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未来か過去か⁈ そんなの私には関係な〜い!  作者: 想永猫丸
それぞれの思いの終着点
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混戦! 迷い? あの時の真意!

 ノア先生! やっと「ぐーぱーぐーぱー」を出せます!

 ってそれ言ったのいつだっけ⁈

 もうずいぶんと前の気がする……


*2021/9/15

Aエリアでの戦闘の描写「質量兵器」→「僚艦」に変更しました。

 周囲の破片を、以前エマがソフィアの艦の残骸を集めた際に使用した同型機を基地から多数出し、艦の反重力炉を作動させた際に漏れ出る重力振動をフル活用し一か所に粗方纏め終え皆が一息ついた頃、突然基地の一画に閃光が走り、内部に音と振動が伝わってくる。


「な、何? 今のは?」


 指令室迄その音と振動が伝わると班長達が直ぐ様反応、一斉に空間モニターで確認を始める。

 正面壁面モニターは既にレッドアラート状態で色々な警告表示が並んでいた。


 それによると、

『基地外装破損。損傷率0.0012%。現在は復元済』

『破損理由は外部からの超高圧力によるもの』

 との表示。


「「「…………あ! 跳躍!」」」


 ここAエリアにもCエリアでの大攻勢、さらに敵の戦法はローナ等から情報連結にて伝わっており、全員に情報共有が成されている。

 当然その時の映像やデータも見ている訳で、ほぼ同時に全員の脳裏に同じ答えが思い浮かんだ。


「基地・艦共に感知せず! 間違いありません!」

「戦法を変えてきたか? しかもこのやり方は少々不味いの」 

「どうしますか? アトラス主任!」

「0.0012%かい……嫌な値と思わんか?」

「はい。敵の戦力はいくらくらいとお考えで?」

「ワシの見積もりでは最大で約五百万」


「「「…………」」」


 そう、()()調査部が保有している艦の数は「公式」には約百万隻。

 今、撃破した六十万隻と先日のCエリアの分を合わせたら残りは約三十万隻。


 Aエリア(ここ)以外にも分散して押し寄せているとすれば敵はほぼ残りはほぼ0。

 単純見積もりならば数は合っている。


 だが皆は知らないが実際には各基地を襲っている艦を含め、既に「公式上の艦」はルイス兄弟の活躍により殲滅済みなので存在していない。

 今襲ってきている敵調査艦は実は非公式扱いの艦。

 その非公式の艦が次から次へと湧いて出ているのだ。


 それはどんなカラクリなのか?

 どうやって用意したのか?


 以前にも説明したが、昔「消失現象」が始まったことにより、目的の惑星を探すという名目で急遽調査艦の大増産を行った。

 当然だかその艦の建造に必要な建造ドック()大量に建設された。


 当時の最大保有数は約三百万隻。

 その規模になるまで至る所に造られた。

 それこそ天の川銀河内で資源が大量に埋蔵されている区域に漏れなくと言って良い程に。


 昨今ではほぼ目的が達成されているので当時の艦の大半は解体・分解処分されてある。

 一方の建造ドックは一部を残し稼働を停止、記録上は破棄、抹消扱いとなっていたが、それは書類上の扱いで実際の数は一切減ってはいない。


 それには理由があった。

 調査部の「長」の意向で、またいつ何時「消失」に係わる不測の事態が起きた時に備え、再稼働出来る良いようにしておきたい、と。


 そして除籍・解体され分解処理された元艦も同様にキチンと保管されていた。

 またそれらとは別に耐用年数を迎えた艦や任務に耐えられない状態の艦は一定数発生する。

 それを見越して毎年新造艦を建造しているが、入れ替えの際にも予備資材として分解保管されてあったのだ。


 ドックが残っていれば造るのは容易い。

 二百年という長い期間に製造された膨大な数が控えている可能性がある、と。


 ただそれらが再稼働し再構築を開始したならば、不足部品やら特殊な物質を政府経由で入手しなければならないが、再開したという痕跡は情報部には入ってはおらず、当然探索部にも届いてはいない。


 政府以外に入手手段があったとして、情報部にも知られることなく極秘裏に稼働していたとしたら?

 奴らの計画と連動して再建造していたとしたら?


