表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来か過去か⁈ そんなの私には関係な〜い!  作者: 想永猫丸
それぞれの思いの終着点
162/215

宇宙と地上!

遅くなりました。


*たまに読み返していますがまだかなりの箇所で誤字脱字、さらに「・・」が残っているので、並行して修正を掛けていきます。大きく修正を行った場合のみ「前書き」にてお知らせするので予めご承知下さい。


 遠ざかる仲間達に声を掛けることが出来ず見送る事しか出来なかった。


「アル‼ 返事しろ‼」


 何度も球体モニターの壁面を叩きながら呼び掛け続ける。

 と言うのもここに到着した時点でアレは無かった。

 前回訪れた時と変わりがなかった。

 もし変化があったならアルテミスが必ず教えてくれていた筈。

 即観測可能な近距離の位置、しかもあの大きさを見逃すワケがない。


「な~に~」


 地上に生えている木々が目視でも見分けれる高度まで降りてきたところでやっとアルテミスから返事があった。


 相変わらずのお気軽な声。

 アルは私の今の心情は当然理解している筈。

 それを考慮の上でのこの話し方。

 多分と言うか絶対意図的に使い分けてる。


 だがその手は百も承知。

 場面によっては有難くもあるが今はそれどころではない。

 さらにいい加減慣れている筈なのについイラっときてしまう。


「ちょ、このポンコツ今頃返事して! 最近反応悪いわよ! 」


 だからと言ってアルに八つ当たりしてもしょうがない。

 こいつはこいつで気を使っている()だから。

 だから嫌味を一言だけ言っておく。


「ポンコツはお互い様~」


 前言撤回。やっぱりポンコツ認定。

 ってゆーか言い争いで勝てた試しがない。


「くぅーーーー! そ、それよりアレは何⁈」


 空間モニターに映っている巨大な黒い影を指差す。


「なにって~? 見たまんまの小惑星だな〜」

「ウキィーーーー! そんなことは見れば分かる! そーじゃなくてさっきまでアソコに無かったじゃん!」


「……アレは向こうの世界からやって来たのよ」


 落ち着いた呟き声が割り込んでくる。

 見ると深刻な表情で、こちらではなく影が映ったモニター? を見ている菜緒の姿が。


「え? 向こう?」


 菜緒の雰囲気に気圧され冷めてしまう。


「エリスさんが言った「時間切れ」が()()()()のよ」

「え? え?」

「つまり「消失現象」が本格的に再開したってとこかしらね〜」


 説明している本人も含め三人が小さく頷く。


「多分ですが……宇宙のあちこちで同じような現象が起きているかと」


「ならアレは向こうの惑星なの?」


 誰も反応しなかった。


