エリス先生? サラ発見!
アレもこれもと追加してたら手直しに時間が掛かってしまった。
「それでこちらに小惑星は?」
「小惑星~? こっちには現れていないわね~」
「違うものがやって来ているがの」
「「「違う物?」」」
「敵艦だな」
「「「敵?」」」
「約百万」
「「「ひゃ、ひゃくまんーーーー!」」」
残留組であったシェリーに注目が集まる。
すると「大したことは無かろう?」と澄まし顔で頷いてみせた。
今回はシェリー一人で殲滅したのではないと理解しているが、想像も付かない数を聞かされ思考が停止してしまう。
「小娘はわらわに付いてくるのじゃ。他の者は暫しの休憩を取るが良い。休憩後はハンクの指揮下に入って貰う」
「……何用、だ?」
静かになった所で呼ばれたノアは警戒心を露わにし、天探女に対してファイティンポーズを取り身構える。
「ノアちゃんに〜相談があるの〜」
「……ラーちゃん?」
出発前とは違うラーナの微妙な変化を感じ取り警戒を解くと改めて向き直る。
「そう言えばお姉様、お怪我は?」
「艦を操る分には支障ない。それよりシャーリーや皆は?」
「帰還途中、繋がりで一報を入れた通りで今のお姉様よりかはマシです! 筋トレとか走り込みとかはまだ無理ですけど」
「「そうそう」」
同じ仕草で頷く空色宇宙服の姉妹。
「二人は怪我をしていなくても無理じゃない?」
「「うっ!」」
その通り。なので反論出来ない。
「でもエリスのショック療法が結構効きましたよね~」
「「「うん」」」
言った本人も含め対象者は赤面しながら頷く。
あの時、中で何をされたのか、誰も言わないので未だに謎。
「ランラン~~リンリンお腹空いたのね~~」
ステラから付かず離れずの微妙な距離でお腹を擦りながらピクピクと動く猫耳の観察を続けていた。
リンは自らの欲求を満たすためだけに、許可無く直接触れるような、他人が嫌がる事は絶対にしない。
自由奔放に見えるリンでも人並みの常識の持ち主。ただ可愛い妹第一主義なのと気分屋な面が強いので誤解され易いが最低限の礼儀作法は持ち合わせている。
皆もそのことを知っており、一切触れないで見ている姿にリンらしさを感じて心が和んだ。
「はいはい、それではお食事にしましょう!」
「「「賛成ーー!」」」
緊張が全く感じられない笑顔で、天探女とラーナとノアを残して転送装置へと向かって行った。
・・・・・・
「えーーと……」
「ここで〜?」
「何も……無いね」
「大丈夫、問題ナイ」
エマ達四人は次の目的地であるとある区域にやってきた。
データによると、この区域は主星を中心とした教科書に載っているような星系は既に存在せず、薄暗い複数の白色矮星と何十光年にも及ぶガス雲が広がる区域となっている。
このガス雲は何万年も前に、数十光年と比較的近傍にあった複数の大質量の恒星が、ほぼ同時期に超新星爆発を起こし、自らを構成していた元素を噴き飛ばした物がお互いに接触・混ざり合って出来たモノ。
その証拠に目視出来ない程に暗くなっている白色矮星が複数残されていた。
ただ離れた位置から見れば彩鮮やかな塊に見えるガス雲だが近付くにつれ暗くなり、さらに密度は見た目ほど濃くないのが良く分かる。
それでも他のありきたりな真空空間とは比較にならない程に周囲は明るい。
それは白色矮星が発している放射線と飛散している様々な元素が反応しているから。
そして周囲数光年には惑星と呼べる物もない。
こちらは惑星を構成していた物質を、爆発前の肥大化の際に吹き飛ばされたか蒸発させられたかで元素に変換されてしまったので跡形も無い。
その区域内で一番濃い区域、散らばる白色矮星の中央付近へと直接跳躍してくると、エリスの先導で更に内部へと潜って行く。
「丁度この辺りだナ」
「ここ?」
球体モニターには艦にぶつかる数々の元素が認識出来るほどのガス雲を突き進むと突然何もない広大な空間へと出た。
