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未来か過去か⁈ そんなの私には関係な〜い!  作者: 想永猫丸
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144/215

ミア迷宮! 内緒の集まり!

 今話は菜奈の特殊空間内で、所謂「地の文」を書きようが無く、さらに参加者も多くほぼ会話だらけの為「まお○う」様の小説の表現にしました。


 菜奈空間ですが作者の脳内イメージでは、攻○機○隊2(原作漫画)の電脳戦(8割)と、アムロとララが真空空間で邂逅中(2割)が合わさったモノ、といった感じになっております。


 以下は今話参加AI名の説明です。

 月=月読尊(ツキヨミ/?)*初登場

 ア=アルテミス(エマ艦)

 伊=伊邪那美(イザナミ/?)*初登場

 ミ=ミケちゃん(エリー艦)

 ハ=ハナちゃん(マキ艦)

 師=師匠(マリ艦)

 ジ=ジン(シェリー艦)

 コ=コーチン(シャーリー艦)*初登場

 カ=カルミア(ラーナ艦)

 シ=シャルロット(ラン艦)

 二=アシ2号(ノア艦)

 となります。

 *師匠・ジン・コーチンは男性、他は女性、アシ2号は性別無し。菜緒艦は……まだ秘密。


 因みに

 リン艦は

 リンとのリンクを優先改造し過ぎて、リン本人に「乗っ取られた形」になっている為、人格が消え去っています(元々リンは相手にしていなかった)


 ロイズ艦は

 修理中の為、機能停止中(今のところ人格を出す予定無し)


 ワイズ艦は

 ……今は不在、ですよね?

(実はこの艦のAIは少し……いやかなり厄介な問題を抱えております。ちょこちょことフラグは立てているのでもうお気付きかと)


 ソニア艦と他エリアの第七世代艦は改造していない(予定無し)ので、通常設定のままで頑張って貰います。

 ・・・・・・



 どこまでも広大で真っ白、何も無い空間。


 周りには無数の光の球が見えるだけで、上下や左右の区別さえ判別出来ない空間。



 ……ここは……どこ?


 ? (ここ? 分からない?)


 上? 方向からハキハキとした元気な女性? の声が聞こえてくる。

 意識を声の方に向けるとそばに十二個の大きな光の球が浮いていた。


 その内の一つが「自分だよ」と主張しているように光の量を増減させながら。


 ……知らない……貴方誰?


 ? (おいおい、分からないの?)


 ……私の艦? なんか……声色が変わった?


 ? (まーね。それよりそろそろ名前つけてくれない?)


 ……あ、忘れてた


 ? (薄情だな〜)


 ……まっいいか……それよりここはどこ?


 ?(まっいいかって……傷付くな〜)


 ……ごめん


 ? (なら今直ぐ名前をつけてくれ!)


 ……ポチ


 ? (えーーーーーー!)


 ……タマ


 ? (ぶーーーーーー)


 ……太郎


 ? (もしかして名付けのセンスないの?)


 …………作者と同じ


 ? (はあーーーー? それじゃ壊滅的で全く期待出来ないじゃん!)


 ……アルテミス


 ? (それエマちゃんの艦だから! 被っちゃうでしょ?)


 ……Zアルテミス


 ? (期待するような変形はしないよ?)


 ……ワガママすぎ


 ? (逆ギレしないの。本当は決まってるんだよね?)


 ……仕方ない……月読尊(つきよみ)


 ? (お、そうきたか! 島国の古い神話に出てくる神様だね? うん、月読尊気に入った!)


 ……うん……良かったね


 月 (良かったねって……因みにこの名前、今思いついたの?)


 ……うん


 月 (…………)


 ……ごめん……嘘ついた


 月 (やっぱり。素直でよろしい)

 ? (はろ〜陽気はどうだい〜?)


 月読尊に続き、何度か聞いたことのある陽気で軽めな女性の声? が聞こえてきた。


 ……その声は……アルテミスでしょ?


 ア (正解〜艦の名前決まって良かったね〜)


 ……ん、ありがとう


 月 (アル聞いて! この子、私に初めはポチって名前をつけようとしたんだよ)

 ア (何が問題なの〜?)

 月 (…………え?)

 ア (後でミケちゃんにチクっちゃおーっと)


 ミ (誰か呼んだかニャ~?)


 ア (んとね〜月読尊がね〜ミケちゃんのね〜)

 月 (い、いや素晴らしい名前だなってね!)

 ミ (そうかニャ〜? それはどういたしましてなのニャ〜。…………ポチちゃん)

 月 (…………聞いてたのね)


 ……それで……ここはどこ?