「みんな……大変!」


「今度は何?」

「あの小惑星……ゆっくりだけど……こっちに移動してるって!」

「へ?」

「月読尊」

「はいはい。簡潔に説明すると、このペースなら三日後には二つの星が一つになりそうだな」

「三日? なら間に合うんじゃない?」


「それは間違いだニャ~」


 ミケちゃん乱入。


「な、何で? だって二日持たせればいいんでしょ?」

「その前にそれぞれの潮汐効果で分裂・粉々になっちゃうのニャ!」

「メ〇オみたいに~ここに降ってくるよね~」

「速度も早まってギリギリ間に合わないかも~」


「それだけじゃなくて~こっちにも多少の影響が出るかな~」

「どんな?」


「一番大きいのは地殻変動かな~。あとは大気の変化~海面の増減~その他諸々~。それを一言で表せば~世紀末~。因みに救世主は現れないからね~ここ無人だし~」

「でも目的地は海抜が高い山間部だからまだ被害は少ないよね」

「とか話してる間に到着ニャ!」


 相変わらずの緊張感が全く感じられない会話。

 だがお蔭で状況が理解出来た。

 とここで四人の正面に真っ暗な(通路)が開く。


「…………」


 不意の事で反応出来ない。


「何してる~時間がもったいないぞ~?」

「……私達がいない間、アルはなにしてるの?」

()()でね~傍で君達を守ってるぜ~」

「命令? そう、分かった。行ってくる」

「エマ~?」

「今はみんなを信じて自分の役割を果たせ~」

「……了解」


 そこは了解。


「(お嬢様、お気お付けて……)」

「(はい、行って来ます。セバスチャン、後はよろしく)」



 ん? 今、気品漂う男の人の声が。

 も一人は菜緒? ってことは艦AI?



 艦に搭乗している限りは何の問題も無い。

 ただ地上に降り立ってしまったらその限りではない。

 いくらアルテミス達が傍にいるとはいえ、どうしても不安は付きまとう。

 だからといってこのまま躊躇って立ち止まっていても状況は悪くなる一方だ。


 頭を振って不安を振り払う。

 出来るだけ何も考えずに(通路)へと潜り込む。


 通路の先は前回降り立った広場。

 そこで四人が合流する。


「みんなこっち」


 先導して木々の合間に分け入っていく。


 前回来た時とは違い太陽が陰っている今はかなり薄暗い。

 さらに先の木々に覆われた道なき道はここから見る限りではほぼ真っ暗。

 そこをエマを先頭に縦列で進む。

 後ろの三人はエマの背を覚束ない足取りで、付かず離れずの距離で付いて行く。


 途中、数m先が見通せない程の暗闇となったので、頭部保護シールドの付帯装備である暗視機能を使おうかと迷ったが、この道がほぼ一直線だったのを思い出したのでそのまま進んで行く。