ここはガス雲の中だというのに、何故か何も無い円形な空間が存在していた。
先頭を進んでいたエリス艦がその空間の中心部付近で止まる。
「ここは〜?」
何も無い空間。
四方八方からガスが飛んで来ている筈なのに空間が保たれている不思議な区域。
「もしかしてここで? 地上じゃなくてもいいの?」
「構わナイ。力を回収出来れバ」
「「回収?」」
聞いた事のない単語に思わずハモった。
「ん? まだ教えていなかったッケ?」
首を傾げて思い出そうとしている。
エリスからは「思い」に関する以外は何も教えて貰っていなかった気がする。
「仕方ない。ならエリス先生が教えてあげヨウ。よーく聞きやがレ」
「「「…………」」」
ドヤ顔のエリス先生。その顔のまま得意げに説明を始めた。
「コッチとアッチの世界は重なっているんだナ」
「コッチとアッチの世界? 重なる?」
コッチとアッチとはこちらとアリスがいた世界を言っているのだろう。
「共に安定していた空間だったケド、突然空間の「同位現象」が起こり始めたんだナ〜」
「同位? 何それ」
「簡単に言えバこの宇宙と同じ空間にもう一つの別の宇宙が重なって存在していてイルんだな。二つはお互いを見る事も触れる事モ、認識も一切出来ない世界。ダガ突然その絶対に交じりあう筈の無い宇宙が繋がってしまう現象が起きてシマッタ。それを「同位」と呼んでいるノダ」
「…………重なる? あっ! でも私には見えたよ⁉︎」
ドリーのバイオロイドで目撃した基地。
あの時は普段ドリーから見ているのと同じだった。
「成程。繋がっていたからこそ認識出来たのかもナ」
見えたのはそんな理由だったのね。
ならシャーリーにも見えてたのかな?
「「同位」が起こった「点」でハ、一方の世界を構成していた空間がもう一方へと瞬間転移するカノように流れ出してイク。大抵の場合は「点」の大きさに関わらズ直ぐに閉じてしまうケド、適切な処置をしなけれバ数も大きさも、開いていル時間も次第に大きく、そして増えてユク。終いには至る所で「同位」ガ起きて空間を維持できなくなってしまうノダ」
「じゃ、じゃあ昨日のも?」
「アレもそう。今では小惑星が通れる程ノ大きさと閉じるまでにかなりの時間が掛っているんだナ」
「因みに桜を生還させるのに利用するのよね? それは「思いからくる力」の方だよね?」
「その通り。正解ダニ」
「「「…………」」」
エマは二人を見る。
その際、菜奈が訴えるような目をしているのに気付く。
その目を見た瞬間、ある出来事が思い浮かぶ。
エマの表情の変化に対し、菜奈は頷いて見せる。
──そうか、あの時言いたかったのは……
エマの変化に気付く事なく先生を続ける。
「ダガまだ間に合う筈だゾ。前回、桜とアリスがお互いに保持していた「力」ノ何割かを開放したのデ「不足している分の力」を適切に解き放てば「消失現象」は収まる筈」
「ちょっと待って!」
「何ダ?」
「桜には「消失を治める力」は残っているの?」
「……確かめる手段がないのデ分からナイ。多分殆ど残っていないカモ。だからこそお前達の出番なんダ」
エマとエリーを交互に見て言った。
「もう「贄」としての椿と桜には期待するナ。そしてエマ」
「?」
「だからこそお前が世界を救うんだゾ」
意味深げにエマを見る。
「う、うん」
「デ、話を戻すが「消失現象」が起き始めてカラ数は限られるが常時「同位」している場所ガ存在しているダナ」
「「え?」」
驚くのも無理はない。
今の説明通りなら以前から先日の様な影響が何処かで起きていることになる。
そんな状況になっていれば誰かしらの耳に入ってきても良さそう。
「ソノ場所では元となる空間に影響を及ぼさない範囲の流れデ、僅かずつ相手側へと常に流れ込んでいるのデ、専用の機器が有れば見付けるのは比較的容易なんだナ」
