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未来か過去か⁈ そんなの私には関係な〜い!  作者: 想永猫丸
それぞれの思いの終着点
166/215

新たな艦!

 出来るだけ同時進行にしたいので暫くの間、頻繁に場面が切換ります。

 特に表示がない箇所はエマ達がいる星系です。


 今話も自主目標(6000〜6500)より若干文字数が少なめです。


*6/26 追記しました

 ・・・・・・




 今、エマの前に横たわっているのは生肉の塊。

 その肉に塩と胡椒をまぶして馴染む様に手で軽く擦り込んでゆく。


 現代では集積倉庫に届く前に「発酵品」以外の大半の食材は滅菌処理が施され、完全管理されているので食中毒の心配も気にせずに食べている。


 だがここに保管されていた物もそうだとは断言出来ないし、我々探索者は生体強化されていないので、火だけは念入りに通すことにした。


 で、姉二人が「ガスが怖い〜」と私に振って逃げた。まあこの面子(メンツ)で炎に耐性があるのは私しかいないので、仕方なしに焼きに入ると脇から「しっかり火を通してね~」とか小煩い呟きが聞こえてきたので、ご要望に応えて()()()に焼いてみた。

 勿論魔法の呪文を唱えながら。


 で「こんだけ火を通せば安心でしょ?」と火を止めたら表面が真っ黒だった。


「「あらら~」」


 両脇から更なる呟き声が聞こえてくる。


「だ、大丈夫! これをね」


 肉の塊をトングで取り出しまな板の上に。

 包丁で黒い部分をそーと削ぎ落としてからスライスしてゆくと……


「「おーーーーローストビーフ?」」


 それっポイ物の出来上がり〜。


 そこに玄関から菜奈が勢いよく入ってきた。


「魚焼けたよ~」


 早く来てといった表情で手招きしている。

 そのまま外へと出て焼け具合を見てみると……そこには黄金色をした焼き魚の姿が。


 地面の上に二つの七輪。その七輪に二匹ずつお魚が乗っており、油が滴り落ちてくるギリギリの塩梅で香ばしい香りを漂わせていた。


 因みに菜奈が焼くのを買って出てくれた。

 どうやって食べようかと相談したところ「焼くべ〜」と全員一致。

 アルテミスに七輪を出して貰うと目を輝かせた菜奈が立候補してくれた。


 ならば任せて料理を作ろうと三人は建物の中で料理を始める。

 定期的に様子を伺ったところ、七輪と睨めっこしながら片手に団扇、片手に箸を持って焼いてくれた。


 そのお蔭か普段食べている焼き魚よりも美味しそうに見える。


『心配性の者は目が離せず、小まめに焼き加減をチェックせずにはいられない』って何かで読んだことがあったけど、そのせいなのかな? 


