査とは厄介なものだ。まぁ、本当に苦労するのは、隠せるこちらより、管理する環境課と転生課だけども。
次の更新は明日の12:00予定です。
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