「影響を及ばさない? それってもしかして~」
「そうダ。「遺跡」がある場所で、あちら側からこちらへと空間がエネルギーとなって流れ込んでいる場所だ」
「そーゆー理由だったんだ。なら私達の役割はそのエネルギーを向こうに戻すってイメージでいいの?」
「またまた正解ダ。因みに二百年前に行われた子供が参加した実験ハ全て「同位」している場所で行われたようダナ」
「ってことは結構な数が有るってことよね?」
最低でも参加ペアの組数はある筈。
「その通り。宇宙全体から見れば僅かダガ、人類にとってはものすごい数になるゾ」
「質問があるんだけど今まで「遺跡」があった惑星は双子惑星ばかりだったんだけど」
「地表デハ何故かその条件でなけれバ見付けられなかっタ。シッカリと調べれバ理由を見付けられたかもしれないケド、時間モ無かったシ実験体に必要な数が揃っていたのデ追求はしなかったみたいダナ」
「そう」
「大人ならまだしモ、子供に真空空間で実験させるのハ到底無理な話。当時は探索艦も無いシ、地表デしか実施は行えなかった。デ、ここは「地」が存在しないカラ当時の実験の対象外となった区域なんダナ」
「……ここを選んだ理由は?」
「「遺跡」ガある場所よりも効率的に「力」を溜められるんダ。だから今のお前達にハ最適というワケ」
「この空間に溜まっているの~?」
「その通りダ。そしてここは見ての通りエネルギーが拡散されズに溜まってイル。近くに白色矮星と言う高重力帯ガあるにも関わらずに、ダ」
「エリスはここにいて問題ないの?」
「問題とハ?」
「贄ではないんでしょ?」
「そっちの心配カイナ。昔は何がどう影響を与えるか分からなかった故に実験体シカ参加させなかったようダネ」
「いても問題ないのね?」
「アア、問題ないカラ気にするナ」
「そこは分かった。で宇宙空間に出るの?」
「イヤ艦内デ問題ない」
「そうなの?」
「探索艦は「力」ダケは通す仕組みになっているカラ」
「「へ~~」」
「ダカら今直ぐ集中シロ」
「「分かった」」
菜奈も同じく目を瞑り集中を始めた。
・・・・・・
Aエリアでローナと別れた菜緒は指示通りに、自身初であり人類にとって母星となる「地球」がある太陽系へと単身やってくる。
菜緒は「四賢者」と称されるAIが置かれている、地球の衛星である「月」へ直接跳躍したつもりだったのだが、跳躍を終え現れた区域は探索部本部が置かれてある区域、つまり太陽を基準とした地球と火星の公転軌道の中間地点で小惑星帯があるアモール群の手前であった。
疑問に思いセバスチャンに聞いたところ、いくら「特別な招待客」でも所属部署である探索部本部より内側への直接跳躍は何人たりとも禁止されている為、この区域で一旦止まる決まりとなっているとのこと。
この区域に来るのは当然初めて。
基地から出る機会も少なく、出れたとしても受け持ちである自エリアの範囲でしかなく、さらに仕事でしか出た事しかない。
今更ながら忙しい日々を送っていた、と思う。
気を取り直し、決まりならば致し方ないと思いつつ、進路を地球へと向けさせる。
かなりの速度で移動してゆくと巨大で真っ黒な建造物が三つ、モニターに注釈付きで映し出された。
その途端、艦の進行速度が急激に落ちゆっくりとなる。
この辺りでは決まり事に従う為、セバスチャンに一任してあるので速度低下に対して疑問には思わない。
迫りくる一片の長さが数kmにも及ぶ巨大な建造物。
それが三つ、お互い百km程度の距離を保ちながら太陽方面から縦列にて浮いていた。
一番手前、火星寄りの建造物は自らが所属する探索部。
その先には情報部。太陽寄りの建造物が整合部。整合部の周りにはキラキラと何かが輝いているがここからではそれが何なのか分からない。
探索艦としてはかなり遅い速度で進む。とはいえ数百kmを一分も掛からず駆け抜ける。
