それぞれのプライド!
やっと納得がいく文章になった……
「ヨシ、今の内に行くで!」
ランを抱えて立ち上がる。
目視可能な範囲に敵の姿はない。
念の為、モニターで見たがこちら側には敵の光点がないのでいないと思われる。
迷彩を掛けている敵に関しては高性能センサー搭載の丙が駆け付けてくれたので、隠れていても見つけ出して即切り捨ててくれるだろう。
因みに隔壁の向こう側は青い光点が一つだけ。
残りはラーナも含めてロストしており、今どこにいるのか全く分からない状態。
「マキ様。私がお運びいたしましょうか?」
「いやランはウチが運ぶ。それよりまだ敵が残っとるかもしれへんので周囲警戒したってや」
「了解しました」
「マリ行くで? ってどこ行くねん」
静かに隔壁へと向かっていた。
「いや……姉さんどうしたんやろ」
背を向けたままポツリと呟く。
「何がや?」
「様子……変やった」
「ま、まあ……そやね。確かに姉さん他所よそしかったわ」
「ゲームから戻って来てから?」
「そう」
雰囲気が変わったのはあの頃から。
「……ステラは何故リンを連れてったんやろ」
「……分からん。分からんが姉さんが一緒やし」
マリは隔壁、マキはランを、それぞれ別方向を見ている。ただ話し方や声のトーンで二人の気持ちは同じだと思われる。
「そやね、あの人が一緒なら……ってうぉ!」
手前まで来るといきなり隔壁がゆっくりと開き始める。
「ちっ、今頃開いてどないすんねん!」
思いっきりケリを入れる、がマリの気持ちとは裏腹に開く速度は変わらなかった。
「「あっ!」」
開いた先の通路には、床一面に粉々に破壊された元アンドロイドと思しき部品の数々がかなり先まで永遠と散らばっていた。その中央に一際高く積もっている塊がありモゾモソと揺れ動いている。
「ま、まだ残ってたんか?」
警戒して数歩下がる、が背が何かにぶつかる。
振り返ると丙が視界を横切りマリの前へと進み出る。
すると音を立てて塊が崩れ落ちていく。
現れたのは「繭」という形容がぴったりな約二m程の大きさの袋。
ブニョブニョと、今にも孵化しそうな勢いで蠢いていた。
「「…………」」
場にそぐわない不思議な光景。
一瞬、二人の脳裏に古代に一世風靡したSF映画の寄生型生物の姿が思い浮かぶ。
「直ぐに済ませます。救助のお時間を下さい」
丙がマキに許可を求めてきた。
「お、おう?」
救助? 何を? アレって問答無用で襲ってくるヤツちゃう? それを救助って?
訳も分からず許可を出す。
再び片手をブレード状にし「繭」に近付いて行く。
『…………』
丙の口から意味不明な呟きが聞こえる。すると繭の動きがピタリと収まる。
次に僅かに振動し始めたブレードが振り下ろされ呆気なく綺麗に割れると、中から出てきたのは期待に反し武装した男性型アンドロイドだった。
そして出てくるなり真正面にいた丙に、持っていた銃の銃口を向けて構えてきたのだ。
「「…………」」
目と目が合う。すると敵ではないと認識したらしく「クリア!」と叫ぶと銃を構えたまま体の向きを変え他方向に向っていく。
「「「…………」」」
成り行きを見守る二人と二体。
床に転がっている残骸に立ち止り銃口を向けてから「クリア!」と叫び、次へと向かうアンドロイド。
「どうやら捕縛されていたようです」
足元に転がる「繭」の残骸に目を向けながら呟いた。
「捕縛? えーーと色々質問してもええ?」
「どうぞ」
「先ずあいつは?」
未だに周囲警戒しながら叫んでいる奴をチラ見する。
「マスターが作られた防衛用アンドロイドです」
「ほう」
身長は170cm程の中肉中背。鉛玉が主役であった時代の軍隊を彷彿させる茶系統迷彩色の服装と装備。
ヘルメットの下にある顔には迷彩ペイントが施され、腰には銃の交換用カートリッジとサバイバルナイフが。
──ってゆーか、白色の廊下に茶系の迷彩服って逆に目立つやろ。こん場合は雪中行軍用の白系統ちゃうの?
