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天使たちは知りたくない~せかんど~

 難しい……本当に女神の話は難しい

 僕の仕事は女神様を楽しませる仕事だ。内容としては、お洒落な店内でご指名頂いた女神様の隣に座り、会話を弾ませ、時には愚痴を溢して頂き、笑顔でお帰り頂けるようにおもてなしすることだ。


 色々な店がある中で女神様向けのお店は数多く、より競合店が多いのが特徴だ。女神様にも色々な方がおり、様々なお店があるという。

 今日の女神様はどんな方だろうか。


「貴方は知ってるかしら?」


 指名を頂き、一礼したあと、席に腰掛けると共にブランデーを注いだグラスを揺らしながら女神様は聞いてきた。


「何を?」


 本来不敬にあたる様な口調で僕は対応する。これは、仕様だ。


「良いわ、教えてあげる。ここ最近神不足で、強制労働化したのは知ってるかしら?」

「ええ、それはもう多数の方から聞いてる」

「あら、その多数って他の女神じゃないわよね?」

「とんでもない! 僕の女神は貴女だけですから!」


 危うい。地雷を踏み抜きかけた。常にそうだが、女神は嫉妬深い。指名して頂ける女神様は特に執着心が強い。他店の天使で、敢えて多数の女神様との関係を公にし売り上げを伸ばしていたヤツの話を聞いたが、ソイツはほどなくして消えた。


 消されたのか、引退して別の仕事についたのかは知らない。だが、どうにもきな臭い噂が絶えないのだ。


「そう。ならいいわ♪ で、話を戻すわねーー」


 色々な話を聞けた。環境課二課はロリコンが多く、女神様のような成熟された方の居心地が悪いとか、若い男神が少ないとか、僕のような見た目の神は居ないから楽しみが無いとか。


 ほぼ、愚痴とも言える内容だった。しかし、女神様は僕のような見た目のどこに魅力を感じるのだろうか?


 筋肉も無い、小柄で、制服は何故か半ズボン膝だしのスタイルだし、正直、他の従事している執事服の彼らの方が魅力はあると思うのだが……。


 きっとこれは知らなくていい事。先輩も言っていた、『世の中には知らなくていい事の方が多い。そして、知らなくていい事の方が気になるモノだ。だから、この仕事を続けたいなら知らなくていい事を知らないまま居る努力が必要になる』と。


 つまり、この何故だろうという気持ちは知らなくていい事なのだ。

 例え女神様が僕の太ももを撫でつつ、股間へと指先を這わせても…………。

 次回更新は明日???ちょっとネタの展開を思考中のため不明ですが……


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 お付き合いありがとうございます。次回もよろしければ、お付き合い頂けると嬉しく思います。

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