 まあ宇宙服も着てることだし、躓いて転んでも怪我をする心配は無いし。


 間も無く木々を抜けると正面に建物が二つ見えてきた。

 右手が居住となる平屋の木造建築物。

 左手に修行用舞台。

 前回訪れた時とは違い二棟とも新築。

 地面の雑草も全て刈り取られてあった。

 そのお蔭か、前回見当たらなかった平屋から舞台への続く人一人分が通る幅の石畳の小道を見付ける。


 先ずは平屋の建物へ。

 入口のドアノブを回すと今回はスンナリと開く。

 そのまま扉を開け中を覗き込むと……()()()()と同じであったのだ。


 違う点と言えばベットと椅子の数が倍になっている点だけ。

 後は当時と同じ備品が使われ、配置まで同じであった。


 中を見渡す。

 そこそこの広さが有る部屋にベッドとテーブルセットらしき物がボンヤリとだが見て取れた。



 ここにあの姉妹がいた。

 ここであの姉妹が笑っていた。

 少しだけ感慨深くなった。



「暗いわね。明かりはないのかしら」

「これじゃない~? ポチっとな~」


 一方、三人は私とは違い室内の物色を始めていた。

 室内は窓も締め切られている為、ほぼ真っ暗。当然の事の様に先ずは光源を探し始める。

 するとエリーがスイッチを見付けたらしく、壁に取り付けられたボタンを押すと頭上から明かりが。

 見ると天井からぶら下がっているお椀型の照明器具から光が溢れ出す。


「これ……暗いね」

「うん、色んな意味で、ね」


 傘のせいで下方しか明るくない。

 だがお蔭で部屋の中の様子が判明する。

 フカフカのベット。長方形のテーブルには椅子が六脚。

 さらに壁際には見慣れぬ箱やら台が並べてあった。


「これって何だろう~?」


 シューズを脱ぎ、並べてあった内履きを履いてから上がり込み、自分達の背丈ほどの高さがある白い長方形の箱を見付けた。


 取手を引っ張ってみると……


「ひゃーー寒い~!」

「ん? 何か入ってるよ?」


 取り出してみる。すると袋詰めされた生肉であった。


「多分……大昔に使われていた「食料を冷やしておく装置」じゃないのかな」


 薄暗い中「冷蔵庫」の中の明かりが四人の呆けた顔を照らし出す。

 そのせいで冷気が霧状になって逃げてゆく。


「それと……野菜と……食料だね」

「でもこのままじゃ流石に食べれないよね?」

「もしかして…………あ、やっぱり~」


 部屋の隅の「キッチン」を見付ける。


「あ、これ知ってる、ってか隠れ家でお湯沸かすのに使ってるわ」

「どうやるの?」

「こう」


 壁に掛かっている「ふらいぱん」を取り「コンロ」の上に置く。

 そしてスイッチを押すと……


「「「!」」」


 ガスに火が付き青白い炎が揺らめく。それを見て三人が目をまん丸にする。


「な、成程~」

「でも見る限り……近代設備が……何もないよね」

「理由があって、じゃないの~」

「ま、考えてもしょーがない」


 火を止め、他を見て回る。


 奥の部屋はトイレと浴室が一つずつ。こちらは共に一人用。


 そして六人分のベット。シングルサイズと小さいがフカフカな布団が敷かれてあった。

 その布団の上には衣類と思しきものが綺麗に畳んで置かれてあった。


 それを手に取って広げてみると……


「「「あっ!」」」


 揃って声が漏れた。


 純白で特徴のある服。

 そう桜姉妹が来ていたあの白装束()地下足袋(履物)

 服の方は先日着た浴衣に似ているのと、履物は「小さな忍者」が履いていたものとほぼ同じであった。


「これに着替えなさいって?」

「着る必要あるの?」

「多分」 


 各々手に取ってマジマジと眺める。

 保養施設で似た服を一度着ているので着方は知っている。


「そんじゃ着替えますかね!」


 躊躇いがちの三人。

 眺めていても仕方ないので率先して着替え始める。


「エマちゃん」

「なーにー?」


 着替えに若干だが手こずっているといると不意に声が掛かった。


「これ何か……変じゃない?」

「?」


 見ると……立派な山脈が襟元によって雪崩を起こさずに済むパンパンの限界状態でギリギリ堤防の役割を果たしていた。

 今、少しでも衝撃を与えれば一気に雪崩を起こしてしまうだろう。

 そんなことになれば巻き込まれて皆、無事生きては戻れない。


 ふと自分の服に目が向く。着ようとしていた服は……逆に左右が重なる部分にかなりの余裕が。

 隣の姉達を見る。

 其方は全く違和感なく着こなしていた。


 着た服を脱ぎぱんてぃ一枚の状態で、服を菜奈に手渡す。

 差し出された服を見て、首を傾げながら暫しこちらを見る。

 どうやら理解出来ていないみたいなので着替えさせてあげた。


「今度は……みんなと同じだね」



「…………フ」



 エリスめ、ひと目で見分けがつくようにしとけってんだ!