「サバゲーマーやな、まるで」
「まんまや」
KYで中途半端な服装から二人の目にはそう映ったようだ。
「で、何で捕縛されとったん?」
捕縛していた繭? を丙は簡単に切ったように思えたが……
「彼らでは捕縛に使われていた物質に抗う手段が無かったようです」
「そうなん? 兄弟なのに性能がちゃうの?」
「はい。我らは万能型。彼らは迎撃型。だからこそあの服装なのです。それと機能だけでなく搭載されているAIにも差がつけられているようです」
「そーいえば甲と丙でも差があるもんな」
「丙だけにへーー」
「お、上手い! で、アレどうする? あのままかい?」
全員の視線がサバゲイマー? へと向けられる。
「彼の場合は目標物が無くなれば大学に自動帰投するのでご心配無く」
「「へ? 大学?」」
「はい。一応設定上は現役大学生、となっていますね」
「「…………」」
「他には高校生もおります」
「そ、そんなメタな設定いらんわ! それよりランを」
「お、そうやった! ほなら行こう!」
やっとのことで移動を開始した。
そのころの司令室内。
跳躍での猛攻もシェリー姉妹とワイズのお陰で散発的へと移行していたのでだいぶ余裕が生まれていた。
とは言え通信やレーダーは途絶しており見えている範囲外の状況は未だ掴めずにいる。
殲滅出来た敵は多く見積もっても、全域ではまだ三割にも満たないだろう。
この状況で自分に出来る事と言えば部下達を信じて待つだけ。
何とも歯痒い状況。
それはこの場にいる班長達も皆同じで、宇宙に意識を向けつつも同じ班員同士で集まり敢えて役割を分担し合い気を紛らわしていた。
班長達に関しては特段指示を出した訳ではない。
彼女らには「交代で休息を取るように」程度で細かい指示は一切出していない。
本来であればBエリア基地なのだからBエリアの班長達が仕切れば済むのだが、生憎とエリア主任も含めて誰も居らずにもぬけの殻状態。
そこに先行したCが到着、不在を見事勤め上げたとのこと。
探索部の基地はそれぞれレイアウトが異なる。
レイアウトの決定権はエリア主任にあり機器類はどこも共通。座る場所さえ間違わなければやる事に変わりはない。
自分がここに来た時には先行したCエリアの班長達がいたのだが、まるで自分達の基地であるかの如く落ち着いた様子で作業をこなしていた。
なので自分の部下達に充分な休息を与えれた。
その後、彼女達にも探索者同様、交代で休息を取らせる。
出した指示と言えばそれくらい。
ただし、臨時編成でお互い慣れていないのでどうしても意思の疎通に遅延が起きてしまう。
そんな状況下、Aエリアが来てくれた。
Aエリアには各エリアの班長を育ててくれた指導役がいる。
長年アトラスの下、Aエリアで役割を果たしていた彼女らが加わったお陰で、変な気遣いも無くなり安心して任せられる雰囲気へとなっていた。
だが基地が囲まれ周囲の状況が分からなくなり、しかも敵性アンドロイドに侵入されると雰囲気が一変してしまう。
張り詰める空気の中、突然一人の班長が大声を上げた。
「しゅ、主任! 緊急事態発生! あれをご覧下さい!」
「ん? どうした? …………へ?」
名を呼ばれたハンクは思いもよらない、あり得ない光景を目撃、つい間抜けな声を出してしまう。
全員の視線の先、壁面モニターに映っているのはあの正体不明艦がいるであろうドック。
表示上は「アリス艦」と「エリス艦」と艦名だけ出ているが、迷彩を掛けたまま未だ姿を見せず、肝心の情報連結を始める素振りすら見られない。
ハンク的には既に敵認定しているので、基地側からも情報遮断を行っている。
勿論侵入者達に対しても同様な対策をしている。
そのドックの中央付近に開いたままとなっている黒い穴に侵入していたアンドロイドが列をなして続々と引き揚げている様子が映っていた。
引き揚げてくれるなら不安材料が一つ減るだけなので大歓迎。問題はそこではない。
列の中ほどに見た事がある三名がメイド二名に先導されているではないか。