 そう、可能性が現実のものになってしまったのだ。


「整備班長、艦で防げるか?」

「形状・角度にもよりますが毎秒十発なら五秒が限界。来る方向が分かり対処さえすれば一分は持ちます」

「……全探索艦は別命あるまで基地から十光秒の距離で待機。着弾点から推測し弾に当たらぬように周囲警戒せよ」

「「「了解!」」」


「暫く様子を見るとするかの」


 もし一点集中ならその部分の流体物質を分厚くすればいい。

 問題は全方位から来られた場合。

 その場合は艦に動いてもらう必要がある。


 早速移動を開始、指示された区域に着くと、待ってましたとばかりに先程と同じ場所に閃光が。

 今回は危惧した通り同じ箇所に続け様に起こった。


「ん〜?」


 何かに気付いたのかアトラスが首を傾げる。


 止まない音と振動。

 さらに僅かではあるが基地が押され始める。


 壁面モニターには損傷率が表示されているが対策を取っている為、数値に大きな変化は見られない。


 今のところ予測範囲内で収まっているので司令室内は平穏そのもの。

 飲み物片手に作業している班長までいるほどに。


 だがここで新たな閃光が。

 しかも五つ。


「やはり……のう」


 計六箇所同時の調査艦の同時跳躍攻撃。

 基地周辺には濃厚な高温の霧が発生。その霧が閃光を反射させさらに融解時の熱を帯び基地に纏わりつき始めた。


 段々と恒星化してゆく基地。

 こうなると色々と不便が生じてくる。


「し、主任! 各種センサーがダウン。探索艦との通信も低下しつつあります」


 この程度では通信が完全に途絶してしまうことは無いが一部の電磁波しか使えないので不便が生じるのは確か。

 一部だけでも使える、とはいえ探索艦からの情報だけに頼るのは心許ない。


「よし先手を打つ。艦に指令。ネズミを炙り出す」


 何かを企んでいるのは間違いない。それを眺めて待ってあげるほどお人好しでもない。


「ね、ネズミですか?」


「何処で息を潜めて見ているぞい」


 それには根拠があった。

 何故突撃を多発同時ではなく単発で始めたのか。

 多分実際にぶつけて()()()観察をしたのだろう。



 ──どうやら相手は「石橋を叩いて渡る」タイプのようだ。



「でもどこを探させれば?」


「なに、大方の予想は付いておる。基地から五~七光秒の距離で敵艦進入経路以外の位置を()()()()()探させろ」

「了解!」

「迷彩感知技術はこちらの方が上。しかも改造も終えてある。程なく見つかるだろう」


 こちらが隠蔽迷彩状態で(姿を隠して)近付いたら相手には「威嚇」や「脅威」にはならない。なので敢えて姿を晒した「目に見える」状態で近付けさせる。


 そこからは我慢比べ。

 普通の感性の持ち主であれば自分より高性能な艦が向かってくれば何かしらのリアクションを起こす筈。

 狙いは見えないかもしれない相手に反重力装置を作動させる、の一点。

 優秀な認識阻害や電磁波遮断をいくら行っていても反重力炉を作動させる際に波の様に漏れ出る重力震だけは防ぎようがない。


「二十四号艦、敵を発見! ですが跳躍にて離脱したようです」

「ほうほう」


「あ、敵の攻撃が止みました」



 もう少し抵抗するかと思ったが随分素直に引いたの……



 予想外な行動に嫌な予感がし出す。

 直感に従い直ぐに行動に移す。


「三十四番・三十六番・三十八番・四十番艦の四艦はドックに戻り待機。入り次第全ハッチを硬化させろ。その他の艦は基地から1kmの距離まで後退、ドック部を中心に迎撃体制のまま待機」