すると数キロにも及ぶ大きさの建造物が見る見る近付いてくる。
巨大な探索部本部の脇に差し掛かる。
明かりは一切見えず、まるで中に人が居ないかの如く何の反応もない黒い箱。
──何も言ってこない。
本部は自分がここにいるのは当然知っている筈。
この区域は緊急時を除き、訪問者に対して数々の禁止行為が存在しており、情報遮断や迷彩は勿論、アポ無し訪問も論外。
こちらから申請して来た訳では無いので何かしらの反応があっても良さそう。
さらに探索部本部に対しては延滞無く情報連結が行えているので、皆で社員旅行に行ってるからお留守、等のオチも無い。
なのに所属艦がそばにいるに何も言ってこないのは可笑しい。
これらの事から、探索部の「長」とも事前に話が付いていると推測出来た。
今は目的があってここに来ており時間も限られている。何も言ってこないならこちらから接触はするまいと菜緒も黙りを決め込む。
何事も無く過ぎると次に情報部本部が迫ってくる。ここも探索部同様に真っ暗な箱で代わり映えがない。
だが丁度真横に差し掛かると今度は自艦に向け突然電波を浴びせられる。
その電波は一般には受信すら不可能な政府特殊部門専用方式で、さらに指向性通信にて送られてきたので菜緒に対して意図的に送っていると思われた。
すると空間モニターが開き、電波の正体がメールであったと教えてくれる。
メールのレベルは「中」の機密扱い。つまり他言無用で己の中だけに留めておけと。
差出人は「情報部」とのみ。
何処の部署の誰が、などの記載は一切なし。
予めローナから「招待の件」を聞かされていなければ開くのを躊躇っていたかもしれないが、今は不安はあるが迷いは無い。
早速開いてみる。すると、
『 信念に従い探索部員として使命を全うせよ 』
とのみ。
もう一度見直す。
それから暫く考えこむ。
そしてある事実に辿り着く。
──成程「使命」か。これを送らせたのは情報部の「長」本人ね。
情報部に関しては「主任代理」と言う立場から接点はあったが上位の者と会う機会は無く余り詳しくは無い。
ただハッキリしているのは探索部とは違い、何処に行っても必ず一人は存在していると言える程の巨大な組織。
その様な巨大な組織だが昔とは違い、今の時代では上位にあたる将校の数は組織の大きさに反比例して少なくほんの一握りと思われる。
今回の目的は「総本部」である「月」にいる四賢者との面会。
その四賢者と接点がある情報部の長。
組織のトップである「長」と接点がある者は更に限られる筈。
その「長」と関わりがあるローナの情報部内での立場はかなり上。
自由に動けて他部門と交渉出来る階級と言えば最低でも少佐以上。
ただ少佐だと裁量権が限られてしまう。
なら中佐か大佐のどちらか。
──まあ、あの人の才能や立ち位置、さらに年齢を考慮したら中佐辺りか。流石に大佐ではないだろう。
──それと本来ならこの一つ手前で聞かせられるべき文言。何故自分達の「長」ではなく情報部の「長」なのか? もしかして「長達」にも部を超えたそれぞれの役割がある? しかも「探索部員として」と。洒落た言い回しだこと。
探索部員の気質を擽る言い回し。
「探索者特権」の真の意味を考えろ、と。
つまり誰一人として仲間を見捨てるな、と。
──約束が無ければローナさんの誘いに乗っていたかもしれない。
返答を期待する内容では無かったのでそのまま通過すると次の整合部が見えてくる。
近付くと先程キラキラと輝いていた物の正体が判明する。
「整合部の……艦」
まるで「金環日食」が終了を見ているかの如く増大してゆく金色の光。
探索艦の二回り程の大きさの、金色に輝く球体が計六つ、本部を囲む形で浮いていたのだ。
整合部の艦を見るのはこれで二度目。
前回は戦闘もあったのでジックリと見ている暇が無かった。
ここでふと疑問が湧く。
──何故正体を隠さないの?