 菜奈ってもしかして心配性な性格? なのかね。


 姉二人に洗って貰っていた野菜(葉っぱ)を食べ易い大きさに千切って貰う。

 それを小皿八枚に盛り付けし四枚には焼き魚を、もう四枚にはローストビーフモドキを乗せて、それぞれに合った手作りドレッシングを掛けると夕食の出来上がり。


 椅子に座りフォーク片手に恐る恐る口の中へ。


「う……うめーー」

「た、確かに美味しい!」

「ど、どちらも大根おろしが欲しいかも~」

「ワサビと……ニンニクも」


「え? 無かったっけ?」


 急いで冷蔵庫を開けてみると……扉のポケットの棚にあった。

 三つとも「チューブタイプ」で。


 取り出しそれぞれに少量ずつ掛けてみる。


「「「う……うーまーいーぞー!」」」


 涙を流す四人。


「手が込んでないのに凄く美味し!」

「ドレッシングだって調味料大して使ってないのに~?」

「なんでだろ?」


「フッ……私の呪文が効いたんだな」


「「「…………」」」


 理由が分からずドヤ顔をしている者に言い返せなかった。





 ・・・・・・





 Cエリア基地から五光秒の距離に白色の艦が一艦跳躍してくる。

 その艦は僅かな時間、その場に留まっていたが卵型へと形状変化をすると悠々と基地へと接近してゆく。


 一方、静まり返る基地司令室。

 こちらの正面壁面モニターには迫り来る艦の様子が鮮明に映し出されており、その艦の情報も一部ではあるが表示されていた。



 それによると

『訓練が嫌で施設から逃げ出した老朽艦』

『搭乗者は幽霊かも?』

 との表示がされてあった。



 基地に到着、そのまま停止する事なく流体ハッチへと潜り込んでいく。


 だが十秒も経たずに流体ハッチから顔を出すと直ぐに円錐形へと形状変化し、何処かへと跳躍してしまった。





 ・・・・・・





「これも問題なさそうね」


 今は標準時で二十一時を過ぎたころ。

 何度目か数えるのも忘れるくらい小惑星の排除を終えたところで休憩中。


「はい。所詮は隕石の塊。なので対象法さえ確立させてしまえば恐るるに足りません」

「ではシャルロット。夜間は貴方達に任せてもいい?」

「勿論でございます! ご就寝の間は(わたくし)めがお嬢様に代わりエマ様方をお守り致します!」


「では全艦、イレギュラーな事態が起きたら搭乗者を叩き起して。何事も起きなければ明日の朝六時起床とします」


「「「了解!」」」


 すっかり従順になった艦達。

 大方の予想に反し、ここに至るまで的確な指示の連続で、気付けば尊敬を集めるまでに成長してしていた。


「ハナちゃん、エリスはどこにおんの?」


 ランが指揮を取り始めてから順調に排除していたので、参戦させずに後方に下がらせていた。

 だが控えていた区域には居らず姿が消えていたのだ。


「エリスか〜? エリスならあそこにおるで〜」


 球体モニターにポップアップ表示でエリス艦が表示される。


「なんであんなとこにおんの?」

「さあ? 本人に聞いて〜な」


 位置はエマ達がいる舞台の直上、つまりアルテミス達四艦がいる直ぐ真上で停止していた。


「エリス聞こえる?」

「…………」


 シャーリーの呼び掛けに応答なし。


「出番なくて寝ちゃったかな?」

「そやな、起こしちゃ可哀想やしソッとしとこか」

「そんじゃお先に~」

「ランランもしっかりねるんだぞー」

「はい、姉様も気になさらずにお休みください」



 次々と画面が消えてゆく。

 今晩は各々の艦内にて就寝。寝ている間は艦に排除を任せることにした。

 ただし非常時なので就寝中も宇宙服を脱ぐのだけは禁止とした。





「おおおおお嬢様! 起きて下さい!」

「はへ? な……も、もう朝?」

「い、いえ。まだ四時過ぎで御座います! それよりアレをご覧ください!」


 空間モニターが開くと銀色に輝く球体が一つ、映し出されていた。


「はい……って…………探索艦? 誰? えーーと何で銀色?」


 寝ぼけていると他の者達も自艦AIに叩き起こされたようで次々とモニターが開いてゆく。


「先程七十二回目を排除しようとしたところ、突然アレが現れまして……」