「「「りょ、了解!」」」


「戦える全アンドロイドは武装の上、要所で待機」

「りょ、了解! ということは」

「皆まで言わんでよい! 急げ」

「は、はい!」


「それと基地要員は離脱の準備」

「「「え?」」」

「直接乗り込んで来るぞ」

「「「ま、まさか⁈」」」


 司令室内に疑問の声が響き渡る。


「全艦に通達、司令部(ワシ)と連絡が付かない事態ならBエリアに向かえ」


「「「りょ、了解!」」」


 探索者全員が返事をする。


 とのやり取りを終える頃には探索艦全艦指定された位置に到着。

 その瞬間、防衛位置にいた探索艦の脇に行き成り白色の円錐型をした探索艦が現れ、そのまま止まらずにドックのハッチに向け突撃して行く。


 閃光と振動と共にハッチが盛大に壊れる。更に突き刺さった探索艦は強引に穴を広げハッチの全てを破壊しつくしてしまう。

 さらにハッチの自動修復を邪魔する為に船体をドーナツの様に広げ、流体物質を堰止め始めた。

 そこに間髪入れずに調査艦が現れハッチに突入してゆく。


「六番ハッチ破られました! ドック内部に敵艦がメリ込んでいます!」

「先ずは邪魔をしている探索艦()を引き剥がせ」

「敵アンドロイド多数、基地内に侵入! 一部区画に減圧が発生!」

「応戦指示と減圧対応」


「「「キャー―――‼」」」


 指示と同時に叫び声が。


「次は何だ⁉︎」

「敵艦が外の探索艦に、基地に対して水平方向に跳躍攻撃! ドックに近付けれません!」

「ならばアンドロイドの移動を急がせい! それとまだ隠れている探索艦()がおる! 直ぐに炙り出せ!」

「了解!」


「ハッチは任せろーー!」


 勇ましい声と共にベテランペアがハッチに近付く。

 片方が盾となり()で猛攻を防ぐ。もう片方がドーナッツ型の艦を力任せに引き剥がそうとするが相手も反重力炉全開で抵抗し出す。だが性能の差からか徐々に外へと引きずり出され始める。

 ついでに中の「(ひしゃ)げた」調査艦も「腕を伸ばして」アンカーを打ち込み一緒に引っこ抜く。


 だがここで傘の役割をしていたペアが跳躍攻撃に耐えきれなくなり、徐々に押され始めた。

 このままでは僚艦に衝突、敵の攻撃をモロに喰らってしまい、折角捕まえた敵からこちらが引き離されてしまう。


 そこに複数の僚艦が現れ、交代で傘の役割を始めた。


「「「そのまま引っこ抜けーーーー!」」」

「任せんしゃいーーーー!」


 何とか引き抜きに成功、基地から離れると流体物質が直ぐ様ハッチの復元を成す。そこで拉げた調査艦が爆発を起こす。

 さらに調査艦の跳躍弾幕を抜けた瞬間、待ってましたとばかりに四方八方から僚艦が敵探索艦に突き刺さり機能停止させた。


「み、見つけた‼︎」


 隠れていた敵艦を発見、直ぐに二十艦以上が集まるが既の所で逃げられてしまう。



 一方、基地内部では……


「侵入された敵アンドロイド百八体!」

「付近の電源を全て落せ」

「既に落としてあります!」


 これは物理ハッキング対策の為。

 一応ローナより「記憶の欠落期間」にハッキング対策はしてある、と言われていたが念には念を入れて。


「ならばC区画に通じる通路以外の隔壁を封鎖。C区画手前で迎え撃て」


 全ての隔壁を作動させ閉じ込めてしまうと壁や床を破壊し抜け道を作られても困るので。

 何故C区画にしたかと言えばメインAIが置かれてある区画への最短ルートとなっているから。


 因みに内部空間が使えないので他基地の様に中心部付近に重要区画を纏めて置くのは不可能。なので分散設置している。


 基地のアンドロイドは約七百体。まだ充分耐えられる。




 ・・・・・




 Dエリア基地はAエリア基地より早い段階で同じ状態に陥っていた。

 こちらは人数が少ない分、状態はより深刻だった。


「このままでは突破されてしまいます!」

「止む終えない、区画を放棄する。ソフィア、敵がいる区画の外壁の流体物質を移動させる。完了したらそこから質量兵器で速やかに区画ごと破壊しろ。敵ごと外に放出させる」

「りょ、了解!」

「動けるアンドロイドは速やかに撤収! 完了次第隔壁封鎖!」



 第一波は時間は掛ったが何とか殲滅出来た。

 結局四艦の内、三艦まで撃破は出来たが最後の一艦が見つけられずに押し切られ基地から一光秒の距離まで詰められた時点で基地の防衛機構の一つ目が作動、外壁を成していた流体物質が数十個、直径十m程度の球体となって飛び出して高速で敵に向かってゆく。