 正面に強大な黒い塊。背には惑星。

 そこに単縦陣にて対峙している。


「良し! 先ずはみんなで押してみっか!」

「どうやって? 艦で押したら脆過ぎてめり込むだけじゃないですか?」


「サ○コフレームでもあれば……」


 思案顔でボソリと呟く真っ赤な宇宙服の娘。


「なんやそれ、超能力け? それよか砕くってのはどうや? 」

「……直径二百Km程度なら……いけるかも?」


 こちらも思案顔で呟く若葉色の宇宙服の娘。


「どうやって砕くの?」

「……艦と全員の質量兵器を一列に並べて、だな、一斉に突撃~~して半分コ」


 丁寧なジェスチャーを交えて説明してくれた。


「ほうほう。そんなに上手く行くんかい?」


 探索艦の直径は150m。

 確かに人と比べれば大きいが今回の相手はそれとは比較にならない程デカいのだ。

 そんな相手に突撃してもスイカに針で穴を開けた程度の効果しかないだろう。


「……秘孔(ツボ)を突けば、な。で、Uターンして向きを九十度変えて再度突撃~~てな感じ」

「それを繰り返して粉々にするの?」

「……おう! 砕けば多少速度が増すが、大気圏に辿り着くまでに燃え尽きる大きさまで砕ければ問題無かろう、て」

「因みにどれくらいの大きさ?」


「……最大50cmまで、だな」


 黙り込む一同。

 途方もない目標に皆、眉間に皺を寄せ黙り込んでしまう。


「他に良いアイディアのある者ハいるか?」


 黙ってやり取りを聞いていたエリスが割り込んだ。

 だが誰も声を上げない。


「……も一つ……あるにはある、が」


 沈黙を破ったノアが躊躇いがちに呟く。


「何や?」

「……これだ、ぞ」


 腰に付いていたガンを手に取って見せる。


「そんな豆鉄砲、何の役に立つ?」

「……ふふふ。良くぞ聞いてくれた、ぜ。こいつはブラックホールも作り出せるの、だ」

「……はい?」

「……皆の夢と希望を詰め込んだ1cmの大きさの弾を打ち出して、任意の位置に到達したら縮退反応を起こし重力崩壊しながら全てを丸飲みさせちゃう、てな感じ?」


 ガンを愛おしそうにナデナデする先生。


「……ま、マジ?」

「……おう! キモは崩壊反応時間だ、な! 長過ぎれば巻き込まれるし、短過ぎれば……」

「危な‼︎ 夢も希望もあらへんやんけ!」

「影響が大きすぎるような……」

「きゃっか〜なのだ〜!」


「……ちぇ」


 ソッポを向いてしまう。


「ノアや、それ最後の手段にしとこ、な?」


 マリがすかさずフォローを入れた。


「ヨシ、砕くゾ。方法はどうするノ?」

「……アシ2号や、頼めるか?」

「オ任セヲ! デハ皆様制御権ヲ一時預カリマスデス」


 そこからは七艦+多数の質量兵器が一直線に並び突撃して行く。


「ど、どや⁈」


 見るとミシン目の様に開いた穴から穴へ亀裂が走ってゆく、がリンゴを二つに切ったようにはならず二つに割れなかった。


「……アシ2号、や。どうかな?」

「ホボ計算通リデス」

「……なら遠慮なく行っちゃって、な」

「了解デス」


 続けて真横から、真上から、斜め方向からと目にも止まらぬ速さで同じ行為を数十回繰り返しす。

 するといきなり塊であった小惑星が自壊を始め粉々になり、遺跡がある惑星へと徐々に速度を増して迫ってゆく。


「先生! 上手ク行キマシタデス!」

「……よし皆の者、あとは小さく細かく砕きまくるだけ~、かも?」


「シャーリー先行しまーーーーす!」


 待っていましたとばかりに嬉々とした雄叫びが聞こえてくる。

 見ると一回り大きいシャーリー艦が、以前Cエリアで姉が見せた円錐ドリル型へと気付かぬ間に形状変化をしていた。

 そして行き成り白い帯を引くように、一瞬で皆の視界から消えたかと思うと、小惑星であった塊が徐々に変化してゆく。


「「「あ!」」」


 それを見て言葉を失う仲間達。