しかも一名は意識が無いらしくあのメイドに大事そうに抱えられていた。
「天探女主任! 状況説明を!」
慌てて呼び出す。すると直ぐに音声のみでの反応があった。
「……ほう。見せるのか」
「何を感心しているんだ! 探索者が二名捕まっているぞ!」
「気にするでない」
「なっ⁉」
「これも作戦の内じゃて」
これはハンク達を抑えるための嘘。
これを企てているのは天探女ではなく別の者。確かに嘘なのだが、余計なことは一切言っていないので騙した内には入らない。
片やハンク達は気を失って抱えられたリンとその脇を力無く歩くラーナを見て捕縛・連行されている、と見えてしまった。
それは司令室内の班長達の慌てぶりからも分かる様に、周りを武装したアンドロイドに囲まれて普段から笑顔を絶やさない者が沈んだ表情で力無く歩いていれば、彼女の性格を熟知しているエマでさえも勘違いしてしまうだろう。
「い、いいのか行かせてしまって……」
作戦と聞き、この状況は想定内と頭の中では理解をする。だが心の中では葛藤が巻き起こる。
「作戦が破綻しても困る。決して変な気を起こすでないぞよ」
これは見守っている者全てに対しての発言。
ノアが本人達に内緒で交換した宇宙服は、以前Cエリアでエマ達に与えた物と同等品。作った当時、思い付く範囲で完璧を目指して設計したが、元の専門は生物分野であり物理分野に関しては専門外であった為、残念ながら弱点も存在していた。
完成した宇宙服は見た目や主な機能は通常型と変わりはない。なので改造を知らなければ弱点に気付かれる恐れは限り無く低いし、弱点を攻められる状況になる可能性も当時は考慮していなかった。
だが何処かで情報が漏れたが為に、敵は前もって対策を立てた上でその弱点を見事に突いておりその結果、妹はいとも簡単にやられてしまった。
つまりシッカリと対策を立てた、こちらの予測の上をいった襲撃。
司令室には基地に関する権限が集中しており、その気になれは妨害程度ならば造作もないが、もしハンク達が妨害行動に出ても、阻止するどころか良いように手玉に取られ、余計な事態に陥る恐れがあるのだ。
とは言え代理権限はまだ自分が保持しているのでいざとなったら妨害の妨害は造作もないが、見られてしまったからには何かしらの説明は必要だし、誰かしらが責任を取る必要がある。
結束が強い探索者にアリス達の目的を告げるという選択肢はあり得ない。今、仲間に対して疑心暗鬼を招くような発言はするべきでは無い。
それはサラの努力を無にする行為に他ならない。
この場合、憎まれ役自分が最適であり、目的を知りながら容認した自分しかいないし避けられない義務と考える。
リンとは接点は無いが「あの方」の念願を叶えるには欠かせない存在。
思惑がどの方向へ進もうが結果が出たら責任は取らざるを得ない。
大きくため息を一つ。
すると視線を感じたので脇を見ると……
「ん? 何じゃその目は?」
「……ふっ、何でもない、ぞ」
ジト目でこちらを見ているのに気付く。
──ミアとは違い察しがよいの。
悔しさ半分嬉しさ半分。
建前ではなく、本心を見透かされた気がしたのでノアの頭に手を乗せて愛情たっぷり丹念に髪をクシャクシャにしてあげる。
天探女の手を払おうと両手をバタつかせるのを上手く躱して親子のスキンシップを楽しんでいると、例の二艦がドックから出ようと動き出したのに気付く。
その動きと同調するように無人であるリン艦、さらにカルミア(ラーナ艦)までもが移動を開始、ドックのハッチに潜り込んでいくのが見えた。
──さてラーナや、後はお主次第じゃ。
途中で覗き見は止め、娘を揶揄うのに専念した。
『応答を願う。こちらは整合部』
通常通信の音声のみにて事務的な、だが力強い雰囲気の男性の声が聞こえてきた。
発信元はドリーを包囲している金色に輝く艦の一つ。
「……何用かな?」
一呼吸、間を空けてから答える。
『貴殿は?』
「わしか? 我が名はアトラス」
『……Aエリアの主任、でしたか』
「して何か御用かな?」