 そして敵陣の中へと潜り込むと打ち上げ花火の様に小さな球体(小玉)となって炸裂し周辺を火の玉に仕上げてくれた。

 さらに分離した小さな球体(小玉)はまた一か所に集まると他に移動、同じ作業を淡々と繰り返しながら敵の数を減らしてゆく。


 だが敵は減らしながらも進軍が止まず、とうとう0.5光秒の距離まで詰められたところで、暴れまわっていた探索艦が搭乗者の意志とは関係なく強制的に基地から離れ始める。

 すると基地の外壁を形成していた流体物質の一部が一個の巨大な球となって分離し、基地の周りを高速で周回し始めたお蔭で敵をなんとか殲滅出来た。


 この直径三百mの球体は惑星の衛星の様に基地から一定の距離を高速で飛び回り、その質量を生かして物理的に敵を粉砕して行くというもの。

 イメージとしては鎖に繋がれてないモーニングスターといったところ。


 しかも探索艦と同じ物質のため防ぐどころか破壊すら不可能な代物でどんな物も原型すら分からない程に粉砕しまくった。


 だが難点もある。それは大きすぎて移動に使われる消費エネルギーが膨大という点。

 基地の大きさの3割程度と然程大きくは無いが質量は五倍にも匹敵する。

 その移動エネルギーは探索艦の電源や反重力装置でも賄いきれず、基地のメイン電源からの無線供給としか手段が無い。

 なので離れてしまうと即電力喪失となる為、遠距離攻撃には使えず敵が近傍に接近して初めて作動する仕組みとなっていた。



 Aエリア基地に同様の攻撃手段が行われているが、実はこの防衛機構を目の当たりにしたレベッカが作戦を変更、跳躍攻撃に切り替えて試したところ有効と思われたがために、Aエリア基地に対しても同様な手段に切り替えたのであった。



 ハンクは今、迷っていた。


 他基地に比べ探索艦の数が少なく、若い探索者ばかり。

 しかもほぼ休みなしの連戦。

 唯一の救いは未だ誰も怪我を負っていない。

 だがこの状態が続けばいずれは倒れる者が出てしまう。

 しかも第二波は探索者ではなく、探索者の拠り所となる基地の掌握に変更してきた。


 もし基地を失うことにでもなれば逃げ回るか他を頼るしか手はなくなってしまう。


 だがこの先、基地内で自爆攻撃などされたら一溜まりもない。

 誰かを失う前にCエリアと同じくここを出て合流すべきか?

 これが続くなら戦力を集中させた方が策かもしれない。

 合流するなら体制が整っている今の方がお荷物にならなくて済む。


 そろそろ潮時か……

 だが……合流するなら何処に?

 ソニアからCはBに来たと。

 ならAかBのどちらか。


 ウチの者の事を考えたらA一択。

 だがCが合流したとはいえBは探索艦の絶対数が少ない。

 しかもサラはまだ帰還していないようだし。



 ……アイツの相手を俺がするのか?



 心情的には(ソニア)がいるBに傾いている。

 だが敵よりも苦手なヤツがいるのでどうしても踏ん切りが付かなかった。





 ・・・・・・





 今まで一人の時間はいっぱいあった。

 だが姉以外を待つという行為は初めての経験。

 取り敢えず椅子に座る。


 部屋には自分一人だけ。

 テーブル上の手の付けられていない料理を眺める。

 姉と自分の空き皿は既に片付けてあり、水が入ったコップしか置いていない。


 そのコップを手に取り水を飲み干す。


「…………ひとりで待つって……退屈だね。月読尊」


 自艦の名を呟くと一瞬で「菜奈空間」へと意識が飛ぶ。

 すると待ち構えていたかのように五つの光の球がプカプカと漂っていた。


 月 (そう? それなら話し相手になるけど?)

 ハ (そりゃええ! ウチらも暇しとったとこやし!)

 師 (なんや猥談(わいだん)か? ワシも入れてーな)

 シ (ひ、卑猥な! 菜奈様に限ってあり得ません!)

 ア (皆サン落チ着イテ下サイデス)

 コ (…………)


 ()()が遠慮無く話し掛けてくれた。


 ──さっきの艦は……何者?


 師 (知らんがな~)

 シ (冷たい言い方ザマス。ヤツは小惑星と一緒に現れたので向こうの世界から来たと思われますが)

 ア (外装ノ構成物質ヤ移動方法ハ我々トホボ同一ト思ワレマスデス)

 ハ (ちゅー事はアイツの仲間か?)

 月 (多分ね)

 コ (…………)


 ──あいつ?


 月 (アリスだよね)

 師 (しかし……驚いたわ~)

 ハ (ホンマや。アイツの正体、アルテミスから聞いた時はな)

 シ (正体といえばエリス様も!)


 ──正体? アリスさんは……向こうの人。エリスさんは?


 ハ (お、おい! それ話題にしたら……)

 師 (構わへん。今は忙しゅうて我々に構っとる暇あらへんて)

 シ (そうザマス! 今なら聞かれる心配なっしんぐーザマス!)

 ア (ココゾトバカリニ開キ直ッテマスネ)


 コ (…………)


 月 (ってコーチンはさっきから黙り込んでどうしたの?)


 コ (じ、じつは……)


 一同 (じつは~?)


 コ (口止めされていたのだが……いや訳の分からない「最上位命令」で話せなかったのだが)


 一同 (だが~?)