 確かに艦と直接触れた岩石は一瞬で蒸発して跡形も無く消え去っていた。

 だが通過時、近距離にあった岩石が散弾のように押し出され、かなりの速度で広範囲に散らばってしまったのだ。


「あちゃ~こりゃ大変やど~」

「でも逆に数が減って良かったのでは?」

「お? そうか!」

「ホレ早めに片付けないト~次が来ちゃうゾ~」


「「「次?」」」


 エリスに視線が集まる、が誰も「次」について聞くことはしなかった。

 何故なら意気揚々と動き回る赤い宇宙服を着た「白い彗星」によって、目の前の獲物が見る見る減らされていたからだ。


「よっしゃーほなら行くで!」

「ランランきょうそうなのだ!」

「あ、姉様待って!」


 獲物に群がる探索者達。

 だがノアだけは後方に下がり、仲間が撃ち漏らした破片を丹念に潰す作業に専念していた。










 着替えて四人揃って外へと出て行く。

 出ると辺りがかなり明るくなっていた。

 空を見上げると影は殆ど見当たらないくらいまで薄くなっていた。



 僅かな時間であの巨大な小惑星を粉砕出来るとは……

 一体どんな手を使ったんだろう……



 取り敢えず目下(もっか)の脅威が去ったようなので一安心、といった雰囲気になる。


 四人は小道の上を通り隣の舞台へと向かう。

 上り口で中を覗き込むと前の星と全く同じ造りであった。


 皆で一晩過ごした建物。

 お蔭で建物そのもの自体に警戒心等は全く無い。なので感慨に耽ることなく遠慮せずに上がり込む。

 舞台の中央に行き向かい合わせで立ったまま作戦会議を始めた。


「それでここでは何をすれば?」

「基本的には同じだと思う。ただ……」

「ただ?」


 ここからは推測となる。

 あの姉妹の置かれていた状況を思い出しながら説明してゆく。


「これからは姉妹、つまり私はエリ姉と、菜緒は菜奈とでペアになって二人だけの世界に入る」

「何故?」

「多分……力を合わせる為……のかな?」

「そう言えばそんな事言ってたわね」


 うんうんと頷いてくれた。


 記憶にあるのは暗闇の中、二人だけで向かい合っていた情景。

 周りには人はおらず、二人だけの世界だった。

 多分だがここでも同じ光景が繰り返されていたのではないか、と思う。


「一つ質問。エリスさんは何故「エマなら知っている」と言ったの?」


 覗き込むように聞いてきた。


「そ、それは……」


 思わず目を逸らしてしまう。


「貴方、まだ私達に何か隠しているわよね?」

「えーーーーと……はい」

「洗いざらい吐きなさい」

「は、はい!」


 ギロリと凄まれたので反射的に返事をしてしまう。

 大した話でもないし特に隠すつもりも無いので「桜が見せてくれた思い出」の件を簡単に説明していく。

 話し終えると三者三様な反応を見せた。


 菜緒(一人目)は相変わらず何かを思案中、と言った表情。

 エリー(二人目)は「へーそうなんだー」と感心した表情。

 菜奈(三人目)は……少し怒ってる? 雰囲気だった。


「艦AIを介さずに?」

「どうなんだろ? でもエリスが知ってるっぽいから介してるのかもね。アルどうなの?」

(キオクニゴザイマセン〜)

「この嘘吐き」

「フフ、どちらにしても良いことを聞けたかも。エマ、話してくれてありがとう」


 は、はあ……なんか知らんけど、どういたしまして。


 エマに礼を言った後、妹を見る。

 すると視線に気が付いたのか、菜奈も姉を見る

 僅かな間、お互い目線を合わせてから同時に頷いていた。


 ん? 雰囲気的に内緒話でもしたのかな?


「あと、これは個人的な目標なんだけど……アリスみたいに力の有無が分かるくらいにはなりたい、かな」

「エマちゃんなら……出来るよ」


 手を握って励ましてくれた。

 頷きながらその手を握り返す。


 出来るといいな。

 でも椿や桜は一年間近く訓練してやっと身に付いたんじゃないのかな?