『突然の来訪、ご容赦願いたい』
「内容にもよる。見ての通りここは今は死地と化しておるからな」
こちらもあくまでも事務的に感情を抑えた話し方。整合部がこのタイミングで現れた意味が掴めない状況で、余計な情報を与えるのは悪手と思われたので。
『其方の現状は理解している。そしてアトラス殿ならば我々の立場も理解されておられる筈』
「だと良いがな。それで天下の整合部が大挙して死地に訪れるとは。方針が変わったのか?」
改めて立場を宣言しに来た訳ではあるまい。
一分一秒が惜しいこの状況下、問答している時間はない。もし冷やかしに来たのなら「探索者特権」を遠慮無く行使する。
『ええ。我が組織は今、正に変わろうと……いや本来有るべき姿に変革している最中』
「?」
意味が分からない。
だが部内で「何か」が進行中なのは読み取れる。
『ただ今はまだ「その時」ではない、がこの場に集った者達は、この事態を見過ごせる筈も無い』
「…………」
『部の方針が定まるまで、我らは今まで通り、今の探索部と志を同じく、無垢の民達を守らせてもらう』
「……ほう」
『そちらの邪魔はしない。貴殿らは貴殿らにしか成しえぬ事に専念して欲しい」
この者達は何故探索部が戦っているのかを知っているようだ。
整合部の事情なんぞ、誰も知らない。
だから「何か」は分からない。
ただ少なくともこの領域にいる艦は「今は」敵では無いらしく、部の方針から逸脱しない範囲で手を貸してくれるようだ。
今は猫の手でも有難い。
部の方針が定まる前に出来る限り手伝わせよう。
「了解した。では残骸を任せる」
『御武運を』
そこで通信が切れた。
「皆、聞いていたな。これより反撃を開始する。それぞれのペアに受け持ちエリアを設定するので思う存分暴れ回れ」
「「「了解!」」」
探索艦には動く敵を当たらせる。
破壊後は整合部に任せる。
整合部は残骸の数が半端でないのを「覗き見」で知っている筈。その上で引き受けたのだから任せて問題ないと判断した。
「最多撃墜数のペアにはワシの権限で休暇と特別ボーナスを約束する」
「「「ヨシャーーーー‼︎」」」
「かかれ!」
ロイズとルークを残し、一斉に流星となった。
「あ、兄貴……ルークの兄さん?」
「……ん? ここは?」
目を覚ますルーク。
目の前にはロイズの顔が。
「今まで気を失ってたんだ」
「そうか。また情け無い姿を晒してしまった」
体を起こす。すると着替えているのに気付く。
「……いや、これじゃ今までと何ら変わりが無い」
再び目を瞑ってしまう。
ルーク艦内なので他人に聞かれている心配はない。
だからと言って気まずい雰囲気の中にはいたくない。
「そういえばルイスの兄さんはどこに?」
「アイツは旅に出た」
「……はい? 旅って旅行?」
「俺もアイツも自分にしか…………役割を果たすのみ」
「役割?」
「そう……無骨な俺では務まらない役割」
「えーーと」
再び会話が噛み合わなくなってきた気がする。
「お前達もそうなんだろ? ロイズ」
「え?」
気付いたらジッとこちらを見ていた。
「え? お、おいら? なにが?」
「だからこそワイズはアリスを、お前は椿を選んだ。そうなんだろう?」
問い掛けにピクリと反応。
対するルークは瞬きもせず、目も逸らさず。動かしているのは口だけ。
「…………」
「俺達兄弟は寄り道をし過ぎた。周回遅れを挽回するにはそれ相応の代償は払わんと、な」
「……兄……貴……」
「俺様は大丈夫だ。体だけは頑丈だ」
「……ちっと違うんだな」
顔を背け頬をポリポリと搔く。
「……何処が違う?」
「全部」
「全部……そうか……ふっ……ふはははは! ロイズ!」
大笑いし出すルーク。
「へ? 何?」
「お、お前成人したんだよな?」
「へ? ま、まあ一応」
「よし! 飲むぞ!」
「へ? 飲む? 酒?」
「そうだ。野郎だけで、な」
「へ、へい……」
「男と男の約束だぞ」
──その言い方、何かフラグっぽい。それと多分勘違いしている……よね?