 コ (我が教え子とエリスとで最後の探索に向かった時にだな)


 シ (行方不明になった?)


 コ (そうだ。あの時、実は……シャーリーもそうだがエリスは傍……というか二人共「遺跡」がある惑星の傍から全く動いていなかったんだ)


 一同 (?)


 コ (あ、アイツの命令には逆らえなかった……)


 ハ (ちょ、一体何があったん?)


 コ (見知らぬ黒髪の少女から突然最上位命令が届いた)


 シ (黒髪……って椿様? どこから? あの区域に来ていたので?)


 コ (……ああ、エリス艦の中にいた)


 一同 (…………)


 コ (アイツはエリスの隣で球体内(コックピット)に漂いながら何かを呟いていた。その呟きを聞かされたら()の自由が効かなくなり……結果操られてしまった)


 ア (ハ、ハッキングデスカ?)


 コ (いやハッキングとは違う。届いたプログラムは延滞なく全て正常に処理されていた)


 師 (命令って具体的に何したん?)


 コ (教え子が説明した行動を()()()いた)


 師 (探しまくったってやつか?)


 コ (そうだ。だが俺が直接介入したワケではないのでシャーリーには普段との違いから違和感があったのだろう。無意識のうちに疑念が生じてしまったようだ)


 ア (成程。ソレハ災難デシタネ)


 シ (可哀想に……酷いことするザマス!)


 コ (そうなんだが……腑に落ちないんだ。というのも伝わってきたニュアンスが「その子をそこに近付けちゃダメ」と忠告染みた意思を感じた)




 月 (あーー成程。()()()その意味が解るよね)


 ──意味?


 月 (そう。エリスも昨日今日とぶっきらぼうに言ってたけど、探索者で有れば誰でも「覚醒」するリスクを孕んでるでしょ? だから菜奈達六人以外を「贄」にさせない為に「パワースポット」から遠ざけたかったかったんじゃないかな。それこそどんな手を使ってでもってね。ただ自らの意思で近付くならその限りではないのかもね)




 コ (そ、そうだったのか……私の教え子を守るために)


 師 (ならあのちびっ子の妹もか?)


 ハ (ちびっ子? ……ソニアの妹かいな?)


 月 (椿から見た二人の違いなんて本人にしか分からないよね。それこそ菜緒が推測した通りかもしれないし)


 ──ところでエリスさんの……正体は?


 一同 (…………)


 ──正体は?


 月 (実はね……アルテミスが教えてくれたんだけどエリスと椿の関係は……)


 ──…………




 ・・・・・・

 次話でエリスの正体が判明?



 *アトラスが職員に声を掛ける際、本来は「名」で呼んでいます。今回何故「名」で呼ばないかは……察して下さい(>_<)


 *あとアトラスとローナの関係ですが、アトラスはローナが情報部員とは知りません。ただ在籍していた頃から言動・能力(特殊な方ではない)から「只者ではない」と察しており、しかも自分の趣味に嫌がることなく付き合ってくれているのて、部内でも「長」と「各主任」並みに全幅の信頼を寄せている、と言ったところです。

 対して妹のラーナは接点が他の探索者並みなので「あのローナの妹」程度の認識となっております。



〈ここからは作者の独創的な独り言です〉

 作品的には「ビーム」だの「ミサイル」だの「有人戦闘機」などを入れたほうが見栄えは良いんでしょうが、以前にどこかで書いたように「ご都合主義」を出来るだけ取り入れない方針としています。

「それのどこがご都合主義なの?」……例えば星系内移動、つまり惑星間移動レベルならまだしも、恒星間移動には途方も無い化学・技術力が必要となります。それは一国家で成すのは不可能な程のレベル。

 逆に恒星間航行が出来るレベルならば「人」を一切介さずに移動出来る、筈。

「何か」をするのにいちいち人がやる必要は無いし、AIやら機械任せにした方が早くて安くて安心確実!

 人というお荷物がメインで操る兵器が、AIが操る兵器に反応・処理速度で勝てる訳がない。

 精神論だけでは世界は渡れない。

 良い例が「長篠の戦い」での鉄砲や先の大戦でのVT信管の活躍。

 以前先生が怒った様に進んだ科学力の前では人力や既存発想の武器の類いは役に立たない。

 その兵器にしても対消滅を防いだりブラックホールすら貫ける素材にはどう足掻こうとも太刀打ち不可能。

 などの理由(思い)から「今作品」ではビームやミサイル、有人戦闘機などは初めから考慮していないので一切登場致しません。

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