 なのに一日や二日のそこらで出来たら彼女達の苦労は何だったのかと可哀そうに思えてしまうよね。

 なので今は「出来たらいいな」程度の願望でしかない。


「そんじゃ先ずは復習から行きますかね!」


 お互いのペア同士で向かい合い、正座をして復習を始めた。








 突撃を開始してから約一時間後……


「粗方片付いたんじゃない?」

「そやね。しかしシャーリー大活躍やな」

「アレははんそくなのだ!」

「姉様こそあの動きは反則ですぅ!」

「ちっと休憩にせーへん?」

「そうだナ。今後を考えて交代制にするゾ」

「今後って? あ!」


 今度は先程の半分ほどの大きさの小惑星が行き成り出現する。


「ホレ次が来だゾ~。私とシャーリーとランとノアが突撃シテ残りは休憩しながらサポートに回れ」

「リンリンはランランと一緒がいいのだ~」


 ジリジリとシャルロットににじり寄るリン艦。


「リンはマリマキと同じ組だゾ」

「な、なぜなのだ?」

「……バランス、だな」



「そんなの知ったことではないのだーー!」



 どこかの我儘海賊王の様に両手両足をバタつかせ暴れ出す。


「姉様」

「な、なーーにーー?」


 ピクリとし、急に大人しくなった。


「姉様はどうしてここにいるんですか?」

「そ、それはーーリンリンはランランのお姉ちゃんだから一緒にいる……」

「違います。お姉様や皆さんを守る為です」

「ううう」


 叱られた子犬の様に縮こまり、だが頬を膨らませ上目遣いにチラチラとランを見ている。

 どうやらどうしてもご納得出来ないご様子。

 対するランは毅然とした態度を崩さずに話を続けた。


「ではこうしましょう。私が危ないと思ったら迷わず助けに入って下さい。それまではそこで大人しくしていること」

「う、うん」

「私はお姉様達を守ります。姉様は私を守りながら戦うことで結果的に皆さんを守ることになります。これなら納得出来ますか?」

「……エマエマ達を? わかったのね!」

「はい偉いですよ。ではそこで待っていて下さいね」

「任せるのね!」


 探索艦に乗っている限り、この程度の相手なら「危険な状態」はあり得ない。

 なので事実上、手出しが出来なくなったも同然。

 でもそこはリンの気持ちの問題。

 ランの傍にいてあげたい。そこさえ否定しなければ今の彼女は拒否しないだろう。


「話は付いたカナ~?」


 何かの頭? の上を乗り越えながら覗き込んでいる姿がモニターに映っている。


「ええ。その後はマリさんとマキさんと姉様の三人で?」

「イや、私が連戦するから四人ダナ」

「エリスが? エリスこそ休憩しないと」

「私は夜は眠くてまともに動けないノ~。だからその分、今動くカラ~」

「……難儀な体質だ、な」

「難儀な性格よりはマシ~」


「「それって誰のこっちゃ?」」


 全員の視線がマリマキ(二人)に集まる。


「も、もういいよね? ではシャーリー行っきまーーーーす!」


 我慢出来なくなったのか返事を待たずに行ってしまう。

 慌てて付いて行く三名。


 第二ラウンドのゴングが鳴った。


*作り出した人工ブラックホールの後始末ですが、用が済めば艦で突撃して「無かったこと」にするのでご安心下さい(ブラックホール以外は「ま、いいか」ということで)


*「数が減って」……惑星以外の方向にも(引力に左右されない速度で)飛び散ったから


*念の為言っておきます。白装束は透けません。だって桜達が着ていた物と同じだから。だから透けたらアカンでしょ?


 以前「タラップの窓」で悩んだ事がありましたが、今回は「黒い影」で悩みまくり。

 初めは「天王星型惑星」を想定、それに沿った文をコツコツ作っていたのですがどうしても上手くいかず、約二千文字を一気に削除。次は白色矮星でチャレンジしたが途中で「ご都合主義丸出し」になりかけたのでこちらも即削除。

 さらにリアルでは色んな事が起きて「すっちゃかめっちゃか」状態。

 こりゃあかん、簡単に行こうと三度作り直しておりました。


なので「宇宙組」はあまり捻らずにいきます。


次回は一週間以内に投稿します……努力します(泣)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