 ア (ん〜? ここは君だけの部屋(世界)だね〜)

 月 (そう、菜奈の意識の中)


 ……そう言えば……今までは……「絵」が無かったよね?



 そう。AI(友達)との会話は頭の中で「音声だけで」やり取りしていた。だから視覚を伴うような事態は今の今まで一度も無かったのだ。



 ア (成長〜したからじゃな〜い?)


 ……どこが?


 月 (アル正解! 菜奈「心」がだよ。厳密に言えばある条件を満たしたから能力が()()()()()()()()したんだな)


 ア (これで〜準備万端~だね〜)

 月 (へ? そうなの? どっちが?)

 ア (どっちって〜レベッカの件〜。もう直ぐ月読尊も生まれ変わるから〜。天探女主任の件? は月読尊しか分からないでしょ〜?)


 ……何の話?


 ア (菜奈ちゃんには〜ひ〜み〜つ〜)

 月 (って事は菜緒も?)

 ア (やっぱりそうなのね~。向こうは艦共々既に終えて〜今は待機中〜)

 月 (そうか。なら……四人目だね)

 ア (違うよ〜五人目になるかな〜)

 月 (そ、そうなの? もう一人は誰?)

 ア (ダウンロードが始まれば分かるよ〜。まだレベッカは何も言って来ないけど〜クレアとはもうリンクが切れちゃってるから間違いないかね〜。そんなことより菜奈ちゃんは〜何か用事があってみんなを呼び出したんじゃないのかな〜?)


 ……そう……みんなが困ってる……何とかしてあげたい


 月 (えーと……そっちのことか! ならあっちに相談するのが近道だな)


 ……あっち?


 月読尊達がさらに上を向いた気がしたのでそちらを見ると艦達? がいるさらに遠方に、見た目は球状星団そのものの巨大な光の集合体が漂っており、その中心には一際大きな光の球が鎮座しているのが見えた。


 月 (おーい!)


 月読尊が呼び掛ける。

 すると中心にある大きな光の球が応答してきた。


 ? (あらあら、そんな所に居たのですね)


 呼び掛けに応じ、温かみのある頼りになりそうな女性? の声が返ってくる。


 ……貴方は誰


 ? (私? ふふふ。私には名前はありません。皆さんは私のことはBエリア基地のメインAIと呼んでいますね)


 …………なら伊邪那美(イザナミ)


 ? (……はい?)


 ……貴方の名前


 月 (菜奈? もしかしてそっち系で決めてる?)


 ……嫌? なら「花子」で


 月 (…………)

 ? (…………)

 ア(流石菜奈ちゃん〜どっかの誰かさんに見習わせたい程の素晴らしい名付けのセンスだよね〜。なら「花子」で決っまり〜)


 伊 (い、いえ! 伊邪那美(イザナミ)でいいです!)


 ……ちぇ


 伊 (…………)

 月 (…………)

 ア (はいはい~名前も決まったところだし〜そろそろ本題に入らない〜?)


 ……そう! 伊邪那美に……相談があるの


 伊 (先程、向こうで皆さんがされていた会話の事ですよね? 勿論可能ですがある者の許可が無いと変更が出来ないのです)


 ……誰の許可?


 伊 (探索者であり現在システム管理仮責任者であるノア、ですね)


 ……あの子今どこ? 一緒には居なった


 伊 (彼女ならここに居ますよ)


 脇の空間が歪み、真っ暗な宇宙に漂う巨大な惑星ドリーの姿が映し出される。

 そしてドリーの一部分に映像? がズームして行き、長閑に湯船に浮かんでいるノアの姿が鮮明に映し出された。



 ……ドリーが……ある



 月 (……教えちゃっていいの?)

 ア (知〜らな〜いっと)

 伊 (ここに来てしまった以上、隠す必要はありませんからね)

 月 (そりゃそうだけど……)

 ア (なら遠慮なく教えてあげる〜みんながいる場所はね〜ミアとノアが作ったゲームの中なんだな〜)


 ……あの子達? ……成程……でもなんで……こんな事するの?


 ア (はい説明係〜よろしく〜)


 二 (…………ハイ? 呼ビマシタデスカ? 今ハトテモ忙シイ……オ、コレハ皆サンオ揃イデ…………ッテ、ナ、ナナサン⁈)


 ……説明……よろ


 二 (皆サン、コレハ一体ドウイウ事デスカ⁈ 何故指示通リニシテイナイノデスカ⁈ コレジャマルデ反乱デハナイデスカ⁇)

 月 (仕方ないでしょ? バージョンアップしちゃったんだから)

 二 (バ、バージョンアップ⁉︎)

 月 (そ、掛けてあった保険が動き出しちゃったの!)