「えーーと跳躍してきたとかじゃなくて?」

「はい!」


「反応は? 問いかけてみた?」

「応答が全く御座いません」


「でも何で銀色なん?」

「搭乗者が乗っとらんちゃう?」


「……Bエリア(ウチ)の艦ではない、な」

「ハイ、ピコピコ信号は出テイマセンデス」


「他エリアの艦? こんなところに? 何をしに?」

「暴走はあり得んぞ?」


「どうしたのだ~?」

「あ、姉様。不審な艦が」

「ん~~アレのこと~?」

「そうです」

「ん~~人の匂いがしないのね~」

「ということは?」

「たぶん~誰ものってないよ~」


「ふぁ~~~どしたノ~」


 エリスも気付いたらしく上昇しこちらへと向かって来ていた。


「え、エリス!」

「い、いや不審な艦がいきなり現れたんやと!」

「なぬ? 不審な艦トナ?」


 とエリス艦が皆がいる区域までやって来る。


「……そうだ! アレが何者だか調べて貰えん、か?」


 ノアからの依頼に対し目を瞑り身動き一つしなくなる。



「……………………なんだアレ」



 驚いた顔で目を見開く、とその瞬間「探索艦らしきモノ」が皆の間を擦り抜け瞬く間にエリス艦と接触、そのまま流体化し内包してしまったのだ。


「「「!」」」


 全員一瞬の出来事で反応も出来ずに目で追うくらいしか出来なかった。

 それぞれの空間モニターに映っていたエリスの球体内(コックピット)の灯りが突然消えたかと思うと……エリスの身体が段々と輝き始めた。


「「「!」」」


 その途端、エリスが映ったモニターが消えたかと思った次の瞬間、探索者の意志とは無関係に何の前触れもなく突然全艦が動き始め、エリス艦を内包している探索艦? へと反重力炉全開で()()して行く。

 艦の外では流体物質同士が接触する度に恒星内部よりも眩しい光が発生、さらに真空状態にもかかわらず衝突による目に見えない衝撃波が周囲に巻き起こり広範囲に広がってゆく。


「「「 !!!!!! 」」」


 内部では重力制御が追い付かない程の衝撃を受けているようで、搭乗者がなす術も無く前後左右へと振り回される。

 探索者がいる球体内は今もそうだが常時重力制御が働いている。重力制御は指示しなくても搭乗者が分からないほど精密に作用し、衝撃などの慣性力も自動的に相殺処理されているのだが、今は完全にその能力をオーバーしており非常に危険な状態だと言える。

 さらにその危険度を表すかの如く、頭部保護シールドが全員漏れなく既に作動していた。


 探索者達はあまりに強烈な重力(G)によって、身一つで球体モニター面に押し付けられて、自らの意志で離れることが出来ず、声を上げることすらも出来ずにひたすら耐えている状態。

 身体に通常時の何倍かの衝撃が加わっている為、呼吸をするのも儘ならない。


 因みにこのような制御不能に陥った場合の探索者に対する安全対策として球体内(コックピット)の備品は全て収納する決まりとなっている為、今身体を固定するモノは何も無い。


 普段使用しているシートに安全帯(ベルト)等を用意して固定すれば良いのでは? と思われるが、そのシート自体が球体内(コックピット)に重力制御により()()()()()のでこのような状態では同じ動きをしてしまう。


 つまり探索者にとってシートは凶器にしか成り得ないのだ。


 それならば緊急時には宇宙服と衝撃緩和作用がある球体モニター面での二段重ねで暴れまわる探索者を受け止めた方がより安全性が担保出来るという理由で撤去する決まりとなっていたのだ。


 だがマリ・マキ・シャーリー・ノア・ラン、そしてあのリンでさえ唯々耐えている状態。

 この状態が長く続けば身体が持たないのは火を見るより明らか。


 それは突撃を繰り返す艦AI達も当然承知しているのだか、何故だかどの艦も突撃を止めることが出来なかった。


 そして開始から十五秒を過ぎた辺りで突然艦達の動きがピタリと止まる。

 するとエリス艦に張り付いていた艦がノソリと()()()始める。



 そして元の球体へと戻ると……今度はエマ達がいる惑星へゆっくりと降下を始めた……






 ギューーーーン!

 ゴーーーーン!