整合部は探索部以上に秘匿・特殊性が高い部門。
探索部でも大半の者が知らない程機密性が高いのに今は存在自体を隠そうともしていない。
この位置だとその気になれば「地球」からの観測が可能な状態で覗けてしまうというのに。
しかも金色。
探索艦のように見た目小さな白色なら迷彩の役割を果たすというものだが、ここまでデカくて形が分かる金色は余りにも目立ち過ぎの気がする。
その整合部と言えばサラ主任。
Cで別れたきり全く音沙汰がない。
──まさかとは思うが努力が実らなかった?
だが失敗だと仮定してもこの整合部の変化には違和感を感じる……
結局、整合部の艦や本部も探索部同様無反応だったので何事も無く通過してしまう。
ここから「月」から三光秒の距離まで一気に加速、そこから一分程かけて地球から見て月面の裏側にある巨大施設のそばへ。
現在は丁度逆光となり可視光のみで見れば月面は真っ暗。その暗闇の下の地表は見えないが、可視光以外を利用すると昔と変わらずの凸凹とした大量のクレーターが見えてくる。昔から変わらないその姿に何も無い様に見えるのだが地下には直径十km程の月面都市が広がっている。
この地下都市こそ政府特殊四部門を統括しており、政府から「消失」に関する全権を与えられている、「四賢者」と呼ばれているAIが置かれている。
昔からこの区域は何人たりとも侵入禁止区域扱い。椿の研究所を除けば世界で最もセキュリティーレベルが高い区域。なのに見た目には警戒機器類は一切見当たらない。
何故なら故障や誤作動があり得ないAIに完全管理されている今の時代には間違ってもここに辿り着ける人工物は存在しないし、無機質の岩石や彗星の類いも数世紀前には全て排除し終えてあるので特に警戒を必要ではないからだ。
そして全人類の一握りの者にしか知られていないこの地下都市には人を含む生物は存在していない。
日頃のメンテナンスはアンドロイドやロボットが行い、物資の定期補給も人は一切介さずに行われている。
これは科学が進んだ今の時代では一見すると当たり前に思えるが、実は大変珍しい部類に入る。
例えば物を隣の星系に送る時に輸送機を用いるが、特殊な例外を除き必ず人が同乗しなければならないといった「どこかの工程で必ず人が関わる」という決まり事がある。
この方針は人類が宇宙空間に進出して行った時代に決められた約束事。
それは政府特殊部門である探索部も例外ではなく、輸送艦には誰かしらが搭乗する決まり。
(勿論明確な目的があって定められたのだが、説明し出すと(かなり)長くなるし、あまり関係ないのでここは割愛)
だがここは計画が進み始めてから現在に至るまで、全て機械任せで人の介入を許してはいない。
それには理由があった。
ここの設立を主導した男女四人がとある理由により「人が一切介在出来ないシステム」を目的として造り上げたから。
それから約二百年。
政府に対しても「あの方」に対しても、そして管轄下にある四部門に対しても表向きには中立を守り介入を控えてきた。
時が来るまでは。
因みにその四人の意思や目的を知っている者は今も昔も僅か二名のみ。
一人は「四賢者」の部下だった女性。
もう一人は金色の髪で十代の幼き少女。
月面都市の直上に差し掛かると突然空間モニターが開く。そこには菜緒がよく知る人物が。
「良く来てくれた、菜緒」
「……さ、サラ主任」
探索部の制服を着た、ひと目見ただけで分かるくらい不機嫌そうなサラの姿がそこに映っていた。
このペースなら年内完結出来そうダニ。
次回は9/18までには投稿します。
*修正作業はまだ継続中です