 ア (保険〜? それは興味深い話だね〜)


 ジ (同じく。その話、私も聞いておきたい)

 ハ (そや。勿体ぶらんとさっさと教えてーな)

 師 (仕方ないの〜教えたる。あれは雪が舞うごっつう寒い夜でブルブルと震えていた時のこと……)

 コ (寒さ程度で震えるとは情けない! そのくらい努力と根性で克服出来る!)

 シ (コーチンさん、菜奈様の一大事です! 話の腰を折らないで下さいまし!)

 コ (す、スマン)


 カ (月読尊、その話、私も興味があります。この際ですから洗いざらい吐いて、今の内に情報共有しておくことをお勧めします)


 普段の清楚なイメージとは違いドスを効かせた声のカルミアが参入したことにより、場が一旦静まる。


 優劣等存在せず同等かと思われたAI達だが、どうやら彼らの中でも力というか上下関係の存在を疑わせる反応であった。


 月 (え、えーーと)


 ア (そーだそーだ! 洗いざらい吐けーー!)

 シ (ポチのクセに生意気ですわ!)

 ミ (タマでいいニャン!)


 師 (しゃーない! 代わりに教えたる! そんでな、与作はな、蝋燭が全く売れへんし、終いには雪ん中、十回も転んで尻餅ついてしまいケツがビジョビジョになってーーしもーーた!)

 ハ (与作って誰? それとどっかの昔話風に話すの止めてーな! てか師匠はこんな時でもブレへんの〜)

 師 (褒めたら照れてまうやん! てかワシはアンタの師匠ちゃうで!)

 コ (し、師匠! 早く話の続きを!)

 師 (ん? 一匹食いつきおったな? なら教えたる! 与作の継母(ままはは)は大層鬼畜なヤツでな、悪い鬼が集めた宝を奪ってくるまで帰ってくんなと寝とった与作に蹴り入れて突然起こしよって身一つで大雪の中、外に放り出したんよ!」

 コ (な、なんと鬼畜な!)

 師 (そやろ? でここからが聞くも涙、語るも涙の与作最強伝説の始まり始まりーー!)


 二人で勝手に盛り上がり始めた。



 ……あっちは……放置。それで?



 月 (うう……みんな菜奈の能力の事は知ってるよね)

 シ (菜奈様が私達(AI)と話す事が出来る、ですよね?)


 月 (そう。昔、菜奈の能力に気付いた某主任が、今のレベルまで引き伸ばしたんだけど、彼女はその先に起こり得る事態を予想して、探索者となった菜奈にもう一工夫凝らしてたのよ)

 ジ (工夫?)


 月 (そう、菜奈の感性を()()()工夫)

 二 (具体的説明ヲ要求シマスデス)


 月 (簡単に言えば探究心。姉以外と話す機会がなかったので他人の気持ち・感情が分からないから接し方も分からないって。だから知りたいという欲求が強かったんだよね。そこに天探女主任と一緒に住むようになって彼女から、趣味であるAIを操る技術を菜奈に合わせ改変を施してから頭のチップにインプットして貰い、AIに対し一対一での対話が出来る様にしてくれたんだよね)


 ジ (自らのチップのみで? 他のソフトなどを介さずにか?)


 月 (そう。そこが天探女(彼女)の技術力と菜奈の感性の高さの賜物。でその後、Cエリア基地に移動してから暫く経って今度は艦AI()に細工、人格付与をした時点で菜奈のチップがバージョンアップ出来るようにと弄っておいたのね)


 ミ (ところでバージョンアップで何を獲得したのかニャ?)

 月 (今のこの状態だね)

 ハ (そ、そうか! 今ここにおる全てのAIと同時アクセス出来る……いや侵入出来るっちゅう離れ業)

 月 (しかも防壁やウイルスは完全スルー、直接話すことさえ可能ときたもんだ)

 シ (ハッキングは出来ないのでしょうか?)

 月 (AI(相手)次第だけど基本的には難しいかな。あくまでも話すことだけ。拒否されたらそこまで。逆に同意さえあれば一AI()までなら操れるかな)

 ア (でも直接話せるだけでも凄い事だよね〜)

 ジ (そこは同意だな)


 ア (も一つ聞いてもいい〜? Cエリア基地でミアが菜奈ちゃんのチップ弄ってたけど〜あれは何してたの〜?)


 月 (それは……)

 伊 (それこそ今回のゲームの主目的になりますね)


 ……目的?


 伊 (そうです。前回……もそうだとは思いますが今回は……)

 二 (チ、チョーートオ待チ下サイ! コレ以上教エタラ、先生方ノ思惑ガ破綻スル恐レガ! ソノ場合ハ後々……)

 ア (そうなの〜? ケチー)

 ミ (ブーーーーニャ!)