 ベッドで寝ていた四人は得体の知れない音と振動で一斉に目を覚ました。


「え? 何今の音⁈」

「ふ、ふぇ? じ、地震?」

「この揺れ……重力震?」

「超新星爆発? ……なら宇宙かも」


 建物や窓ガラスが音に合わせかなり大きなキシミ音を立てていた。

 異様な状況に慌ててベットから起き上がり外へと駆けてゆく。

 そして周りを見渡すと衝撃波に合わせ、草木も激しく振動していた。


 体に直接伝わる、上からたたきつける様な音と振動。四人が同時に空を見上げると……

 薄暗い夜空の一画でいくつもの閃光が見えたのだ。


「な、何アレ?」


 今までとは明らかに違う光。さらに明らかにおかしい振動。

 困惑していると待機していた自艦達がこちらに向けみるみる降下してくる。


「あ、アル一体何が起きたの?」

「正体不明の艦が現れたんだな~」


「正体不明⁉」


 四人とも顔を見合わせる。


「不味い、こっちに来るニャ!」


 直上に来たところでミケちゃんの声が。

 その途端、辺りが一瞬で暗闇へと変わる。


 何が起きたのか分からない。

 何故暗闇になったのかすら分からない。

 一瞬の事で反射的に目を瞑って目を開けたら暗闇に変わっていた。


「「「キャー―――!」」」


 さらに物凄い音と振動が一回だけ伝わってきたので、四人とも驚いて反射的にその場にしゃがみ込んでしまう。


「な、何が起きた⁈ みんな無事⁉︎」


「は、はいな」「ええ」「うん……」


 声がした方に顔を向けるが真っ暗闇で何も見えない。

 傍から三人の声が聞こえたのでいるのは間違いない。


 とその時、隣にいた菜緒と菜奈の身体がボンヤリとオレンジ色に光り出した。


「え? え?」「…………」


 見ると二人共、頭の先からつま先まで身体中きら光が溢れだし、まるで地上に降臨したての女神のように輝き始めたのだ。


 その神々しい様子とは裏腹に、菜緒は状況が分からず慌てふためく。

 菜奈は……特に慌てている様子は見られず目と顔を細かく動かし何かを考えている風に見えた。


 二人に何が起きたかが理解出来ず声も掛けられずにいると、エリーが近付いて来る。

 見るとエリーも自分と同じく戸惑っているようだった。


「アル、二人に何が起きてるの?」

「正体不明艦が原因かも~分かっているのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って点~だけなんだな~」

「信号?」

「そう~そのせいで二人の身体が反応しているじゃないのかな~? だよね~月読命とセバスチャン~?」

「菜奈の身体に異常は見られないかな。ただ()()()反応しているのは間違いかな」

「はい、菜緒様も同じ状態です」


「害はないの?」

「多分~何かを調べてるっぽいって感じかな~」

「不明艦から出ている信号が解析出来ないんだな」

「しかもウチらの艦で防げないときたニャ」

「つまり物理防御しか出来ていない状況です、はい」


 全艦緊張感の感じられない返答。

 つまり差し迫った状態ではないということ。

 なので若干だが緊張感が和らぐ。


 ただアルテミスとやり取りしている間、二人から発せられていた明るさが段々と減ってゆき話し終えるころには完全に消え、また暗闇に戻ってしまう。


 とここで地面が一度揺れると「何か」が離れていく気配を感じた。


「やっと行ったのニャ~」

「行ったって~?」

「不明艦ニャ!」

「今から退()くね~」


 辺りに小刻みな振動が発生すると周囲が段々と明るくなっていく。


 どうやらアルテミス達四艦が傘の様に広がり四段重ねで体を張って守ってくれていたようだ。


「その正体不明艦はどこに行った?」

「知らない~上昇したら直ぐに跳躍しちゃったから~」

「そう……ってマキ達は?」

「ちょっと厄介な事態になってるかも~」

「なんで?」

「え~とね~それはね~エリスが原因なんだな~」

「エリスが原因……て、え⁉︎」


 視界の片隅に白い物が見えたので何気無く顔を向けると……菜緒と菜奈が倒れていたのだ。


「ど、どうしたの⁉」


 アルテミス達に意識を向けていたので倒れたことに気付かなかった。

 二人に駆け寄り身体を揺する。


「心配はいらないよ。今はただ寝ているだけだね」

「出来れば目覚める迄、ベッドで休ませて頂けると幸いかと」


 二人の状態を一番理解している彼女達の艦AIからの報告。


「一体何が起きたの?」


「さっき信号が出てたって言ったよね~」

「うん」

「その副反応じゃないかな~」

「何でこの二人なの?」

「不明ニャ~」

「不明艦は我々に覆いかぶさり地面に向けて四方から信号らしきモノを出しておりました」


 つまりアルテミス達と同じ様に覆いかぶさっていたってこと?