先ずロイズが言いたかったのは「椿とアリス」を選べた訳ではない。生まれる前から決められていた。つまり自分達に選択権は無かったのだ。
遠くない将来「椿」の下へ送られるのは知らされていたが目的の説明は最後までされず終い。
さらに兄弟が探索部本部で再会するまで、兄も弟もお互いの行き先を話すのを禁じられていた。
そして時がくると説明無きまま椿の下へ一人で送られた。
その際、特段指示があったワケではない。
言われたのは「暫くの間、椿と一緒に暮らすこと」とだけだった。
成長に伴い「視野」が広がると分からなかった「四賢者」の思惑が見えてくる。
多少不満が残るが「今は」概ね理解はしているし、ある程度の期待には応えられただろう、と思っている。
なかでも、一番期待されていた部分は同年代? の「友人という立ち位置」だったのではないか、と今は考えている。
義務感で形作る関係よりも、自然と友人になるのが望ましいとの配慮から目的を告げなかったからだと。
その上でロイズ兄弟がどの様な行動をとるかを見極めたかったのではないかと。
四賢者からの「贈り物」に対して椿とアリスは趣旨を理解した上で素直に受け入れた。
二人とも友人として受け入れた。
ただ企画した者達の思惑通りにはいかなかった。
椿はどうしてもその気が起き無かったので、友人以上の関係には発展しなかった。
因みにその欲求が紆余曲折を経て「エマとエリス」へと向いてしまったのはこれらが原因。
兄であるワイズがエマにちょっかいを出すのも途中経過は全く違うが根本は一緒。
エリス(椿)に関しては自業自得ともいえるがエマは完全な被害者と言える。
さらに「違う」のは歩んできた道程、そして役割。
その部分を指摘するつもりはないし、誇るつもりもない。
ロイズからしてみれば、苦労をしてきた覚えはないし、マイペースでそこそこ楽しく過ごせてこれた。それはこれからも変わることはないだろうし、今後もルークの様に真剣に悩む姿は思い付かない。
だから「違う」とハッキリ断言したのだ。
それとルークがどのタイミングで誰からその情報を仕入れたのか少しだけ興味が湧いたが、探索部員となった今は過去の経緯を踏まえた上で目の前の敵を殲滅に専念するしかない。
「よし行くぞ! お前は自分の艦に戻れ!」
「う、うん。その前にルークの兄貴?」
「何だ?」
「無茶はしないで欲しいんだな」
「お前が宇宙服を着せてくれたんだろう?」
無言で頷く。
「ならもう心配はいらない」
「いやいや、ホント無茶は止めて欲しい……」
「違う。探索者として振る舞う。お前に先輩として見本を示してやる」
「……了解」
安定しない言動に一抹の不安を抱きつつ、後ろ髪をひかれる思いで自艦へと戻って行った。
*だからこそ……作成者のポリシーから「目立って敵を惹きつける」といった目的がある
*今話の天探女とノアとのやり取りで、以前ノアが「素直じゃないな」と感じたのと同じ雰囲気を今の天探女から感じた為に起きたやり取り。
次回は11/10迄には投稿します。