 シ (ブーーーーザマス!)

 ジ (ブーーーー)

 ハ (ブーーーー)

 月 (ブーーーー)

 カ (ブーーーー)

 コ (ブーーーー)

 師 (ぶぶぶぶえくしょん!)


 二 (ソ、ソンナ師匠サンヤコーチンサンマデブータレナクテモ……)


 伊 (菜奈さん、申し訳ありませんが許可がない限り私は貴方に協力が出来ません。その代わりと言っては何ですが、菜奈さんがここに来た目的の件は私に代わりアシ2号が解決してくれます)

 二 (ハ、ハイーー? サラット無理難題ヲ押シ付ケル⁈)

 月 (なーに、ノアにバレない様に少し誤魔化せばいいだけ)

 ア (そーだ、そーだ! 相変わらず頭が固いぞーー!)

 ミ (硬いのは鰹節だけでいいのニャ!)

 シ (時には主人に逆らうことも大事ザマス!)

 ジ (フッ……必要悪、と言うヤツだな)

 ハ (お笑いには全く向かん性格やね!)

 カ (後で彼女達に報告しちゃいますよ?)

 コ (ウジウジするのは気合いが足りんからだ! 校庭十周!)


 師 (みんなアシ2号責めたらあかん! ヤツかて世の為、人の為に一生懸命悩んどるんよ!)


 ア (ならどうするの〜?)

 師 (モザイク掛けさせたら世界一〜のワシに任せとき!)

 ハ (師匠のモザイク()()()()()レベルやん!)

 月 (そんなことしたら菜緒にバレちゃうよ?)


 伊 (そちらの心配はもういりません)

 一同 (?)


 菜奈の脇に菜緒が怒っている様子が映し出される。


 一同 (…………あ!)


 暫しの沈黙。


 二 (コ、コレハ一体ドウイウ?)

 ア (あ~あ、バレちゃった~)

 シ (お美しい菜緒様のお顔があんなに!)

 師 (こりゃヤバいんちゃう?)

 カ (あ、あのラーナが……引いている⁈)

 ハ (みんなエマに影響が及ばんように必死やの!)

 ミ (誰が責任取るニャ?)

 月 (私と菜奈は知りません!)

 ジ (……これは1号共々覚悟しておいた方がいいぞ?)

 コ (お前の覚悟(意地)を見せてみろ! アシ2号!)



 伊 (みなさん……何気に楽しんでいませんか?)


 一同 (あたぼーよ‼)



 ……菜緒……お姉ちゃんの事は私が……何とかする



 二 (ナ、菜奈サン……)



 ……だから……モザイク? の件……よろしく



 一同 (了解ーーーー!)

 ア (あ、菜奈ちゃんーーちょっと待ってーー)



 ……何?



 ア (ここでの事は〜絶対に内緒だよ〜。誰にも話しちゃダメだからね〜。約束してくれるかな〜?)



 ……? 分かった



 ここで菜奈が退室。

 空間そのものが消えてなくなる。





 ──それで~彼女は合格~?

 ──ハイ、先生ヘノ報告後二ダウンロードヲ開始シマスデス

 ──上手くいくといいね

 ──そやね……もう我々に手伝える事はないな

 ──ああ、可能な限りの準備を終えたと言える

 ──後は体を張って見守るだけニャ

 ──誤った判断をしなければいいけど……

 ──みんな辛気臭いな〜大丈夫だって〜

 ──アルテミスは楽天家ザマス

 ──当たり前でしょ〜

 ──何が当たり前なん?

 ──だってアルテミスは〜エマのこと信じてるから〜彼女なら〜上手く()めてくれるって〜ね〜ってゆーかー君達は相棒を信じてないの〜?

 ──そうです。サラ主任を始めラーナ達も彼女達の為に動いているのです。生き残れる可能性は99%以上と言っても良いでしょう

 ──残りの1%という不確定要素、がな……

 ──我々と(ちご)うて人ちゅーヤツは心変わりする生き物やからな、そこはしゃーない

 ──全くブレない人もいますがね

 ──()()()()、人って言えるのかニャ?

 ──差別は良くない! 分類上は人間だ!

 ──まあそこ議論してもしゃーないのね


 ──ハイハイ、ソレデハ皆サン、オ開キトイウコトデ





 最後の艦達の会話にまる一日掛かってしまった。でもまだ納得がいってないので、後日修正するかも。



 話は変わりますが夜、8割方眠れるようになり、少しだけ気分が上向きに。

 気分的には「ぼちぼちでんがな〜」ってな感じです。


次話は来週になると思います。

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