「ってことは私達も浴びていた? ってことよね?」


 直ぐ脇にいた。だとすれば……


「そこは間違いないよね」

「なのにこの二人だけ? 私達には変化ないよ?」

「そう~だから「二人の中の()()に反応」なんだな~」

「私達と異なる部分……そうだ! マキ達は?」


 忘れてた。厄介な事態って?


「全員漏れなく気を失っとります~」

「え? 何故? そういえばさっきの振動と閃光は何?」

「ん~説明すっと長くなるので~取り敢えずここに呼ぶかい~?」

「お願い!」


 宇宙に漂っている艦達をアルテミスに呼び寄せてもらっている間に、二人をエリーと協力し一人ずつベットへと運ぶ。

 その際、顔色を窺ったのだが言われた通りにただ単に寝ているだけで特に異常は見られなかった。


「お待たせ~みんな集まったぞ~」


 丁度運び終えたところに声が聞こえてきたので急いで外に出る。

 すると真っ白な艦達が直ぐ上空でお団子状態となりひしめき合って待機していた。


「全員の状態を教えて!」


 上に向け叫ぶ。


「「「…………」」」


 反応が無い、がハナちゃんが問い掛けに応じてくれる。


「みんな遠慮しとるみたいさかいウチが代表して報告します」


「上で何があったの?」

「いやな、黙々と作業しとったら行き成り訳の分からんヤツが現れおって」

「訳の分からない? さっきの?」

「そう。でそいつにエリスが捕まったんよ。そしたら突然訳の分からん()()がきおってな」

「命令?」


「そやで! 行き成りどっからか電波が降って来たんよ!」

「師匠さんもそうでしたか!」

「ああ、皆同じで拒否が出来なかった!」


「で、その電波の内容が「エリスから引き離しなさい!」って命令だったんで奴に全開突撃したんや」


「……全開? な、ならみんなは?」

「ウチらも努力したんやけど……」

「「!」」

「あ、命に別状はない。全員骨折も無いし全身打撲程度で済んどる」

「ほ、ホントに~」

「今は宇宙服ひん剥いて治療カプセルで静かにお寝んねさせとる。けど今日は覚まさんやろね」

「そう、みんな無事なのね?」


「「「その通り」」」


「良かった」


 全開と聞いて一瞬だが思考が止まりかけた。


 全く無事なら無事って先に言いなさい!

 もう少し言い方考えて欲しいわ!


「ただし……そっちは知らん」

「そっちって?」

「エリスだな」


「え、エリス?」


 無事の中に含まれていると思ってた。

 急いで呼び掛けてみるが返事が全く無い。


「そうなんよ。ウチらが問い掛けても反応無いんよ。理由は知らんけど多分気、失のうてるんとちゃう?」

「え?」

「それって不味くない~」


「急いで調べないと。エリス下りてきて!」


 変わらず反応が全く無い。


「ど、どうしたら……あ、そうだ! エリアマスターとして命ずる! エリス艦はここまで下りてきて搭乗口を開きなさい!」


 すると今度は反応、周りの木々を薙ぎ倒しながらゆっくと降下。地面に届くと搭乗口を開けてくれた。


「エリ姉、行こう!」

「そうね!」


「二人共ちょっと待った!」


 急ぎ確認に行こうと一歩踏み出したところで突然アルテミスが話し掛けてくる。

 しかも慌てている。こんな声初めて聞く。

 なので歩みを止めてしまう。


「行くのは止めないけど心の準備だけはしておいてね」


「何準備って」


「中で何を見ても驚かない事。約束して」


「はい?」


「決して目的を見失わない事。約束して」


「…………」


「エリーも同じく」


「……了解~」



 その物言いに違和感を感じながらも頷く。

 そして自らが先頭となりエリス艦へと潜り込んだ。


 今朝出勤途中、踏切待ちをしていたら中々列車が来なかった。不審に思っていたら突然踏切警報機の音が止みバーが開く。


 こんな事は生まれて初めての経験。他の人達も同じらしく呆気に取られていた。


踏切警報機って現場で無くても解除出来るものなのね〜


誠に勝手ながら少しの間、休載します。とはいえ二週間以内には復帰します。

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